地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

オンライン作業がつづく弊害

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 在宅で作業を行うようになって半年以上が過ぎました。気が付けば今年ももう残すところ 12 月だけとなっていたり、油断しているとあっという間に一年は過ぎてしまいます。年を取ると 1 日は長いけど 1 年は短い、というのは本当の事で今年は特にあっという間に年末になったなと感じています。

 あっという間の年末ですが、振り返ってみるとこの 1 年で大きく変わったのは、オフラインよりもオンラインでの活動が増えたことではないでしょうか。このご時世だから当然と言えば当然ですが、これまでオフラインで行っていた色々な事をオンライン上に置き換えたことは、仕事や趣味も含めて非常に多くの物事が該当すると思います。それまでは不可能とまで言われたことも、やらざるを得ない状況になるとできてしまうものと言えることも多かったのではないでしょうか。

 私の環境でも、ほとんどがオンラインへと移行し、日々の業務からコミュニティ活動までほぼほぼ自宅から行っています。出社していた時と比較すると、同じくらいの成果を出せているのですが、まだまだ改善の余地はあると感じています。元々が「たまに在宅で作業できればいいよね」と考えていたこともあり在宅作業を行うこと自体は賛成だったのですが、毎日を在宅作業となるとやはり色々と問題が出てきています。

 一番の大きな問題は、他の社員と会話することがなくなり、あってもテキストベースでのコミュニケーションしか取れていないので、会社に所属して仕事をしている気持ちが非常に薄れていることです。反対する人も多いでしょうが、私の中では会社に属して仕事をするというのは、色々な人の集まりの中で作業することも含まれており、在宅で黙々と作業するのはあまり適していません。このあたりは個人個人の性格や考え方の違いがあり、一概にどちらが正しいとか言えるものではありません。

 では音声チャットでやりとりすればいいのでは、と思われることもあるでしょうが、音声チャットで会話するのと、現実に顔を突き合わせて会話するのとでは、やはり受ける感覚が異なります。非常に感覚的なものなので言い表せないのですが、チャットなサービスで文字や音声でやりとりしているのでは、何かが欠けているように思えるのです。

 何が足りないのか考えてみると、思いつくのは一つありました。それは、その場の雰囲気を感じられない事です。直接会っている時では、相手の表情や声だけではなく、相手の身振り手振りや周囲の視線など、非常に多くの要素があります。オンラインではまだそこまでを感じ取ることはできないので、何か欠けているように感じてしまうのではないでしょうか。実際、オンラインで相手を見るとき、そのほとんどはバストアップな状態で全身を見る事はありません。現実では、話している時に相手が足を組んでいたり適度に動きが合ったりすると、そこも感じ取ることができます。それがコミュニケーションにおいて、どういった役割があるかは専門家でないのでわかりませんが、相手を感じる要素の一つなのは間違いないでしょう。

 そう考えると、オフラインというのは非常に多くの情報があり、そこを無意識で感じ取りながらコミュニケーションをとっていたのだと思います。オンラインになり、得られる情報が限定的になったので、常に何か欠けているように思えてしまったのだとも思います。

 技術の進歩でこのあたりも改善するのかもしれませんが、それはまだまだ先のようにも思えます。単に全身を映せばいいというのではなく、存在している場を感じ取れるようにならなくてはいけないと考えますので、VR/AR/MR な技術がもっともっと発展していかなくてはならないのでしょう。そうなった時に、今回みたいにオンラインでは物足りないな、という気持ちがどこまで減っていくのか、技術者として非常に興味深い所です。

 そういった未来に思いを寄せつつも、それ以前に在宅作業を続けていると体を動かさないことこの上なしなので、まずはそこからどうにかしないといけません。自分のような怠け者には、出社していた時の一番の恩恵は少しでも体を動かしていた事にあるのかもしれません。

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