地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

価格を下げることに抵抗できるか

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 すっかり夏になってしまったと思っていたら、そこまで気温が上がっていないのが北の大地です。先週今週と窓を開けて寝るには肌寒いと感じる日が多いです。この季節は本州との気温差に毎回マウントを取りたくなるのは、寒いところに住む人間あるあるなのかもしれません。来週後半には夏の日差しが戻ってくるようですが、それでも本州とは比べるまでもなく楽な気候だと思います。

 そのようなものも含めて地域による差は色々とあるのですが、それは IT 業界においても同じことです。同じ作業を行ったとしても、地域によって得られる金額は異なります。最低賃金などでも話題になりますが、その地域によって生活に必要になる金額はどうしても違いが出てしまうために、すべての地域で同一賃金とすることは現実として難しいものとなります。地方に住まわれている方であればわかると思いますが、就職するなら本社は東京など大都市の企業にしろ、と言われることがあるのも同じ理由です。企業が社員に支払う給与においては、そこまで地方差を出しているところは少ないこともあり、地方に住んで都市部の企業に勤めることは非常にメリットが大きいものでした。

 このような話題が気になりだしている理由は、やはり AI の台頭が一因です。これまでであれば価値に対する価格付けよりも、労働時間に対する価格付けを用いることでビジネスを進めていた企業は多いと思います。俗にいう人月商売です。労働時間を基準とすることで明確な金額体系となることがメリットの一つで、相手にとっても理解しやすい価値でもあります。ところが AI の台頭により、労働時間そのものが減少することが避けられなくなりつつあります。そうなった場合にどうすべきかと考えると、時間ではなく価値に金額を付けるという考えに至ることは、それほど珍しくはありません。

 ですがこの価値というのは、全国どこでも同一で提供できる反面、賃金の地域差のように地方で提供しようとすると難しくなる考え方に繋がります。商店で売るような品物、または非常に著名なものであれば全国同一金額となっていることに不満は感じませんが、そうではない分野においては基本的に地方であればあるほど金額は下げなければなりません。今時点では IT 業界が生み出す価値というものも、一部を除いて同一価格は難しいのではないでしょうか。

 投入できる元手が地域によって差がある以上、価値ベースで一律に金額を決めてしまうことは地方マーケットを対象にしにくくなります。ものの金額を設定する際、理由として粗利や回収率といったものを当然考える必要があります。これぐらいの利益にして、これぐらいの数を提供できればこのくらい時間をかけることで費用を回収できる、そう考えるのも当然のことです。ただ AI の登場により、かけた時間がかなり短縮される状況になりました。これが作る側だけ活用できる技術であるならばそこまで問題にはならなかったかもしれません。ですが広く世の中に AI が浸透してきているいま、自分たちで AI 活用すればそこまで高い金額を払わなくてもよくないか、と考える人が多数出てきています。もちろんそれほど単純な話題でもなく、いまいまの AI 活用では、ものを作るところが圧縮できるだけです。作ったものを使い続けられるよう運用していくことは、そこにはまだ含められていません。ですが買う側では、AI の登場によりものづくりの価値は下がった、と感じている人が多いのではないかとも思えます。

 ここで書いたものも一つの要因でしかありません。他にも色々な事象が重なって、これまでの価格付けでは難しくなってきています。価値を認めてくれる人にだけ提供する、言うのは簡単ですがそれを実践するのは企業体力などクリアしないといけないものが多数あります。恐らくは多くの企業で、価格を下げることを求められるシーンが今後増えてくるのではないでしょうか。そうなった時に、自分たちが提供するものの価値を自信もって口にすることができるよう、精進していたいものです。

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