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第350回 3つの目

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 前々回のコラムでもお伝えさせてもらいましたが、ここの所キャリコンのトレーニングをさせてもらうことが増えてきています。主に指導側に回らせてもらうのですが、いろんな方の面接ロールプレイを拝見させていただくと、お一人お一人特徴があることが良くわかります。上手だなと思う方はある程度ご自身の面接の型ができており、どのような状況においても臨機応変に対応できておられます。こういった方の面接ロールプレイを拝見させてもらうと、「3つの目」がうまく機能しているなぁと感じてしまいます。そこで、この「3つの目」について思うことを書きます。

■3つの目とは

 「3つの目」とは「虫の目鳥の目魚の目」という動物の視点から物事を捉えることの比喩表現です。それぞれの目には以下のような意味があります。

虫の目...虫の目は物事を小さく捉えるときの視点で、ミクロ的な視点を持つことを指しています

鳥の目...虫の目とは逆に、広く俯瞰して捉えるときの視点で、マクロ的な視点を持つことを指しています

魚の目...魚が潮流を読んで行動していることから、物事の前後関係といった流れを読む視点を指しています

 例えば、キャリコンの面接ロールプレイを例にとって考えてみると...、

虫の目...相談相手の一つひとつの話に耳を傾け、事柄や気持ちを汲み取る(傾聴)

鳥の目...相談者の話を客観的に判断し、問題の本質を捉える

魚の目...相談者との会話の流れから、どのような方向で面談を進めていくかを方向づける

のようになるのではないかと思っています。実際に面接ロールプレイを拝見させていただくこと、虫の目が得意な人は結構おられるのですが、その反面、鳥の目や魚の目が得意な人はかなり少ない印象です。

 こういった鳥の目、魚の目ができているかどうかは、面接ロールプレイ後の口頭試問でも良くわかります。口頭試問では面接ロールプレイを振り返り、何をやろうとしたのか? 何ができなかったのか? を質問形式で回答することで、面接ロールプレイを思いつきや勘で行うのではなく、意識して行っているかどうか(自己一致しているか)が判断できます。

 鳥の目や魚の目をもっている人は自分が話した言葉の根拠をしっかり理解しており、なぜそのタイミングでその言葉を発したのか? その言葉を発することで何を期待し、どのような方向性をつくろうとされたのか? をちゃんと理解されています。そういった方の面談ロールプレイを拝見させていただくと、やはり安定感が違うなぁと関心してしまいます。。。

■3つの目を得るためには

 一応、私自身も3つの目を意識して面談ロールプレイをやっている(つもり)と思っています。虫の目である傾聴についてはこのコラムでも再々お話していますのでここでは割愛させていただくとして、鳥の目は第三者的な視点を持つことなので、これは私が提唱する4Sコーチングにおける「中立に立つ」という考え方を使っています。魚の目も4Sコーチングにおける「ユニット」の概念がそのままあてはまります。これらはトレーニングによって身につけることができるため、鳥の目であれば、中立に立つトレーニング、魚の目であればコネクター(レセプター)のトレーニングが有効なのではないかと思います。もし、興味のある方がおられましたら、ぜひご覧ください。

■3つの目を活かそう

 この3つの目は面接ロールプレイだけでなく、様々なシーンで活用できます。仕事においてもそうですが、普段の生活においても使えます。

  • 目の前にある出来事にはしっかり対応する(虫の目)
  • 全体を俯瞰し、最適な行動を選択する(鳥の目)
  • これまでの出来事からこれから起こることを予見し行動する(魚の目)

 こういったことは普段の私たちの生活にはない部分なので、いきなりやろうとすると難しく感じられるかもしれません。しかし、私たちはこうった能力をトレーニングによって身につけることもできます。

 3つの目は私たちのさまざまな側面において役立つ物の捉え方です。もし、ご興味のある方はぜひトライしてみてくださいね!

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