部下A・Bと上司A・Bの一考察
部下Aは、上司からの指示をそのまま実行するタイプ
部下Bは、上司からの指示を解釈して実行するタイプ
部下Aは、指示されたことをそのまま実行するので指示以上の成果を出すことはないが、部下Bは解釈次第で指示通りの実行をするとは限らず、指示以上の成果を出す場合もあれば、指示以下の成果を出す場合もある。
上司Aは、部下に出した指示のそのままの実行を求めるタイプ
上司Bは、部下に出した指示の実行は自主性に任せるタイプ
上司Aの指示は細かく具体的になるが、上司Bの指示は粗く抽象的になりがちである。
さて、この様な条件の場合、組織にとって上司と部下の理想の組合わせ順はどうなるであろうか。
この命題を考える前に、まずは組織の役割を定義する必要がある。ここでは、「組織とは、個の集団以上の成果を出すために運営されるもの」と定義する。
たとえばパフォーマンスが10の個人が10人いるとして、個の集団ならばパフォーマンスは100でしかないが、それが組織になると100+αの成果を出す。そんな意味である。実際は、このαは組織力で変動するものなので、中にはマイナスになる組織も存在するが。
それはさておき、その定義に従って評価すると理想の組合わせ順は以下になる。
1.部下B・上司B
2.部下A・上司A
3.部下B・上司A
4.部下A・上司B
この理由を分かりやすい逆順で見てゆく。
まずは、4.部下A・上司Bの組み合わせ。
これは、抽象度の高い指示をする上司に対して、指示されたことを忠実に行おうとする部下の組み合わせだから、部下は全く動けない。そうなるとパフォーマンスもへったくれもないので、最下位。
次に、3.部下B・上司Aの組み合わせ。
細かい指示を出す上司に対して指示を解釈する部下。指示通りに動くとは限らない部下に上司のフラストレーションはたまるかもしれないが、部下は動く。ただ、パフォーマンス的には指示と実行の誤差が発生するので、良いとは言い難い。
上司と部下の相性が悪い、この二つの組合わせが後半に来ることは想像に安いと思うが、問題は相性としては良い二つの組合わせのうち、B同士の組合わせを何故上にしたか。
それは、先に定義した組織の役割は、如何に個人の集団以上のパフォーマンスを発揮するか、という点にある。
A同士の組合わせでは、その組織のパフォーマンスは上司A個人の力量に縛られてしまう。比べてB同士の組合わせでは、上司は部下に任せることにより、部下は任されることにより、それぞれ個人の力量より上のパフォーマンスを発揮することができる。だから、αの量がA同士よりB同士の方が大きくなると考えるのだ。
自衛隊には「号令」「命令」「訓令」があると聞く。「号令」とは、「全隊止まれ」などシンプルに行動のみを指示するもの。「命令」とは「訓練実施のため、何月何日何時何分にどこそこに集合」など、目的と行動を指示するもの。「訓令」とは「弱点克服のため、○○の強化が必要」など、意図のみを指示し、行動は任せるもの。らしい。
自衛隊の様に大きく、加えてシビアな現場をもつ組織では、このように明確な指示のやり方の定義があることも理解できる。例えば戦場や災害現場で曖昧な指示で組織の行動が乱れると致命傷になりかねないからだ。
なので今回の論考は一考察であり、実際の組織はもう少し複雑であること書き加えておく。因みに、既にお気づきの方もあるかもしれないが、本稿は著者のオリジナルというわけではなく、ゼークトの組織論から着想を得た亜流である。念のため。