九州のベンチャー企業で、システム屋をやっております。「共創」「サービス」「IT」がテーマです。

AIはナレッジの共有でありナレッジの創造ではないのではないか

»

先日、部下が持ってきた客先提出用障害報告書を却下して書き直しを求めた。明らかにAIで作成していたからだ。

AI自体を否定しているわけではないので、AIで作成したから、という理由で却下したわけではない。報告内容がよくわからなかったからだ。

聞くと、障害の原因がまだはっきりとは特定されておらず、客先からは途中で構わないから報告してくれ、との依頼であったらしい。だから、何を書いてよいかわからずAIに丸投げしたようだ。

AIが作成した報告書は体裁は整っており、文章も普段の本人よりまとまっていはするが、いくら読んでも内容が全く入ってこない。字面が滑ってゆく感じ。

それもそのはず。まだ原因が特定できず、本人も何を報告してよいのかわかっていないので、AIへの指示がしっかりできていないのだ。

話しは変わるが、現在進行形の案件でユーザがマニュアルに記載されている数式をExcel関数にしてシステムに登録しなければならない、という課題が出てきた。

ユーザはExcel関数のスキルが低いので、どうしたものかと思い悩んでいた時、ウチのメンバーがAIにさせればよい、と提案していた。

試してみると、マニュアルの数式を画像化しAIに食わせExcel関数に変換するだけの指示だけでは上手くいかず、追加で変数や定数の指定やべき乗ではなくPower関数に変えるなどの追加指示が必要であった。

これは、ある程度Excel関数変換後の答えが分かっているからできる指示であって、答えを知らないユーザにこの指示を求めるのは酷な話だと思う。

恐らく別途Excelでフォーマットを決めて、どのセルに変換元の数式画像や変数、定数を入力することを定型化したうえで、指示内容含めてユーザに提示する必要がある。ユーザにとってはExcel関数のシステムへの入力自体は、本来使いたいシステム機能の付帯作業でしかないので、あまり労力をかけたくはないからだ。

結局、却下した障害報告は本人に一から書き直させた。当然、最初はまとまりがなく、何が言いたいか分からないシロモノが出てくるが、頑張ってそれを読んでみると、本人が理解していない点、迷っている点、逆に頑張った点(でも報告書の本質ではない)が矛盾として見えてくる。

その矛盾を本人に指摘してゆくと、本人の整理が進み報告書がまとまってくる。いってしまうと逆壁打ち状態。報告書として何を書いてよいか答えが分からない場合は、こういったやり方が有効だ。

答えが分かっている命題の場合、AIは人間の指示に従ってゆけばそれなりのアウトプットは出せるである。では、答えが分かっていない命題の場合、AIは人間の指導者になれるのであろうか。もし、なれたとして、その答えが正しいか人間が判断できないのであれば、それは危険な話ではないだろうか。

これは、先の数式のExcel関数化の際に感じたこと。AIが変換してくれたExcel関数が間違っていたら、業務に支障をきたす。だから、入力されたExcel関数が間違っていないことをどうやって確認したらよいのだろうか。

そんなこんなを考えていた時、AIはナレッジの共有でありナレッジの創造ではないのではないか。という事に思い至った。

別にAIを否定しているわけではないが、使い方を間違う訳にはいかない。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する