生き様044. どうしてこうなるニッポン!~管理と監視編~
祝☆在宅ワーク再開!!
6月のお仕事なし期間を無事にダラダラ~と過ごしていましたが、
無事に7月1日から新しいお仕事に入りました。
新しいお仕事といっても、4月まで行っていたお仕事を再開しただけですが…。
そちらのお仕事は、基本在宅で、ということになっています。
3週間もあった、お仕事なし期間。
特に何かをしたということはなく、本当にダラダラと過ごしていたわけで。
生活のリズムから、色々ズレてるのがどう影響するのか…。
自宅という切り替えが難しい環境での新しい生活に、今から震えています…。
在宅ワークと監視の問題
そんな在宅ワークですが、ここ3ヶ月程で随分当たり前になったな、
という感想を持っています。
もちろん、全ての人、全てのエンジニアが在宅ワークになったわけではありません。
それでも「在宅ワーク」をする、という事が「特別なこと」ではなくなった、
という風潮を感じています。
ただそこには色々な問題があるわけです。
例えば、在宅ワーク初期の5月頃には、ITメディアのビジネスニュースにこんな記事がありました。
話題の「社員PC監視ツール」がテレワークを骨抜きにしてしまう、根本的理由
とても良い記事なので、この記事を読んでしまうと、それだけで僕の今回のコラム+αになってしまいます。
三井物産や富士通の事例なんかは、僕が常々考えている評価制度の事への一つの答えになりそうですし…
話が脇道にそれました。
他にも「テレワーク or リモートワーク」と「監視」で検索してみます。
すると、とても興味深いニュースやコラムのページがたくさん出てきます。
一部のページは、とても頭が痛くなる内容ですね。
その中でも、この翻訳ニュースはとても良い内容だと思いました。
「もう、記事の紹介だけでいいんじゃないの?」という声が聞こえそうです。
またまたご冗談を。このコラムの存在意義がなくなるじゃないですか!
ということで、今回は「在宅ワークと監視」の問題を考えてみます。
これは日本では、未だに解決していない問題です。
そして、これからも解決しないだろう、と考えています。
その理由は、日本のマネジメントが「管理」ではなく「監視」になってしまっているからです。
管理と監視
日本の企業の多くが「マネジメント」と称して「監視」により従業員を拘束しています。
僕自身も、ある時期までは「効率よく監視」することが「マネジメント」だと考えていました。
でも思い出してください。部長や課長なんかを「中間管理職」と呼びますよね?
そうなんです。彼らは「管理職」であって「監視職」ではありません。
ましてや「監視員」なんかではありません!
何故そんなことになってしまっているのでしょう?
答えは簡単です。「楽だから」です。
監視は、一方的に、自分の考えを相手に押し付けて縛るだけでできます。
相手の都合なんて関係ありません。
規則とか、命令とか、それっぽい理由を付けて一方的に押し込めばいいのですから。
正直、以前のコラムで取り上げたハンコ文化も、この「監視」の一つだと感じています。
Yes!管理!! No!監視!!
では、監視ではなく管理するためにはどうしたら良いのでしょう?
答えはシンプルです。
部分的で良いので、任せることです。
そして、任せたことには、助けを求められるまで手や口を出さないことです。
だからといって、放任もいけません。
それは、放任じゃなくて放置です。
何をしているのか?困ってること?躓いてることはないか?
手や口を出さなくても、情報は伝えてもらい、把握している必要があります。
いくら干渉しないとは言っても、やってはいけないことをしていたら、そこは指摘すべきです。
例えば、任せた内容を超えた、もしくは相手の手に負えない状態になったときです。
これは後に出てくる「危険の回避」にも繋がります。
その時は、一緒に改善策を探す、もしくは改善策を提案しましょう。
あくまでも主体は任せた相手であることを忘れてはいけません。
そして、終わった後に反省することを忘れてはいけません。
良かった所は褒め、悪かった所は指摘し、改善方法までを一緒に考えるのです。
在宅ワークの状態であれば、どういうことになるでしょうか?
仕事のペースは、その人に任せましょう。
ですが、会議等必要な時間と期限をきっちり守らせるのです。
そして、小まめに情報を挙げてもらい、管理者は情報の処理を行う、という流れが理想です。
また、管理にはもう一つの側面があります。
それは、危険の回避です。リスクマネジメントですね。
我々エンジニアは、身体を動かす現場にいるわけではありませんから、
肉体が損傷するような危険というのを、仕事中に受けることはさほど多くはありません。
それでもゼロではない以上、その危険の排除に目を光らせ、事前に対応すべきです。
とはいえ、在宅ワークでは移動も少ないわけで。
つまり、この点でできることは本当になさそうです。
強いてあげるなら、プライベートな時間でコロナに感染する様なところへ出歩かないよう、伝えるぐらいでしょうか?それでも強制はできませんが。
そして、肉体の危険以上にエンジニアが晒されるのは、精神の危険です。
職場でのメンタルヘルス不調対策としてよく挙げられるものがあります。
それは、上司と部下のコミュニケーションです。
日常的なコミュニケーションから、普段と違う様子を見つけよう、ということです。
しかし、在宅ワーク時には、このコミュニケーションの難易度が跳ね上がります。
過去にコラムで取り上げましたが、コミュニケーションの質が下がります。
ノンバーバルコミュニケーションは、カメラを使っていても制限されますし、
断続的なコミュニケーションしか取れません。
それで、発している空気感・いつもとの違いなどに気付くのは無理ゲーレベルです。
『仕事の妨害にならない程度でコミュニケーションを増やす』
僕にはこれしか思いつきませんでした。
GW直前頃の記事ですが、AIによる監視というテーマの記事の中に興味深いものを見つけました。
「Slack」上を流れる発言データを分析して、チームメンバーのストレスを測ると言うのです。
これは、とても良い方法だと思います。
常にカメラや操作ログで監視することなんかより、よっぽど!
もちろん、その他の目に見える危険にも気を配る必要があります。
例えば、プロジェクトの遅延ですね。
今回のまとめ
- 在宅ワークでも管理は必要
- こまめなコミュニケーションをとる
- 文字コミュニケーションからテキスト分析でストレスを測るのは良い方法では?
- ただし、それを監視に使うのは悪手
- 管理と監視を取り違えたマネジメントが多い問題
ただ、これは日本だけの問題ではないようです。
スクラップしていた記事のURLを紛失してしまったのですが、
「米国のソフトベンチャーが、在宅ワークの監視用アプリを作成して自慢してる」的な内容でした。
監視用アプリじゃないか?として話題の【Sneak】以外で。
以上!
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