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第50回 四方山話(32) パズドラに学ぶキャリアのつくり方

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 久しぶりのコラムネタです。最近、電車に乗っているとスマホ(スマートフォン)でゲームをされている方を多くみかけます。中でもパズル&ドラゴンズ(略してパズドラ)というゲームで遊んでいる方を本当によくみかけます。実は筆者もそんな一人なのですが、今回はこのパズドラをネタに取り上げてみたいと思います。

■パズドラって何?

 パズドラ、正式名称パズル&ドラゴンズはガンホー・オンライン・エンターテイメント社が配信しているスマートフォン(iPhone、Android端末)用ゲームアプリです。このパズドラ、先日1200万ダウンロードを達成したそうです。この数字がどのくらいのものか? 2012年末現在で携帯電話の総契約件数がおよそ1億2900万件あるらしく、そのうちスマホが占める割合は約8割程度だといわれています。この数字とパズドラのダウンロード件数を比較すると、なんと約4~5人に1人はパズドラをダウンロードしたことがあることになります。これは驚異的な数字です。

携帯電話の総契約件数:ニュースソースはこちらです。

スマホが占める割合:ニュースソースはこちらです。

 そんなパズドラですが、基本的にはすべて無料で遊ぶことができるのですが、課金することでゲームをより早く優位に進めることもできるようになっています。しかし、ゲームバランスが絶妙に設計されているので、課金せずとも十二分に楽しむことができます。

 ゲームの流れはこのようになっています。最初にプレイヤーはモンスターを選び、そのモンスターと一緒にダンジョンを走破していきます。ダンジョンでは敵となるモンスターが出現し、パズルで戦います。モンスターを倒すとまれに卵を落としますが、この卵はダンジョンを最後までクリアするとプレイヤーのものとなります。そうして手に入れた卵から生まれたモンスターはプレイヤーの味方となり、ダンジョンに連れていくことができるようになります。また、モンスターは育成することができ、条件がそろうとモンスターがどんどん進化し、より強力なモンスターに生まれ変わります。このように、パズドラはパズル、モンスター収集、モンスター育成の要素がうまく絡み合ったゲームです。

モンスター収集:2013年4月現在、約600種類以上のモンスターがいます。

■パズドラにおける強さを考えてみる

 パズドラにはダンジョンを走破するという一応の目的がありますが、そこに縛られる必要はありません。モンスターを育てるのもよし、コレクションをするのもよし、純粋にパズルを楽しむのもよし、プレイヤー同士でコミュニケーションを取るもよし、といろいろな遊び方があります。しかし、やはり本筋はダンジョンを走破することがあります。また、パズドラでは定期的に超高難易度のダンジョンが出現するので、そこに意欲をかき立てられるプレイヤーは多いのではないでしょうか。そこで、パズドラでダンジョンを走破するために必要な要素を考えてみたいと思います。

パズルで遊ぶのもよし:スタミナ(後述)せずに潜れるダンジョンが用意されており、そこでは純粋にパズルを楽しむことができます。

一般的にパズドラで強さを表す基準として、筆者は以下のような要素があると考えています。

《パズドラにおける強さの要素》

  • プレイヤーランク
  • モンスター(レベル、スキル)
  • パズルの腕前

 プレイヤーランクとは、プレイヤーのレベルのようなもので、ダンジョンを走破することで得られる経験値を一定値以上ためることで1つずつランクを上げることができます。ランクが上がることによって、スタミナ、チームコスト、フレンド数のいずれかが上がっていきます。

スタミナ:ダンジョンに挑戦するために必要なコストのことで、ダンジョン毎に設定されています。ダンジョンに挑戦するごとにプレイヤーのスタミナが減っていきますが、10分間で1ずつ回復していきます。魔法石というアイテムを使えば一気にスタミナを全回復させることができます。

チームコスト:ダンジョンに連れていくモンスターは最大5匹まで選ぶことができるのですが、それぞれのモンスターにはコストという概念があります。プレイヤーはチームコストという値をもっており、チームコスト内に収まるようにモンスターを選んで連れていかなければなりません。モンスターのコストは強ければ強いほどコストが高くなる傾向がありますので、強いモンスターばかり連れていくと、すぐコストオーバーになります。そのため、モンスターの適性を見極めてながら、連れていくモンスターを選択する必要があります。

フレンド数:プレイヤーが友達として登録することのできる他のプレイヤーのことをフレンドといいます。このフレンドの登録数は上限があり、この上限を超えてフレンドを登録することはできません。ダンジョンに挑戦する際、他のプレイヤーが設定しているモンスターを1匹連れていくことができますが、フレンド登録したプレイヤーのモンスターを連れていくと、そのモンスターがもつ強力なスキル(リーダースキル:LS)を使うことができます。また、自分のモンスターが他のプレイヤーに使われる(ダンジョンに連れて行かかされる)と、友情ポイントがたまっていきます。このポイントが一定数たまると、友情ガチャというある程度のレベルのモンスターを引き当てるガチャを引くことができます。そのため、たくさんのフレンド登録をしておくと、自分のモンスターが使われる可能性が多くなってくるので、自然と友情ポイントも貯まりやすくなります。ちなみに、このフレンド数も魔法石を使うと上限値を増やすことができます。

