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第349回 ルーチンワークを考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 私たちの生活は基本的に同じことの繰り返しが多いのではないかと思います。朝起きて朝食を食べ、会社までいつもと同じルートで通い、いつもと同じデスクに座って、決められた仕事をする。仕事が終わったら多少の余暇があり、その後はいつもと同じルートで家に帰り、夕食を食べたり風呂に入ったりして、いつもと同じ時間に就寝します。

 これは私たちの日常がルーチンワークになっていることを意味しています。こういった生活を続けていると、その内「普段と変わらない日常」の中に私たちがいることを意識し出します。その意識はやがて閉塞感や退屈な感情を呼び起こします。

 私は毎週あちこちに飛び回るような生活をさせてもらっていますが、結局の所、移動先が違うだけで同じことの繰り返しで、私も当然のことながらルーチンワークの中で生活をしています。

 少し前になりますが、こんなことを新幹線の中でぼーっと考えていたのですが、そのときあることが思い浮かんできました。そこで、今回はそのときに感じたルーチンワークに対する考え方について書きたいと思います。

■誰しもが持っているルーチンワーク

 私は週初めにはいつも新幹線に乗って数時間揺られて移動しています。そうして現地に着いたらいつものように仕事を始めます。そして、仕事が終わったらまた新幹線に乗って家に帰ります。このような生活を始めた当初、新幹線に乗ることに嬉しさを感じていたと思います。しかし、それが何年も何年も経つと、新幹線に乗ること自体、何の感情も湧かなくなり、ただの移動の手段としてしか考えなくなっていました。

 また、地方に行かせていただいたとき、最初はその土地にある郷土料理や名産品などを探し求めるようなことをしていました。しかし、今では駅前のチェーン店で簡単に食事を済ませるか、コンビニ弁当を買い込んでホテルでチマチマそれを食べるような生活になっています。今では出張をすること自体、何の感情も湧かなくなってしまいました。。。

 仕事も基本的に同じことの繰り返しです。ただ、私の仕事は相手があってことなので、必ず一期一会は大切にすることだけは守っています。初めて会う相手は二度と出会うことができない相手かも知れません。だからこそ、そのときの私自身にできることを精いっぱいやらせていただく。これはこの仕事を始めたときから守っていることで、それは今でもブレずに行っていると思っています。

 しかし、それ以外はやっぱりルーチンワークです。同じ仕事の繰り返しで、そこに対する良い感情も悪い感情も湧くことはなくなってきたように思います。

■悪いのはルーチンワークか?

 ただ、それはルーチンワークに原因がある訳ではないように思うのです。ルーチンワークをどのように感じるか、私たちの感情に問題があるような気がするのです。

 確かに、同じことの繰り返しは慣れを生み、感情を麻痺させるかもしれません。しかし、そのよう中で私たちが考えることを止めてしまっていること、変わらない日常を前に、私たちが思考を止めてしまっていることが大きな原因ではないかと思うのです。その結果、ルーチンワーク、いい方を変えると変化のない日常を退屈だと感じたり、物足りなさを感じたりするのかもしれません。

 しかし、だからこそ、考え方ひとつでルーチンワークの捉え方は変えられるのかもしれません。

 たとえ同じ日常であったとしても、そこから見いだせる何かを探してみたり、新たな挑戦を試みてみたりと、ルーチンワークの中でもできることは無限にあるような気もするのです。そう考えると、ルーチンワークだから退屈だとか、ルーチンワークだからモチベーションが上がらないというのは、自分に対して言い訳をしているような感じになってきました。。。

 結局の所、私たちの生き方は私たち自身が決定しています。だとすれば、思考を止めさえしなければ、私たちは退屈な日常を劇的な日常に変えることだってできるかしれません。

 そんなことを新幹線の中で考えていました。そうしていると、ふと目の前に富士山が見えてきました。そういえば、新幹線からまともに富士山を見たのはそのときが初めてだったと思います。その富士山を見て、まだまだやれることはたくさんあるなぁとしみじみ感じました。。。

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