AIが仕事を肩代わりしてくれる未来
1年前の今は、AI が多くの人の手に届き始めたあたりで、話題にしているのも画像生成な Stable Difusion などで AI 絵師がどうとかを一部が話題に扱っているあたりで、まだまだ業務には利用するには一部の企業でしか行えていなかったと思います。ところが今では誰でも簡単に生成 AI を利用することができるようになり、業務上でも利用することが珍しくなくなるところまで来ています。去年のこの時期に書いていた内容を振り返ると、こうして AI が浸透していることは全く予想できていなかった程です。
GPT モデルを利用した ChatGPT にはじまる生成 AI の進歩は非常にめざましく、日々新しい使い道が出てきているような状況です。これまでであれば複雑な設計を用意しなくては実現できなかったことが、AI を利用することで非常に簡易に構築できる状態になっています。特にデータの解析においてはすさまじく、情報源となるドキュメント類をまとめて AI に利用させることで、規約を踏まえた問い合わせに対応できるチャットボットが数分で構築できたりもします。去年の時点では、同じものを作ろうとするとどれくらい時間がかかるか、どの程度効果があらわれるか、といった不明瞭な点ばかりでしたが、今ではユーザーが予想している以上の効果が瞬時に用意できてしまいます。
このような AI の台頭は、プログラムの世界にも影響を及ぼしています。Youtube などで動画をあげている人も多いですが、現時点ですらある程度のプログラミングは AI によって作成することができます。ブロック崩しとかテーブルテニス、ちょっとしたアドベンチャーゲームや 3D ゲームのコンポーネントといったものを作成できてしまうので、これがまた来年になったときにどこまでできてしまうのかは興味半分恐怖半分といったところです。
業務系の開発においてもノーコードやローコードのサービスと融合し、ある程度指示を出すことで、簡易なデータメンテナンスアプリケーションを作成することがすでに可能です。また Web サイトのデザイン調整などに対応しているものもあったり、少しずつかもしれませんがこれまでの開発業務を覆すような前兆が見えてきているのではないでしょうか。
この流れはそう簡単に変わらないというか、ますます広範囲に AI が登場してくるのは間違いないといえるでしょう。そうなってきたときに、私たちは何をもってエンジニア業務を行うことになるのでしょうか。少なくともこれまでほどにはコーディングを行うことはなくなるでしょうし、設計ももしかすると大部分が人の手を離れる可能性があります。ノーコードやローコードの登場時にも同じような危惧はありましたが、AI はそれらをはるかに超える影響を与えてくるのは間違いありません。
単体の機能を作成する点では、近いうちに人の作業はごくごく少数のハイエンドな部分に限定されるようになっても不思議ではありません。そう考えたとき、純粋なコーディングを生業とするにはよほど尖ったスキルを身に着けていないと生き残るのは難しく思えます。もちろんその分野を突き詰めるのも選択の一つですが、自分みたいな凡庸なエンジニアではそこまで腕を磨くには色々なものが不足しています。違う方向性を見つけなくては、そう遠くないうちに厳しいことになることも予想されます。
どのような領域に手を出すのがよいかは、まだまだ答えは見えていません。ですが、あまり猶予はないとひしひしと感じますので、できるだけ早いうちに自分の進む方向は決めていきたいものです。