第333回 シンプルに考える
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
少し前の話になりますが、私がサポートしているある仕事でトラブルがありました。先方とのやり取りの中で私も少なからずストレスを抱えていたのかもしれません。正直、やってられないと思いながら仕事をしていました。しかし、あることをきっかけに考え方を変えることができ、無事仕事を完遂させることができました。
今回はそのときに思いついたある「考え方」について書きたいと思います。
■ある仕事上のトラブル
私たちが仕事をする上で必ず出てくるのは優先順位だと思っています。端的にいえば何に価値観を見出すか?といったことですが、その価値観をもとに私たちは仕事の優先順位を決めます。
私は7つの習慣を実践していますので、普段は自分の第2領域(重要かつ緊急でないこと)に重きを置くようにしています。しかし、第1領域(重要かつ緊急なこと)が入ってくると、どうしてもそちらに時間を割かざるを得なくなります。そうしているといつの間にかやろうと思っていた第2領域の仕事が後回しになります。。。
冒頭お話しした「ある仕事」は、私にとって第1領域にあたる仕事でした。重要であり、緊急であることから当然私の中で優先順位は上がっていきます。しかし、先方とうまくコミュニケーションが取れないこともあり、遅々として作業が進みません。そのうち、少しずつ私の中にある思考に現れるようになってきました。
「先方のせいで仕事が進まず、こちらに仕事を丸投げしてくる」
「それをされたら、こちらの仕事が止まってしまうのでたまったものじゃない!」
「何としてもこちらの考えを先方に理解してもらわなければならない!」
こんな状況で仕事をすると「対立」になってしまいます。お互いが自分の考えを相手に押し通すように主張し合います。どちらかが引かなければ延々その状況が続きます。そのときの私は他の仕事のことも考え、これ以上のことはできないと先方に突っぱねていました。しかし、先方はこれでは困るの一点張り。こういった状況が続いていくと、お互いが疲弊していきます。そうして、少しずつ私の中にストレスが溜まっていくのを感じていました。
こういったストレスに私は強い耐性を持っていると思っていました。実際、ITエンジニアの時分はもっと強い要求をお客様から受けていましたし、そのことで堪えたことはありませんでした。なので、ストレスに対し自分で処理し対応できる能力はあったように思っていました。
しかし、そのときはうまく自分の中にあるストレスを消化することができなくなっていました。そうして、ある段階から「もうだめだ...このままだとダメになる、この仕事から撤退しよう」そう考えるようになっていました。
■シンプルに考える
しかし、同時に私は研修やキャリコンにおいて価値観やモノの見方についてお話をさせていただく立場にあります。そんな私がこんなことで仕事から撤退してもいいのだろうか?そんなことが頭をよぎり、なかなか撤退できないでいました。そういった日がしばらく続き、前に進むことも後ろに下がることもできない、正に八方ふさがりな感じになっていました。
そうやって追い込まれていたあるとき、ふと思いついたことがありました。
少しシンプルに考えてみよう
「そもそも、自分はなぜこの仕事をやろうと思ったのか?」
「躓いていることは何なのか?」
「それはどうすれば解決できるのか?」
「無理をしていることは何だろうか?」
「自分でできないことを背負おうとしてないか?」
こんなことを考えていると、私が引っ掛かっていることがハッキリしてきました。そうして、その部分を何とかしてほしいと、私の心情を添えて先方に頼みました。そうした結果、先方も理解してくださり、色々対策を取っていただいた結果、無事にうまく事が進んでいきました。
■問題解決を難しくしているモノ
問題を解決するための考え方や方法はたくさんあります。本屋さんに行けば「問題解決」の本がたくさん並んでいます。それらは論理的に物事を考えるにはうってつけの内容です。
しかし、本来、問題はもっと単純な所にあるのかもしれません。ただし、そこには「気持ち」が大きく絡んでいるように思います。気持ちが絡むと物事をは論理的に考えづらくなります。
そういった場合には、物事を難しくするのではなくシンプルに物事を捉えてみる。そうすることで、余分な情報が削ぎ落され、何に困っているのか、自分はどうしたいのかといった気持ちの整理ができるような気がします。
このことがあってから、私は何か問題が起こったとき、必ず自分の気持ちがどこにあるのかを確認するようにしています。そうして、シンプルに考えるように癖づけています。その結果、何かトラブルがあった時に気負うことが少なくなってきたような感じがしています。
この方法は私なりに効果が高かった方法ですので、もし問題に直面している方がおられましたら、ぜひ一度試してみてくださいね!