地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

15年目の終わりに思う変わってきた世の中

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 思い返すと 2008 年の 10 月が、ここエンジニアライフで最初にコラムを投稿した時期でした。来月からは 16 年目に突入するとなると、なかなか感慨深いものがあります。一つの場所でここまで長く何かしらの文章を投稿させてもらえているのは、大変ありがたいものです。

 16 年もあると、自分の仕事を含め世の中の色々な情勢も変化しています。コラムを書き始めた 2008 年あたりは、まだまだオンプレミスが優勢でクラウドはようやく日の目を見始めていた程度で、今の状態のようにクラウドが当然となる未来を予想できていた人はかなり少なかったのではないでしょうか。私の場合は、この当時はいろいろなセミナーやイベントに参加していたこともあり、クラウドが一般化するのは間違いないだろうけど、どういった形で浸透していくかのイメージが付いていない感じを受けていたのを覚えています。現在のように多様なサービスが提供されている時代ではなかったので、まだまだ Iaas 主体というのもあり、明確なイメージが持てていませんでした。

 PC のスペックも 16 年前とは比較にならないほど高性能に進化しています。ただ、高性能になってもすぐに物足りなくなるのは当時も今も変わっていません。新しい技術やサービスが変わらず引き継いでいる特徴に、今あるハードウェアでは少し物足りないものが多いというのがあるからだと思います。海外製のゲームとかが一時期は顕著だったので、納得できる人もいるのではないでしょうか。

 そして、仕事で関わるシステム開発などですが、こちらのついては細かい進歩はあれども大きな進歩はなかったのではないかと感じています。利用するサービスやツールは新しくなり、できることは確かに増えています。また、利用するインフラや開発基盤も年々進歩しています。ですが、そのうえで実現させるシステムについては、そこまでおおきな変化はなかったのではないでしょうか。これは言い換えると、業務の形自体はそこまで大きく変化していないことの現れです。

 もちろん進歩していないことが悪いこと、とは言えません。業務の中ではすでに研究しつくされている分野もあるでしょうから、新技術の取り込みなどで業務の形を見直すコストが割に合わないため、現状を維持していることは選択することもあるでしょう。そのようねケースでは当然の選択です。ですが、業務の組み立てを考えるメンバーが新しい物事を知らなかったために、改善ができていないというのであれば話は別です。

 私たちエンジニアはできる限り新しいものに触れ、色々な場面で活用できる技術の引き出しを多くすることが求められています。これまではエンジニアだけがそうであればよかったのかもしれませんが、今後はエンジニアだけではなく業務に関わる人全てにおいて新しい物事を知っておく必要が高まっているのではないでしょうか。そうでなければ、先ほどの例のように業務で利用するシステムも業務自体も進歩することが難しくなります。

 そう考えると、これからの時代はエンジニアだけではなく多くの人が新しい技術にふれていく必要性が高くなっているのだと思います。今のご時世では、IT が絡まない業務は非常に少なく、誰もがなにがしかの恩恵を受けているはずです。そうであれば、新しい物事を知ることで今の状況から改善できる可能性を増やすことができます。これまでは本来の業務ではないから IT の新技術を学ぼうとしなかった人たちも、本来の業務への影響が高くなった今は、多くの新しい技術に触れていく必要が出てきたのではないでしょうか。

 これから迎えるであろう AI との付き合いかたも含め、エンジニアだからとか営業だからとか管理職だからとか、そのような立ち位置に関係なくすべての人が取り組んでいかなければならないのだと考えます。それくらい IT がもたらしているものが一般化されているということですので、改めて取り組み方を考えてみることが求められているのかもしれません。

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