生き様042. どうしてこうなるニッポン!~現金主義編~
お仕事がなかった1週間
前回コラムを書いていた6月の第二週から、しばらくの間お仕事がない期間に突入しています。
もちろん、COVID-19の影響です。
その辺りの愚痴は前回言ったので、それ以上はありません。
この1週間を色々な時間に使いました。
といいつつ、部屋の掃除が主ですが、Youtubeの活動もその一環です。
掃除の成果として、一部のデットスペースが解消されてスッキリしました。
太り過ぎ対策として始めた筋トレも、軽いものではありますが、
悪くなっている発声・滑舌対策に始めた外郎売と共に、続けていきたいですね。
前々回の振り返り
コラムにしたタイミングが良かったのか、その後「ネットとハンコ」に対するネットニュースやコラムをちょいちょい見かけます。
何故かすごく親しみを感じているGMOさんが、この様な取り組みをしているそうです。
【GMO「脱はんこ」即断の背景 そのとき、社内で何が起きていたのか】
他にも、ネットニュースで「ハンコの問題で会社クビになった」みたいな記事を見た記憶がありますが、再び見つけることはできませんでした。
幻だったのかもしれません。
今回のテーマは「現金主義」
さて今回も、日本の社会習慣について考えていきます。
今回はテーマは日本の「現金主義」です。
世界ではキャッシュレス決済が大きな流れとしてあります。
しかし、日本ではあまりキャッシュレス決済が進んでいません。
先日、電車内の広告で「仕入れもキャッシュレスにすればポイントが貯まる!」というフレーズがありました。
でも僕は「この広告はなんか違う」と感じたのです。
今回はこの辺りの、キャッシュレスを切り口として考えていきます。
現金を持つ危険性とキャッシュレス決済の関係
実は、僕はこの話を「キャッシュウレス決済が進まない」と違う角度で捉えています。
それは「現金決済が強すぎる」です。
日本の治安が良い、ということは結構言われている事です。
中でも「自動販売機が街中に沢山ある」というのは世界では少数派なのだそうです。
こういう言い方をすると誤解が多く生まれそうですが、世界的に見ると「現金を持ち歩く事はリスク」です。
その為、現金を持ち歩かない決済方法である、キャッシュレス決済に対する必要性が高いのではないでしょうか。
日本は治安が良い為、現金を保管すること、持ち歩くことに不安がない。
つまり、キャッシュレス決済の必要性が低いので、新しい仕組みが進んでいかないのだと捉えています。
大半の仕入れは既にキャッシュレス決済されている
上に出した「仕入れもキャッシュレスにすればポイントが貯まる!」ですがこれもどうなんだろう?と感じています。
そもそも、多くの商店・飲食店が仕入れの殆どを買掛で行っている筈です。
買掛って、月末精算ですから、短期的にはキャッシュレスです。
精算時に集金に来て現金で支払うか、振り込みで行うかで、完全にキャッシュレスかどうかが別れそうです。
金融機関での送金を行っていれば、立派なキャッシュレスでしょう。
もしかしたらクレジットカードで支払うという所もあるのかもしれません。
ですが、これらをキャッシュレスとは言わない気がします。
何故でしょう?それは、「今風のキャッシュレス決済」ではないからではないでしょうか。
今風のキャッシュレス決済というと、○○Payですね。
QRコード決済と言っても良いかもしれません。一部普通のバーコードですが。
もし、キャッシュレス決済差別とでも言うような壁があるのであれば…
それは何かに踊らされている気がします。
といいつつ、クレジットカード決済も、「今風のキャッシュレス決済」チームに入っていそうですね。世間の扱われ方の雰囲気的に。
キャッシュレス決済ではないかもしれない仕入れ
日々の細かい仕入れを近所の商店で済ます飲食店の例もあります。
もしかすると、CMでは近所での商店の仕入れがメインの、こぢんまりとした飲食店が対象だったのかもしれません。
その場合には仕入れに「キャッシュレス決済使っていこう!」が言えるでしょう。
ですが、僕が見た広告は「老舗の和風料亭もしくは寿司屋」をイメージしていた様です。
ちょっとターゲットがズレてるな、と感じています。
それ以上に、そういう商店では現金決済の方が好まれます。
「強固な現金主義」と言っても良いかもしれません。
ですが、僕はそれを悪いことだと思っていません。
何故なら、現金主義の方が都合がいい場合があるからです。
それも、経営的に見て。
どんぶり勘定でも現金主義ならなんとかなる
これは偏見も含まれていますが、僕の実感として
「商店の規模が小さいほど、現金主義の傾向が強い」と感じてます。
何故そうなるのでしょう?