 モンスターの強さはレベルとスキルに大別されます。モンスターは他のモンスターを合成することで経験値を得ることができ、どんどん成長していきます。そうすると、HP、攻撃力、回復力といったステータスが上昇していくので、単純にレベルを上げるだけでも強力なモンスターに育っていきます。また、モンスターには1匹ずつ固有のスキルを持っており、強力なスキルを持っているモンスターであるほど、ダンジョン攻略を優位に進めることができます。ちなみに、このスキルの発動は攻撃回数(ターン)によって決められており、同じスキルをもつモンスターを合成させていくと、スキルのレベルも上がり、発動までの回数を短くすることができます。

 パズルの腕前はプレイヤーがチームを組んでいるモンスターの攻撃力に影響します。パズドラのパズルは同じ色のマークを縦か横に3つ以上並べると消すことができ、消すと上からマークが落ちてきます。このマークを一度にたくさん消したり、1回の操作で何組もマークを消す(コンボ)と敵モンスターを攻撃する力(攻撃力)が上がっていきます。そのため、いかに効率よくマークを消すか、その腕前がそのまま強さとして表れてきます。

■だが、強さだけではどうしようもないこともある

 プレイヤーのランクを上げ、モンスターのレベルやスキルを上げ、パズルの腕前を上げたとします。しかし、パズドラにはそれでも走破できないような意味不明な難易度をもつダンジョンがあります。ダンジョンの途中でGAME OVERになってしまった場合、魔法石を使うとそのままの状態でコンティニューすることができます。そうやって、やられては魔法石を使いコンティニューするといった力技でダンジョンを走破することもアリですが、魔法石は貴重なアイテムなので、できればあまり消費せず、可能であればコンティニューせずで走破したいものです。

難易度:ダンジョンは敵モンスターの強さに応じて、初級、中級、上級、超級、地獄級、超地獄級という5つの難易度があります。地獄級、超地獄級は相当な強さで最初の雑魚レベルのモンスターで瞬殺されることもよくあります。

力技:このような方法を石ジャブ(魔法石をジャブジャブと湯水のように使ってダンジョンを攻略する技)と呼ぶこともあります。

 そうなると、ただ闇雲にダンジョンへ挑戦するのではなく、ダンジョンを走破するために必要な戦略戦術を考えなければなりません。

 ここでいう戦略とは、敵モンスターの特性や攻撃力、攻撃方法、登場する順序などを調査した上で、自分のモンスターをどのような構成(パーティ)にすればより効率よくダンジョンを走破できるのか、その方向性を考えることです。

構成(パーティ):モンスターには属性という概念があります。属性は火、水、木、光、闇という5つから構成されており、それぞれが得手不得手をもっています。そのため、敵モンスターが不得手とする属性でパーティを構成すると、攻略しやすいとされています。中でも闇パ(闇属性のモンスターで構成されたパーティ)は人気があります。

 戦略に基づきパーティを構成したら、次は戦術を考えます。特に難易度の高い地獄級や超地獄級のダンジョンでは、戦い方に気を配る必要があります。具体的には各モンスターがもつスキルを使うタイミングを見極めることですが、強力なスキルをもつモンスターであっても使いどころを誤ると一瞬にしてGAME OVERになります。そのため、スキルの使用タイミングを考え、どのタイミングまでにスキルを貯めて、どこで発動させるか、発動させた後はどうするかといったところまで気を配ります。

 このようにして、画面上に表れる強さにプラスして戦略や戦術を併せもつことで、超高難易度のダンジョンを走破することができるようになります。

■パズドラをITエンジニアのキャリア形成に置き換えてみる

 かなり強引な流れですが、これをITエンジニアのキャリア形成に置き換えてみます。

《パズドラにおける強さの要素とITエンジニアのキャリア形成の対比》

  • プレイヤーランク → 経験年数
  • モンスター(レベル、スキル) → 技術スキル(言語やツールなど)とそのレベル
  • パズルの腕前 → 技術スキル以外のスキル(ヒューマンスキル、コミュニケーションスキルなど)

 先ほどの話では、パズドラはこれに戦略と戦術が必要でした。これらも置き換えてみます。

《パズドラにおける戦略、戦術とITエンジニアのキャリア形成の対比》

  • 戦略 → どのようにキャリアを創造していくか、その方向性
  • 戦術 → キャリアを実現するための具体的な方法

 こうやってみると、パズドラもITエンジニアのキャリア形成も根本は同じ動きをしているようにみえます。以前、モンハンをベースにしたキャリア形成を考えてみましたが、ゲームによってキャリア形成の方法に違いが出てくるのは面白いですね。

ITエンジニアのキャリア形成:「第2回 キャリア発見の流れ」あたりをご参照ください。

モンハンをベースにしたキャリア形成:「第28回 四方山話(11) モンハンに学ぶキャリアの作り方」をご参照ください。

■パズドラ、やりましょう!

 この記事を書いているときに、「パズドラeffect」なる言葉がニュースになりました。これは、Googleの決済システムのインフラがパズドラの決済(魔法石の購入)でほぼ一杯になり、インフラを増強したということを表しているそうです。それだけ今ホットなパズドラ、興味のある方はぜひ一度遊んでみてください。

パズドラeffect:ニュースソースはコチラです。

 現在筆者のフレンド枠は一杯ですが、たまに詫び石をもらったときなどにフレンド枠をちょっとずつ広げています。基本的にフレンド申請をいただいたらプレイヤーランクを問わず承認させてもらっていますので、機会があればコラム上でフレンド募集でもしてみようかなと思っています。

詫び石:サーバー障害などで正常にプレーができなかった場合に、運営元のガンホー・オンライン・エンターテイメント社がプレイヤーに対してお詫びの意味を込めて魔法石をプレゼントすることがあります。この魔法石のことを詫び石のようないい方をします。

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