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10代のキャリア--AIと探求し、経験から自分を知る AI時代のキャリア-自分の強みに、何を掛けるか〈第3回・10代〉

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AI時代の10代は、何を学び、どんな経験を積んでいけばいいのだろう。

娘の進路を考えながら、自分の10代を思い出した。あのころは、失敗したらどうなるか、あまり考えずに飛び込んでいた。知らなかったから、できたのかもしれない。

情報を得る場所は、図書館や周りの大人、限られたメディアだった。今は、始める前から成功も失敗も、その後の結果まで見える。

真っ暗な世界に飛び込むほうが、案外、怖くなかったのかもしれない。今は明るすぎて、情報におぼれ、動けなくなることもあるのではないか。

だからこそ、AIを使ってさらに情報を集めるだけでなく、実際に経験する一歩につなげていきたい。

AIと探求し、自分で経験する

AIは、疑問を深めたり、まだ技術が足りないアイデアを形にしたりする助けになる。

ゲームが好きなら、小さなゲームを作ってみる。外国語に関心があれば、AIと練習した言葉を実際の交流で使ってみる。身近な自然が気になれば、調べた上で、自分の足で見に行く。

すると、画面の中だけではわからなかったことに出会う。

作ったものが思うように動かない。言葉が通じてうれしい。実際に見たら、説明とは違って感じられた。

そこから、また問いが生まれる。

AIと探求する。実際に経験する。その経験から、また考える。

手を動かし、五感を使い、人と関わる。その行き来の中で、知識も、自分なりの視点も育っていくのだと思う。

経験は、自分を知るための実験

楽しかった。つらかった。つまらなかった。悔しかった。でも、もう一度やってみたい。

経験すると、自分の中にいろいろな感情が生まれる。その喜怒哀楽には、自分の関心や、大切にしていることが表れているのかもしれない。

そして、わかってくるのは、好きなことだけではない。自分がどう動き、どう人と関わると力を発揮できるかも、少しずつ見えてくる。

例えば私は、新しいことを考え、先頭を切って何かを始めることに向いていると思う。でも、人を押して動かすというより、包み込む。水のように、相手や状況に合わせながら、一緒に流れをつくっていく。そのほうが、自分には合っている気がする。

こうした自分の特性も、最初からわかっていたわけではない。いろいろな場面で試し、うまくいったことも、無理をしたことも振り返る中で、少しずつ気づいてきた。

経験は、実験でもある。振り返ることで、その経験が自分を知る手がかりになる。

一度つまらなかったから、向いていないとは限らない。内容なのか、役割なのか、環境なのか。少し変えて試すと、違う自分に出会うこともある。

自分を知る。自分を感じる。そして、自分の人生を生きる。その土台は、こうした積み重ねから生まれてくるのではないだろうか。

名前より、その中で何を経験できるか

進路を考えるとき、どの学校へ、どの会社へ、という問いに目が向きやすい。私自身も、名前を見て安心しようとしていないだろうか。

でも、そこで何を経験できるのか。誰と関わり、何を学び、どう成長できるのか。その中身を、もっと見ていきたい。

そして、経験を自分の学びにするためにも、基礎を身につけることは大切だと思う。

文章を読む。数字の意味を考える。自分の言葉で説明する。

AIが答えを出してくれたことと、自分が理解したことは同じではない。何がわかり、何がまだわからないかを確かめながら、学んでいく。

答えが返ってきたら、間をとる。本当かな。自分はどう思うかな。入力する情報や、公開するものが、誰かに影響しないかな。

こうした「サイバー判断力」も、経験の中で育てていきたい。

自分のキャリアのドアを見つける

試してみて、感じ、振り返る。その気づきが、次に学ぶことや、参加する活動、やがて仕事への関心につながっていく。

10代のうちに、自分の特性や進む道を決めきらなくてもいい。何も決めずに遊ぶ時間や、余白も持ちながら、自分の中で奏でられる感情に耳をすましてほしい。

大人にできるのは、その過程に伴奏することなのかもしれない。

これからのキャリアは、どこかに入って運んでもらうことだけでなく、自分が何を学び、どんな役割を担いたいかを考え、自分を運んでいくものになっていくのではないだろうか。

人やAIの助けも借りながら、経験を手がかりに、自分の道をつくっていく。

その先で、キャリアのドアが見つかるかもしれない。

開けるのは怖い。でも、少し開けてみる。違えば、戻ったり、別のドアを探したりしてもいい。

AI時代になっても、自分が何を感じ、どう生きたいのかを知る大切さは変わらない。

娘に何になりたいかを尋ねる前に、まず聞いてみたい。

最近、どんなことに心が動いた?

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