大きな要素として、どんぶり勘定での経営があると考えています。
流石にどんぶり勘定だからって、毎日の売上を付けない商店はありません。
ですから、手元にある現金の確認は、ほぼ毎日されます。
そして、この手元にある現金を基準として考えていけば、
流石に「全ての資産管理ができる」とは言いませんが、日々の売上と仕入れとのバランスぐらいは取ることができます。
手元の現金が大きく減る、もしくは少量でも減り続けるなら、商売がおかしい状態にあると知ることができます。
帳面に書かれた数字の上でお金を管理し、そこから経営状態を把握する事は、特殊なセンスが必要です。
ですが、体系化された技術としての複式簿記がありますので、センスがなくても技術的にクリアは可能です。
しかし、初めて青色確定申告に臨んだ去年分は、複式簿記の帳簿の見方が分からず、苦戦しました。
「センスがなくても、技術があればなんとかできる」とは言いましたが、それも結構壁がが高いのです。
そんな訳ですから「税理士」や「経営コンサル」に頼ってしまう気持ちがよくわかります。
Amazonで「どんぶり勘定 経営」で検索するとイロイロ出てきます。
かく言う僕も、結構などんぶり勘定です。「個人のレベルから良いよね!」と。
適切な決済方法を考える
どんぶり勘定で現金決済が多い僕ですが、未来永劫このままの経営スタイルでいい、とは考えていません。
事業規模を大きくし、人を遣う様になるなら、
もしくは法人化を考えるのであれば、どこかでこのスタイルは変えなければいけない。
そう考えているからです。
しかし、今まで数十年の単位で事業規模を変えず、経営スタイルも変わらない商店もあります。
果たして、この商店に無理にでもキャッシュレス決済を導入すべきでしょうか?
いやそもそも、口座間送金を使用していれば、十分にキャッシュレス化していると言えるでしょう。
さて、この場合の「キャッシュレス決済」とは何を指すのでしょう?
決済方法を考える時、商習慣・客層・売上規模等、様々な観点から、適切な決済方法を考えなければいけません。
現金主義の方が適している場合、というのもあるのです。
安易に【最新流行のキャッシュレス決済 vs 昔気質の現金決済】という構図を作らず、
その場その場で良い方法を選択したいものです。
今回のまとめ
- 日本社会には、キャッシュレス決済が浸透しない理由がある
- 小さい経営規模で、どんぶり勘定経営するなら、現金主義の方が都合がいい
- 商売の内容によって、適した決済方法は異なる
- 現金主義がおかしいのではなくて、今風のキャッシュレス決済をゴリ押しする風潮の方がおかしい
余談:給与賞与のキャッシュレス化
今現在、当たり前の様に給与や賞与は銀行口座への振り込みとなっています。
これがキャッシュレス決済だ、というのは今更言うまでもありません。
この給与賞与の振込が進んだきっかけが三億円事件です。
それまでは、給与賞与は手渡しが普通だったそうです。
ITエンジニアの経験と知見を主に、ニュースを5分間で解説する動画やってます。
#ほぼ日ITエンジニアニュース
まだ10回再生超えた動画が無い位弱小チャンネルですが、宜しくおねがいします。