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第440回 言われたくない言葉をもつ

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 私がキャリコンになって15年以上になりますが、キャリコンになった当初からずっと抱えている言葉があります。それは、私にとって言われたくない言葉でもあり、大切にしたいと思っている言葉でもありました。今回はそんな「言われたくない言葉」について考えてみました。

■キャリコンにとって言われたくない言葉

 私がキャリコンになろうと思ったとき、一番言われたくない言葉がありました。それは、

「キャリコンであるあなたのキャリアはどうされているのですか? 」

でした。私がキャリコンになろうと思った当時、今ほどキャリコンという職業は世間に認知されていなかったように思います。そういった中でキャリコンとして活動することはとても難しく感じていました。特にキャリコンは一生涯研鑽や勉強を続けなければならない職業でもあるため、ワーキングプアに陥る可能性が比較的他の職業より高く、キャリコンだけで生活をしていくことが厳しい状況にありました。

 キャリコンは人様のキャリアづくりを支援することが仕事です。しかし、人様のキャリアづくりを支援している当のキャリコンが自分自身のキャリアがつくれていなかったとしたら...、そんなキャリコンに誰がキャリアづくりを依頼したいと思うのでしょうか? 少なくとも私は到底依頼したいとは思えませんでした。キャリコンを始めた当初から、私はずっとこのことが引っ掛かっていました。

 幸い、私はキャリコン以外に研修やセミナー講師としての顔がありました。そのため、研修やセミナー講師としての立場とキャリコンとして立場、二つの立場でキャリアづくりをしていこうと考えました。また、自分のキャリアづくりのために必要となることをいろいろやりました。今まで私は4冊の商業出版を実現させてもらっていますが、これも私なりに考えた自分のキャリアづくりの一端でした。そうして、今に至るまでに私は私なりに自分のキャリアづくりをやってきたつもりでいます。ですので、先のような質問をされても今は特に言われたくないとは思わなくなりました。

■言われたくない言葉を紐解く

 言われたくない言葉というのは、その人にとっての悪口や陰口という意味ではありません。そういった次元の低い話ではなく、自分がそこに触られたくない、そこを言われてしまうと答えに窮してしまう、そういったその人の弱点や本質に近い言葉のことを指しています。例えば、

「あなたは仕事を手を抜かずに責任もってやっていますか? 」

「あなたは自分で決めたことを最後までやっていますか? 」

「あなたは自分に都合の良い言い訳をつくって物事をやり過ごそうとしていませんか? 」

こういう感じの言葉です。ちなみにこれらの言葉は、すべて私が言われたくない言葉です。ということは、私の中で過去にこういったことをやっていたことがあるフシがあるからですね。いやはや、反省です。。。

 しかし、こういった自分にとって言われたくない言葉というのは、自分の欠点や弱点を明確に示しています。例えば、

「あなたは仕事を手を抜かずに責任をもってやっていますか? 」

という問いに対して、普段なら勿論「Yes」で答えられる自信はあります。しかし、本当に自分が厳しい状況に追い込まれている時、この質問をされたら「Yes」と答える自信はありません。勿論、その時の状況もありますので常に「Yes」である必要はないかもしれません。しかし、それでも私は仕事である以上、常に「Yes」でいたいと思っています。

 このように考え、これらの質問は常に自分の中にもつようにしています。そうして、自分の中で常に「Yes」と呼べるようになったとき、この質問は自分にとって言われたくない言葉ではなくなくなり、自分を育ててくれた言葉に変わっていくのではないかと思っています。

■言われたくない言葉をもつ

 よく、目標を立てましょう! という言葉を耳にします。目標を立てるとゴールが明確になるのでそこへたどり着くまでの道筋が考えられるようになり、少しずつでもゴールへと近づいていくことができるようになってきます。そして、この目標というのは往々にしてポジティブに捉えられること多いような気がします。それはそれで正しいことだとは思いますが、「言われたくない言葉をもつ」ことでまた違った自分なりの目標が見えてくることもあるのではないかと思っています。

 あなたにとって言われたくない言葉を他の人に話す必要はありません。あなただけが心の底にもっておけば良い言葉です。その言葉はあなたにとって心地の良い言葉ではないと思います。しかし、その言葉を克服することができたとき、あなたの生き方が大きく変わるきっかけになるかもしれません。言われたくない言葉をもつというのは、そういった効果があるのではないかと、自分自身の体験から思いました。

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