楽天「社内会議の英語化」への意見をまとめてみた
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ここでは、編集部がおすすめするコラムを紹介しよう。「楽天英語化」についての考察、「IT業界3K説」への反論、恐怖の「マジカル仕様書」について、の3本を取り上げる。
- 楽天の英語化についていちエンジニアが考えてみた
- 新3K
- マジカル仕様書はデスマーチへの片道切符
楽天英語化への意見まとめ
海外勤務経験を持つITエンジニア 鹿島和郎氏による『海外でも通用するエンジニアになる』。今回、筆者は「楽天が社内会議を『英語化』」というトピックについて、さまざまな意見を整理している。
「楽天の社内英語化」について、Web上では賛否両論である。否定派の主な意見としては、
- 英語能力≠仕事の能力である
- 無駄が多い、高コストになる
- 全社でやる必要はない(経営陣だけ、もしくは海外事業だけ、etc)
の3つではないかと鹿島氏はまとめ、それぞれについて「ITエンジニアの視点」から解説している。
一方、「基本的には賛成」であるという鹿島氏は、社内英語化のメリットを4点挙げ、「当面の間はコストが増加するものの、3年程度で元のレベルに戻り、メリットがコストを上回るのでは」と結論づけている。果たして楽天の今回の施策がどのような効果をもたらすのか、注目したい。
「IT部門だけが会社の全体を理解できる」
グローバルナレッジネットワークのIT講師 横山哲也氏による『Go, Go, Go, in Peace』。今回は、IT業界の「3K」論についての考察だ。
なぜIT業界の仕事はきつい、というイメージがついたのか。横山氏は「仕事の進め方(プロセス)が近代化されていないこと」と「ITエンジニアがITとビジネス、両方の文化に精通しなければならないこと」の2点に原因があるのではないかという。
だが、横山氏は「IT部門だけが会社の全体を理解できる」と主張し、ITエンジニアの重要性とやりがいを謳う。会社全体の最適化は、全社の情報を把握しているIT部門にしかできないことである、と。
マジカル仕様書にご用心
草食系妙齢プログラマの野口おおすけ氏による『不思議そうで不思議でないちょっと不思議な現場の話』。前回に引き続き、「マジカル仕様書」のエピソードを紹介している。
ある業務システムの開発担当にアサインされたAさん。仕様書を見ると、なぜかデータベースについての記述が一切なかった。不安に思ったAさんが「データベースについて何も書かれていないけど、大丈夫ですか?」と設計者に尋ねると、「データベースは使いません! Oracleを使います!」という謎の回答が返ってきた。
こうしたマジカル仕様書を放置すると、大変なことになりかねない。野口氏は「『設計者や実装者のスキル不足』といってしまえばそれまでだが、それらを発生させないような取り組みはプロジェクト全体で行っていくべきでは」と考えているという。
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