攻撃に対して「ハックされにくい人間」に

銀行システムを止める日の「間」―組織は立ち止まれるか

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ここ二日、私は社内政治と組織文化について書いてきた。どちらも、組織の根っこにある脆弱性だと思う。

では、その脆弱性に気づいたとき、組織はどうするのか。

そんなとき、私がセキュリティの師匠として尊敬する櫻井先生から、顧客を守るために銀行システムを一時停止する可能性を論じた記事が届いた。メールには、私が考えている「間」を、個人から組織へ広げるヒントも添えられていた。

読んで、はっとした。

私にとって「間」とは、違和感を覚えたあと、すぐに動かず、もう一度考え直せる余地だ。急がされると、人はその余地を失いやすい。では、組織はどうだろう。

止まることも、守るための判断

銀行のシステムを止める。言葉にするのは簡単でも、実際には重い判断だ。サービスが使えなくなれば、困る人がいる。一方、異変に気づきながら動かし続ければ、被害が広がるかもしれない。

止めることが、いつも正解とは限らない。大切なのは、止めるかどうかを立ち止まって考え、判断できることだ。

誰が異変を伝えられるのか。誰が判断するのか。止めた場合、顧客への影響をどう見て、何を確かめ、どんな条件で再開するのか。そうしたことを普段から考え、話せる状態をつくる。それが、私の考える組織の「間」だ。

個人が「ちょっと待って」と言えても、チームが聞かなければ止まれない。チームが気づいても、判断する人に届かなければ、組織の動きは変わらない。

「間」をつくってくれる人

手順を決めるだけで、「間」が生まれるわけではない。声を聞いてくれる人が必要だ。

櫻井先生が記事を送ってくださったことも、私には大切だった。答えを渡されたというより、「あなたが考えていることは、ここにもつながるのでは」と問いをもらった気がした。

私にとって、よい上司は wise person だ。今のアメリカの上司からも、日々多くを学んでいる。まず話を聞き、私には何が見えているのか、問題の根っこに何があるのかを一緒に考えてくれる。

私は、助言を聞いて終わりにはしたくない。自分で理解しようとする。現状を見て、分析し、伝える。試して、また考える。本音で話せる相手がいることで、自分の判断を磨く「間」が生まれる。

組織でも同じだと思う。異変を伝えた人を責めず、まず聞けるか。立場の違う人たちが、腹を割って話せるか。「止まって確認しよう」と言える関係がなければ、仕組みを用意しても使うことは難しい。

人から組織へ

私がつなぎたいのは、一人の「おかしいかもしれない」を、組織が向き合える問いにする道だ。異なる文化の間、人と技術の間、現場と意思決定する人の間で、それぞれに見えているものを言葉にする。私は、そのハブでありたい。

でも、私だけがつなぎ続けなければ声が届かないのなら、それはまだ組織の「間」とは言えない。

誰かが違和感を口にしたら、チームが受け止めて確かめる。そして組織が、システムを止めることも含めて、顧客を守るために判断する。止めるなら、何を確認して再開するのかまで考える。

人に「立ち止まって」と言うだけでは足りない。その声を受け止め、考え直し、判断できる余地を、組織の中にもつくる。

あなたの組織で誰かが「ちょっと待って」と言ったとき、その声はどこまで届きますか。

#サイバーセキュリティ #組織の脆弱性 #組織文化 #サイバー判断力 #人間中心のセキュリティ

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