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第583回 何かを習得するために必要な考え方

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先日、傾聴のトレーニングを担当していたのですが、傾聴を指導する場合、相手のレベル感によって伝える内容を変えています。この時は初心者の回だったので、傾聴に関する基礎的な話からトレーニングをスタートしたのですが、一筋縄ではいかなかったみたいで参加者の方々は皆さん苦労されていました。そこで、傾聴を習得するためのコツをお伝えさせていただきました。今回はこの時にお話しした内容から、何かを習得するために必要な考え方をお話ししたいと思います。

■傾聴の難しさ

 初めて傾聴を行われる方の中には言葉が出なくなり対話が止まってしまう方が結構おられます。一方で、このような反応はごく自然な反応なので気にしないように伝えています。

 というのも、傾聴というのは相手の話を深掘りするという聴き方をしながら会話の流れを考えます。そのため、傾聴をしている主観的な自分と、対話を客観的に捉えている自分の2つの自分を意識をしなければなりません。しかし、一般的に多くの人はその人の主観のみで対話を行いますので、このような意識で対話をすることはありません。当然やったことがないので、身体がどう対処すればよいか分からないので思考が止まってしまい、言葉が出てこなくなるのです。

■習慣を変えるためには

 そこで、こんな話をします。

傾聴をするということは今までにない新しい習慣を身につけることと同じです。例えば、利き手と逆の手で字を書く時のことをイメージしてください。最初は書きづらさが感じますよね。しかし、暫く続けていると指の使い方や力のかけ具合など、自分なりのやり方を模索するようになります。そうして、少しずつその感覚に慣れていき、次第に違和感がなくなり自然に書けるようになります。

 その上で、この話をご自身に置き換えてもらうのです。傾聴をするというのは利き手と逆の手で字を書くことと同じだとしたら、習得に向けてどんなことを心がけますか? これを考えてもらいます。そうすると、ご自身なりにやり方を工夫したり、ミスするポイントを見極めてそこに注力しようとしたりします。その後トレーニングを行っていくと、少しずつ傾聴の感覚に慣れてきます。こうしたことを繰り返した上でこちらのフィードバックや具体的な手法をお伝えすると、どなたも習得が早くなります。

 また、傾聴をやっていると質問攻めになる方がいます。このようなタイプは相手に訊く内容が明確になっておらず、ただ「傾聴をする」という意識だけが先行している場合に起こりやすいです。つまり、対話に対する戦略がないのです。こうした方にはAチャート法を使って傾聴する方法をお伝えしたりするのですが、それもただ伝えるよりも、その前段として自分で色々と模索してもらった上でAチャート法を伝えた方が、理解や習得が早いように感じます。

■何かを習得するために必要な考え方

 こうしたことから分かることとして、手法を伝えることはその人にとって最善の解決策ではないと思うのです。そうではなく、自分で何とかしようと模索し考えることが習得する上で必要な考え方だと思うのです。なぜなら、自分で何とかしようとする行為は、その対象に対して能動的に取り組もうとする気持ちの表れだからです。どんなことでもそうですが、受身ではなく率先して行動できる方の方が習得は早いと私は思っています。

 ですので、何かを習得したいとと考えておられる方は、まず自分がやろうとしていることは習慣を変えることだと認識すること、そして、自分なりに考えて模索を続けること、この2点をやり続けることでオススメしています。よかったら、チャレンジしてみてくださいね!

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