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第387回 第三の案を持つススメ

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 久しぶりの乗っかりネタです。といっても、3つの目の話は過去のコラムで書かせてもらっていましたので、ちょっと趣向を変え、今回は第三の案について書かせていただこうと思います。

■第三の案とは

 第三の案はこちらのコラムでも紹介させてもらいましたが、7つの習慣の中の第6の習慣「シナジーを創り出す」で出てくる言葉で、シナジーをつくり出す上での具体的な考え方のことです。

 7つの習慣は自立した人同士がかかわりを持つことで、より高い効果性を生み出すことを狙っています。それを相互依存という言葉で表しますが、このとき、

自分の案のことを「第一の案

相手の案のことを「第二の案

自分の案でもない、相手の案でもない、それらよりももっと優れた案を「第三の案

と呼んでいます。

 この第三の案を生み出すためには、お互いの違いを尊重するところから始まります。そうして、お互いの強みに着目するスタンスを取りながら、明確なゴールを思い描きます。その上で、互いのWinを洗い出します。そうすると少しずつ選択肢が生まれてきます。また、選択肢を生み出す過程で案をゴールが変わってきたり、互いのWinも変わってくることもあります。そうして、ゴール、互いのWin、生み出される選択肢、これらを行き来しながら選択肢を少しずつ増やしていきます。その後、選択肢の中から第三の案が生まれます。これが第三の案が生まれるプロセスです。

■第三の案の難しさ

 この第三の案は7つの習慣の集大成になる部分でもあり、私個人はとても難易度が高いと思っています。それは、この第三の案というシナジーを生み出すプロセスの中で「自分の案でもない、相手の案でもない、それらよりももっと優れた案」という考え方を実践することが難しいからです。

 そもそも、「自分の案でもない」という段階で、目的を実現させるためにじっくり考えた自分の案をいきなり捨てるのです。それは放棄ではなく、昇華に近いように感じますが、まずその認識を持つことがなかなかできないのです。自分で考えた案が素晴らしいと思えば思うほど、人はその案に固執しようとします。それは相手であっても同様です。

 しかし、自分の案に固執する限り、第三の案には到達できません。

 第三の案を生み出すためには、目の前の相手となら今自分が思い浮かべている最良だと思っている案以上の案が出せるという信頼関係が築けているか、お互いが相手の違いを尊重し、場のエネルギーを高めるための振る舞いができるか、こういったことが求められるのです。ですので、私は第三の案を生み出すことは相当難易度が高いと思っています。

■第三の案を生み出そう

 ですが、もし、私たちの所属する会社や組織が第三の案が生み出せるような文化が根付いていたとしたらどうでしょうか。

 実は、実際にそのような企業はたくさんあります。その中で、私がとても共感する会社にIDEOという世界的なデザインコンサルティング会社があります。とても有名な会社なのでご存じの方も多いと思いますが、この会社がデザインを生み出すプロセスは第三の案で謳っている「違いを尊重する」「自分の案でもない、相手の案でもない、それらよりももっと優れた案」こういったことに対し、真正面から取り組み結果を出されている会社です。もしご興味のある方は調べてみてください。

 私も第三の案を生み出すプロセスを体験していますが、第三の案が生み出されたときは非常に高い高揚感、達成感がありました。ただ、こればかりは言葉だけではなかなかイメージしづらいと思いますので、実践して体感していただくことが一番だと思います。

 ですので、もしご興味のある方は7つの習慣をお読みいただければと思います。また、第三の案はこれだけで1冊の書籍にもなっていますので、よかったらこちらもご参照ください。

第3の案 成功者の選択

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