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第640回 心を動かそう

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 社会人になれば一日、一週間、一カ月といった一定の期間でやることが決まってきます。俗に言うルーティンです。こうしたルーティンを繰り返していると少しずつ感覚が麻痺し、それが当たり前だと思ってしまうことってありませんか。それが当たり前になってしまうと少しずつ心が動かくなり、感情の振れ幅が少なくなり、やがて惰性で生活するようになります。

 こうした生活が良いか悪いかはさておき、私の場合、このような感覚に陥ることが結構あります。そんな時にいつもやっていることがあるんですが、今回はそんなお話です。

■ルーティンが起こる原因

 朝起きてご飯を食べて仕事に行く。決まった仕事を決まったやり方で行い、決まった時間で休憩する。仕事が終われば帰宅の途に着き、家に帰ってご飯を食べ、お風呂に入って就寝する。

 こうした1日のルーティンを持っている人って多くいらっしゃるんじゃないでしょうか。私たち現代人は規則正しい生活が求められます。そのため、こうした自分なりのルーテインを作って生活をしないと、うまく生活できなくなるかもしれません。

 私はこうしたルーティンを作って生活してしまうことが多いのですが、それは偏に毎日同じことを繰り返そうとするかだと思います。では、なぜ同じことを繰り返そうとするのか?

 答えはその方が楽だからです。決められたルートを通ることが最善、最短で効率が良いですし、労力の消費も少なくなります。そうした効率を求め続けた結果、1日にやるべきことが決まってしまい、それに従って生活をすることを良しとしてしまいます。その積み重ねがルーティンとなっていきます。

 つまり、ルーティンとは私たちが生活の中で効率を求めた結果だと言えるのではないでしょうか。

■ルーティンの弊害

 私たち人間には1日に活動できる範囲があります。1日は24時間しかありませんし、1日にできることも限りがあります。そうした中で成果を出し続けるためには、ルーティンを作ることはとても効果的な方法だと思います。ただ、一方でルーティンを行っていると、考えることをしなくなるような気がするのです。

 毎日朝起きて、ご飯を食べて、仕事に行って...それらは行動です。そうした行動をしていれば効率が良いのですから、そこに思考を介在させる必要がなくなってきます。考えることをしなくても、ルーティンの行動さえしていればOKのような状態になってくるのです。そうなると、考えることをしなくなります。それが積もり積もっていくと、やがて心が動かなくなってしまい、何事にも関心がなくなってしまいます。こうしたことがルーティンをすることの弊害になっているように思います。

■心を動かそう

 私の場合、何事にも関心がなくなってしまっている状態に気づくのは、大体はその状態にどっぷりつかっている時です。

「あー、今、思考が止まっているわ...」

みたいな感じで自分の状態に気づくのですが、その時に必ずやろうと決めていることがあります。それは、心を動かすことです。

 心を動かす方法はいくらでもあります。

  • 感動する本を読む
  • 心を揺り動かす動画を見る
  • 気持ちを高める音楽を聴く

 こうしたことを意識的に行うことで、気持ちがリフレッシュされます。その後、必ずやるのがミッション・ステートメントの見返しです。ミッション・ステートメントについては過去のコラムをご覧いただくことして、ミッション・ステートメントは私のなりたい姿、ありたい姿、完成形なので、こうしたことを再度自分の中に刷り込ませます。そうすることで、自分の心を奮い立たせ、モチベーションを持って活動していこうと思えるようになります。

■世界は変わらない、変わるのは自分

 私が提唱している三層構造モデルでは、私たちの置かれている状況を3つの層に分けることで、物事の本質を見極めやすくします。

 私たちの周りには様々な出来事が起こります。先ほどお話ししたルーティンについてもそうです。これらは事柄でしかありません。そこには善悪もなければ正誤もありません。これらは単なる事実、ファクトです(これを1層と呼びます)。

 しかし、私たちはそうした事柄に対して何かしらの想い、感情、気持ちをも抱きます(これを2層と呼びます)。

 その結果、私たちは何かしらの行動を取ろうとします(これを3層と呼びます)。

 この三層構造モデルに当てはめて考えてみると、本当に変えなければならないのは1層である事柄ではなく、2層である私たちの心であることが分かります。私たちの心の有様を変えるからこそ、3層である行動が変わるのです。

 私は自分の心を変えるために、動かなくなった心を動かすようにします。それは、自分が立てたミッション・ステートメントを感じ取りやすくしたいからです。これは2層である心の層を変えようとしています。その上で再度、1層である自分に起こっている事柄を見渡します。そうすることで自分の立てたミッション・ステートメント越しに事柄を捉えることができるようになります。そして、捉え方が変われば3層である行動も変わっていきます。

 このように自分なりの心の動かし方を知っておくことは、忙しい現代社会を生きる私たちにとって必要なことだと思います。ぜひ、自分なりの心の動かし方を持ち、心を動かしてみてくださいね!

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