第479回 限られた時間を効果的に過ごすために
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
前回のコラムで「影響の輪、関心の輪」について書きました。今回はこの話の続きです。最近、私はある理由からこの影響の輪、関心の輪に意識を向けて行動することを心がけているのですが、今回はこのことについて書きたいと思います。
■人生における無駄、それは...
少し前から強く思うようになったのですが、私はほっといたら関心の輪にいることが多いような気がしていました。
「お客さんからいい返事が来ないかなぁ...」
「今、取り組んでいる案件、うまくいくかなぁ...」
「明日は良いことがあると良いなぁ...」
よくよく考えてみると、これらは私からすれば全て関心の輪の出来事です。関心の輪については前回のコラムをご覧いただくとして、端的に言えば、自分の影響が及ばない出来事のことを言います。しかし、こういった出来事は自分自身にとっては重要ですので、なかなか意識せずにはいられません。私の場合、こういった関心の輪の出来事をずーっと考えていることがあり、下手すると一日中あれこれ考えていることもありました。
しかし、これら関心の輪の出来事はいくら想いを巡らせたとしても何も解決しません。だって、自分の影響が及ばないことなのですから。
そう考えると、関心の輪の出来事に意識を持って行きあれこれ妄想するのは私にとって無駄以外の何物でもありません。そこから、関心の輪にいる時間は人生の無駄とまで感じるようになってきました。。。
■思考の無駄を減らす
7つの習慣では何か成し得たいことがある場合に、
何かを成し得るための行動...影響の輪
その結果...関心の輪
のように捉えます。何かを成し得るための行動は自分の意思で行うことができるため影響の輪にありますが、その結果は関心の輪にあります。
結果を考えることは誰しも良くやることだと思いますし、私自身もそうです。しかし、結果をあれこれ考えたとしてもそこからは何も生まれません。そんなことを考える暇があったら自分の行動に意識を向けて動いた方がより良い結果が生まれやすくなるのではないでしょうか。
このような考えで行動することで、少しずつ自分の思考の無駄が減ってきたように感じます。例えば、自分の思考が関心の輪にいることが分かった段階で、
「今の内容は関心の輪だったなぁ、考えても何も生まないし無駄だから止めよう」
とその思考にストップをかけることができるようになってきました。この積み重ねによって少しずつ関心の輪に留まる時間が減り、影響の輪の中で行動することが増えてきたように感じます。
■限られた時間を効果的に過ごすために
私たちに与えられている時間は有限です。1日の中で私たちに当たられている時間はそれほど多くはありません。そんな限られた時間を関心の輪に充ててしまったら本当に何も生まれません。しかし、私は知らず知らずのうちにそんな生き方をしていたように思います。
だからこそ、これからは関心の輪にいる時間を極力減らし、影響の輪にいる時間をもっと増やしていきたいと思います。たったこれだけのことですが、実はこういった考え方こそが限られた時間を効果的に過ごすためには必要なのではないかと思っています。
コメント
ちゃとらん
いつも楽しく拝読させていただいています。
「影響の輪、関心の輪」については、時々、パクパクさせていただいていますが、今日は私の視点とは少し違いましたので、コメントさせていただきます。
> 何かを成し得るための行動...影響の輪
> その結果...関心の輪
これは理解できますが、個人的には、
何かを成し得たい目標…関心の輪
何かを成し得るための行動...影響の輪
と捉えています。
ある行動の結果、関心の輪に自身の影響の輪を広げることができるというのは理解できます。だからと言って、やみくもに影響の輪を広げればよいというものでもないと思っています。
例えば、野球をやっていて、勝ちたい…打者として点を取りたい…だが、ベンチにすら入っていない…ベンチ入り(関心の輪)…素振りとランニングをしよう(影響の輪)であって、今できる事が腕立て伏せだとしても、すべき優先順位があると思います。
# バッティングセンターで実際にボールを打つ方が良いのかもしれませんし…
なので、
> 限られた時間を効果的に過ごすために…
目標(関心の輪)をしっかり定めて、適切な行動(影響の輪)を行うべきなんじゃないかと思っています。
『私にとっては』関心の輪の出来事をあれこれ妄想するのは無駄とは思っていないというお話です。
# 運動の世界で言うと、イメージトレーニングといったところでしょうか。
#もちろん、妄想だけで終わるのは、時間の無駄ですけどね。
キャリアコンサルタント高橋
ちゃとらんさん
いつもコメントありがとうございます。
内容を興味深く拝見させていただきました。
実は目標については捉え方がややこしくなるので、今回はあえて明言しなかったのですが、そこに切り込まれてしまいましたね。。。
ちゃとらんさんのおっしゃるように決められた「目標」自体は関心の輪の範疇ではあるものの、そこを定めないと具体的な行動が生まれてきませんので、「目標を定める事」は影響の輪の範疇だと思っています。
ですので、ちゃとらんさんがおっしゃる
> 目標(関心の輪)をしっかり定めて、適切な行動(影響の輪)を行うべきなんじゃないかと思っています。
の「目標(関心の輪)をしっかり定めて」行為自体は影響の輪と考えてよいのではないかと思います。そう考えると、「目標をしっかり定めて、適切な行動を行う」ことは全て影響の輪の範囲にあるのではないかと考えています。
7つの習慣は読む人によって色んな解釈が生まれますし、私自身も今までに何度見方が変わったか分かりません。でも、そうやって読み解いていく本なのかなぁと思っています。。。
ちゃとらん
> 「目標を定める事」は影響の輪の範疇
なるほど… 面白いですね。
私がイメージしていたのは、関心の輪を色々と妄想して、その中から適切な目標を設定するのですから、関心の輪の妄想も、あながち無駄ではないかもと思ったのと、絵的には輪=円でしたが、関心具合、影響具合はギザギザなので、どこの影響を伸ばすかの優先順位付けには、関心の輪に関心を寄せる(妄想する)のも、重要なんじゃないかといった感じです。
ですが、どの関心に関心を寄せるかも自分で決めることのできる影響の輪の範疇であると。
奥が深いです。勉強になります。