@IT自分戦略研究所 編集部が、エンジニアライフのおすすめコラムをピックアップします。

「落語」に学ぶ、ソフトウェア技術者に必要な職人芸

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 本音が語れるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。

 ここでは、編集部がおすすめするコラムを紹介しよう。「ソフトウェア技術者は落語を学ぶべし」という先輩のアドバイス、「奇跡のプロジェクト」の成功要因分析、クラウド普及の「布石」としてのiPad、の3本を取り上げる。

  • 『エンジニアには“落語”が大変役に立つ!(その1)』
  • ミラクルorリピータブル?
  • iPadとクラウド

ソフトウェア技術者の職人芸は「技術+話術」

 首都圏コンピュータ技術者 取締役 篠原博氏の『技術立国への復活』。今回は、プログラマとして働いていた若き日の篠原氏が先輩から贈られたアドバイスを紹介している。

 技術が好きで、プログラマとして働き続けたいと考えつつも、一方で「設計書どおりにプログラミングをする」という日々に不安を感じていたという若き日の篠原氏。そんな彼に対し、当時の先輩は「落語を学べ!」とアドバイスをしたという。

 建築なら、最終構造物をミニチュアで作って見せることができる。だがソフトウェアは形がないため、実際の「モノ」を事前に見せて説明するのが極めて難しい。伝統的な「職人」は黙ってモノを見せればよかった。だがソフトウェア技術者は、形のないものを、技術の素人に理解させる技量が必要なのではないか。だからこそ、ソフトウェア技術者は「技術」に加えて「話術」を学ぶ必要がある。落語は話術を学ぶのに最適だ――というのが、先輩の主張だった。

システム開発「6つの課題」と、その対策

 九州のベンチャー企業で働く山無駄氏による『Innovation “D”』。今回は、空中分解寸前だった巨大プロジェクトが成功した要因を分析する。

 筆者は、システム開発の課題について、次の6つを挙げている。

  1. 開発会社にとってシステムは「成果」だが、顧客にとっては「手段」である
  2. 顧客企業の中でも、立場によって課題が異なる
  3. 顧客はITを知らず、開発会社は業務を知らない
  4. システム化に乗り気な人もいれば、文句しかいわない人や、様子見の人もいる
  5. 段階的詳細化により、全体像が見えなくなっていく
  6. ローカルな業務運用ルールが存在する

 これに対し、筆者は「6つのプロジェクト成功要因」を紹介している。システムの構想段階で経営層から中間管理職、現場ユーザーに至るまで、さまざまな人を巻き込んでブレインストーミングを実施して方向性をコミットしたり、顧客企業IT担当と開発会社SEの双方を仕様書作成に参加させるなどの施策が奏功した、と筆者はまとめている。

【新連載】技術者はクラウドビジネスとどう向き合うか?

 最後に、新規コラムニストを紹介する。10年間、請負型のシステム開発に携わってきたシステムエンジニアの粕谷大輔氏は、『雲(クラウド)の隙間から青空が見えた』と題して、技術者がクラウドにどう向き合っていくべきかを考察していくという。

 第1回は「iPadとクラウド」について。発表当初はiPadに否定的だったという粕谷氏は、セールスフォース・ドットコムのCEO、マーク・ベニオフ氏がiPadを絶賛しているのを見て、iPadの可能性について考え始めたという。

 結論として、粕谷氏はiPadが「ソフトウェアの終焉をもたらすデバイス」であり、「ITシステムのクラウド化における人々の抵抗感を消し去るデバイス」であるとしている。「クラウドの浸透にはあと10年かかる」と予想していたという粕谷氏は、iPadの登場によって「2~3年で実現するかもしれない」と考えを改めた。では、そのときソフトウェア技術者はどうなっていくのだろうか。

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