新人教育で必要なのは「熱心さ」ではなく「打算」である
本音が語れるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。
ここでは、編集部がおすすめするコラムを紹介しよう。効果的な後輩指導、テストエンジニアのための要件定義の2本、そしてPHP技術者認定試験の発起人による新コラムを紹介する。
- 後輩指導
- 要件定義とテストのあいだ――TEF東海の勉強会に行ってきました
- 目指すもの
「新入社員は常識がない大人」であることを意識して指導する
グローバルナレッジネットワークの横山哲也氏による『Go, Go, Go, in Peace』。適切な後輩のしかり方について。
新入社員が入ってくるたび、上の世代は「いまの若者が考えていることは分からない」とぼやく。だが、横山氏は「別に、考えていることを理解する必要はない」と語る。
後輩指導においては、「新入社員は社会人としての常識を身に付ける機会がなかったこと」と「新入社員は大人であること」を押さえるのが重要だ。彼らは「社会人としての常識」がない。だが、彼らは子どもではなく大人であるということを忘れてはいけない。
横山氏は「後輩指導はもっと打算的に行うべきだ」と主張する。会社の中でよりよい関係を作り上げたいなら、子どもに対するしつけのように「頭ごなしにしかる」ことは避けたい。なぜなら、お互いに良い感情を生まず、人間関係がぎくしゃくしてしまうからである。
また、横山氏は「効果的なしかり方」について紹介している。
- 間違いは指摘するに留め、内省を促す
- 大声を出さない
- 大勢の前でしからない
テストエンジニア、要件定義を学ぶ
テストエンジニアの第3バイオリン氏による『オブリガート ~感謝されるテストエンジニアになる~』。“旅芸人”テストエンジニア、今度は東海に現れる。
第3バイオリン氏は、ひょんなことから「TEF」(Testing Engineer's Forum:ソフトウェアテスト技術者交流会)が名古屋で開いた勉強会に参加した。勉強会のテーマは「テストエンジニアのための要件定義入門」である。
「テストエンジニアが上流工程に関わる場面は増えてくるはず。そのとき、上流工程で何をしているのか知っておけば、必ず役に立つ」と講師は語る。第3バイオリン氏は、「顧客が持っている“やわらかい要求”をどう固めていくか」というプロセスなどが興味深かったとレポートしている。
【新連載】PHP技術者認定試験の発起人が登場
最後に、新連載を紹介しよう。PHP技術者認定試験の発起人、吉政忠志氏による『教育ビジネスを考える。行動する。改善する。』。PHP技術者認定試験や教育ビジネスについて考える。
「『合格することにより仕事が得られる』というのは認定試験が目指すべき姿」だと、吉政氏は主張する。そして、この姿を実現するために、3つのビジョンを提示している。
- 認定試験を、高額な受講料金・受験料金を支払わずとも受験できる
- 合格することで、合格者が仕事を得やすくなる
- 認定校が収益を維持でき、健全な教育を継続的に行える
そのためには、「教材は市販本を採用」「認定料金は格安」「認定試験のブランドを高める」などの施策を実行する必要がある。PHP技術者認定試験は、これらのビジョンに沿って立ち上げられたという。これからの活動に期待したい。
コラムニスト募集中 |
エンジニアライフではコラムニストを募集しています。 応募資格は ・ ITエンジニア(元でも可) ・ ITが好きで、将来はIT業界に就職しようと考えている学生 ・ ITエンジニアの採用に関わっている人事担当者 ・ ITエンジニアの育成に関わっている教育担当者 ご興味のある方はコラムニスト募集ページをご覧ください。 |
【過去の「おすすめエンジニアライフ」】
・不機嫌の連鎖? 不具合の話だけするPM、不機嫌なPG
・ソフトウェア開発の責任者名を、法律の名の下に明記せよ
・開発したコミュニティサイトで、自分もユーザーになる
・魔王か黒幕か――IT管理者を4タイプに分類する
・「技術バカ」といわれないために必要な「多神教」的思考
・つまらない仕事は義務感でやらず、ハックして楽しむ
★2010年7月の「おすすめエンジニアライフ」
☆2010年6月の「おすすめエンジニアライフ」
★2010年5月の「おすすめエンジニアライフ」
☆2010年4月の「おすすめエンジニアライフ」
★2010年3月の「おすすめエンジニアライフ」
☆2010年2月の「おすすめエンジニアライフ」
★2010年1月の「おすすめエンジニアライフ」