第348回 実演することの有効性を考える
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
最近、キャリアコンサルティング技能検定の対策トレーニングを行う機会が増えてきました。私は1級を受検するのですが、去年面接試験は合格していることもあるので、今年はあまり大きく何かを変えるようなことはせず、自分の面接の型を再確認するような練習をしています。その代わりに2級の受検者に対するトレーニングを行うことが増えてきました。私はこのトレーニングで必ず面接ロールプレイを実演し、私の面接を見ていただくことをしています。こういったことを繰り返しているうちに自然とキャリコンの力がついてきたように感じています。
そこで、今回はキャリコンの技能検定から実演することの有効性について考えてみました。
■2級キャリアコンサルティング技能検定とは
キャリアコンサルティング技能検定とは技能検定の一種で国家資格に分類されます。元々、キャリアコンサルタントは明確な資格体系があり、
- 標準レベル
- 熟練レベル
- 指導レベル
の3種類の段階に分かれています。
標準レベルとは、キャリアコンサルティングの流れに沿った基礎的な面接ができるレベルで、国家資格キャリアコンサルタントがこの段階に該当します。
熟練レベルとは、標準レベルのスキルに加え、問題の把握、目標の設定、方策の実行といったキャリアコンサルティングの流れを最後まで完遂させる力が求められるレベルで、2級キャリアコンサルティング技能士がこの段階に該当します。
指導レベルとは、他のキャリアコンサルタントを指導、育成するレベルで1級キャリアコンサルティング技能士がこの段階に該当します。私はこの資格を取ろうとしています。。。
ちなみに、それぞれの資格の合格率は国家資格キャリアコンサルタントが約30%程度、2級の学科試験が約50%程度、実技試験が15%程度、1級の学科試験が約30%、実技試験が5%程度となっています。
この数字だけを見ると、キャリアコンサルティング技能検定の難易度の高さがうかがえるのですが、最近は国家資格キャリアコンサルタントを取得された方が増えてきていることもあり、難関資格である2級キャリアコンサルティング技能士を目指す方が多くなってきました。
こういった背景から、ここ最近は特に2級の面接試験対策トレーニングを行うことが増えてきています。
■実演することの大切さ
私自身も過去にこういったキャリコン系の対策研修をいくつか参加させていただいたことがあるのですが、面接のトレーニングでは参加者同士がペアを組み、お互いにロールプレイを行うような形式でされることが多く、教えている方が実際に面接ロールプレイを実演されることはほぼ100%ありませんでした。
私はここに大きな不満を抱えていました。
受検を受ける側からすれば、教えていただく方がどういった面接をするのかを見てみたいと思うのです。実際に面接試験では面接の構造化というのが必須になりますが、それは言葉で表現しづらい部分でもあるので、実演する姿を見ることで、理解を促すのが一番の近道だと思うのです。
そこで、私は面接トレーニングをする際、必ず面接ロールプレイを実演しています。私自身、人に誇れるような面接をやっているとは思っていませんが、私のできている部分、できていない部分を包み隠さず見ていただくことで、それが受検される方にとっての役に立つと信じています。実際、私の面接ロールプレイの感想を聞いてみると、すべての方が見ることができて良かったとおっしゃっていただいています。
そして、このように面接ロールプレイを実演させていただくことで、私自身もかなり力がついてきているように感じています。面接試験はどのように進むかは全く分からないライブ感があるのですが、どのような流れになったとしてもある程度面接の流れをコントロールすることができるようになってきました。さらにいえば、人の面接ロールプレイをより客観視することができるようになり、どこが良くてどこを改善すればよいか?といった視点を養うこともできてきたように感じています。
こういうことは人前で実演するからこそ身についた力だと思います。思うのですが、力をつけるというのは身につけた力を発揮する場がなければなりません。それが実際の仕事場で発揮できるのなら何の問題もありません。しかし、実際にはこういった試験のように発揮する場が限定されていることもたくさんあります。そのような場合、自ら人前で実演してみるということは力をつける上でとても有効な手段になり得るのではないかと思います。
2月に1級の面接試験が控えていますが、今年こそ1級が合格できるよう、実演を繰り返しながら頑張りたいと思います!