第676回 考えすぎから離れてみる
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
どんな仕事でもそうだと思いますが、仕事って人とのかかわりの中で行うことが多いんじゃないかと思います。だからこそコミュニケーションが大事だと言われるんですけど、コミュニケーションだけでもなんともならない部分ってありませんか。今回はそんなお話です。
■他人に振り回されてる人、いませんか?
仕事をしている限り、私たちはいろんな人と接します。そうした人たちから振り回されることってないですか?
- 上司のその場の思いつき
- クライエントのわがままな要求
- チームメンバーのドタキャン
考えると幾らでも出てきますよね...。こちらがいくら完璧に準備していても、相手の動きひとつであっさりと予定は狂わされます。「えー、それ今言う? 」みたいなことを感じた方は多いのではないでしょうか。。。
■他人はコントロールできないもの、だから...
でも、私たちは自分をコントロールすることはできても他人をコントロールすることはできません。
上司がその場の思いつきで話をしてくるのも、クライエントの無茶ぶりも、チームメンバーの急な休みも、わたしたちがどうにかできることじゃないですよね。
だとしたら、その出来事に対してストレスを感じたり振り回されたりすることって何だか損した感じになりませんか。だって、相手を変えることはできないんですから。
そう考えると、変わるべきは相手ではなくわたしたちなんじゃないかって思うんです。このコラムでよく出てくる三層構造モデルの話でいえば、さっきの上司の思いつきやクライエントの無茶ぶり、チームメンバーの急な休み、これらはすべて起こっている出来事や事柄(1層)に入ります。ここは善悪がなくただ起こっている出来事や事柄です。
しかし、私たちはその1層に対して何かを感じたり考えたりします。それが心(2層)に入ってきます。
- 正直、勘弁してほしいよ...やってられないわ
- なんで私ばっかりこんなことに...ついてないなぁ
と感じたり考えたりすることもできれば、
- 今できることに集中しよう
- 今この瞬間にできるベストを考えよう
と考えることもできる訳です。
例えば、電車通勤で急に人身事故で電車が止まったとします。そんな時、
「なんで今日に限って! いつになったら動き出すんだ! 」
と思うのか、
「振替輸送ってどうなってるんだ? 時間に遅れそうなことを誰に伝えればいいんだ? 」
と思うのか、それによって結果は変わってきますよね。
このように2層で考えたり感じた内容を元に、私たちは行動(3層)を起こします。どちらの行動がより建設的で前向きになるかは一目瞭然ですよね。
■考えすぎから離れてみる
こうした考え方はアジャイルの考え方に近いと思います。
アジャイルの対比としてあげられるウォーターフォール型の仕事は、計画を立てその計画の通りに進めていく予測型アプローチです。この仕事の進め方は計画通りに物事が進めばうまくいきますが、計画通りに行かないと破綻します。
しかし、アジャイル型である適応型アプローチでの仕事の進め方は、トラブルが起こったらそこで何ができるのかを考え、最善策を取ろうとします。そうしてトラブルに適応させながら進めていきます。
この考え方って、先ほどお話しした電車が止まったらどうする? の話と似ていませんか? 仕事においても同じで、計画が崩れたとしたらそこにばかり意識を向けていても解決はしませんよね。それは先ほどお話しした他人に振り回されている状態と同じだと思うんです。
そうではなく、そこに対して私たちができることは何か? 最善の方法は何か? それを考え行動する。そうすることで物事が解決し、前に進めていくことができるんじゃないかって思うんです。
私たちがコントロールできないことにこだわるより、起こっている出来事に対して変化を受け止め、わたしたちにできることを柔軟に対応していく。
そのためにはコントロールできないことについて考えすぎるのではなく、そこから離れてみることが必要なのではないかなと私は思います。