システム屋泣かせ
この1、2年、システム屋泣かせのイベントが続く。
改元に伴う祝日の変更。消費税増税、軽減税率の導入、オリンピックに伴う休日の移
動。なくなってホッとしたサマータイムや、昭和100年問題なんてのもあるそうな。
二次被害としては、これらの対応で相手先システムに改変があり、連係しているこち
らのシステムにも手を入れなければならない、という事もある。
ネットでは、新元号の発表時期についてもめてる、という話も載っていた。政府は
新元号をシステムの対応を考慮し4月に発表するとしたが、一部の保守派議員は新元
号は新天皇になってから発表されるべきだと反発しているというのだ。
自身の範疇でいうなら、どれも困らない。元号も祝日・休日も消費税もマスタで管理
されているので設定さえすれば、システムの停止も必要ない。新元号も新天皇になっ
発表されたとしても業務に支障がでることはないだろう。軽減税率も一度、増税が伸
びているので、すでに準備済みである。当然システム内の日付は西暦で動いているの
で昭和100年問題も特に問題ない。というより、そんな問題があるとは想像だにしなかっ
た。さすがにサマータイムはゾッとしたが、まっとうな判断で見送られホッとした。
システム的には元号よりサマータイムの方が問題が大きいのだが、サマータイムの導
入検討時にその問題があまり取りざたされなかったことを不思議に思う。何か作為が
あるのか、それとも形だけの検討で見送りは既定路線だったのか。
ちょうど私がこの業界に入ってきた時が、2000年問題まっさかりだった。自分達のシ
ステムは持っておらず、お客様のシステムの対応のみだったので機械的な作業で特別
手当などでてバブリーであったが、この様な問題が発生することが少なからず驚きで
あった。だから自分たちのシステムを作る際はこのような問題がおこらないように設計
しようと思ったものである。
そういった意味だと今回のイベントのほとんどが過去におこったことのあるものだ
(軽減税率以外)。だから、これらの対応で本当に泣いているシステム屋がいれば、
それはシステム屋としてどうかと思う。
制度はシステマティックに設計されるわけではない。どちらかというと様々な力学が
はたらいて、システムにしてみれば理不尽な設計をされることの方が多い。だからシ
ステム屋はその理不尽さを以下にシステムとして解決するか頭を悩ませなければなら
ない。だから、とってつけの対応でなく、根本的な対応を積み重ねてゆく必要がある
と思う。
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コメント
ゆんろん
サマータイム大変だぞ、というのは、検討の発表があってから、立命館大学の上原先生などが、しつこくしつこく意見を公にされてました。やってみりゃええやん、というシステムを知らない人と、SNS で何度となくバトりましたし、上原先生のツイートをリツイートしたり、シェアしたり、しまくりましたよ。だから、新元号をシステム対応のせいにするくらいには、関係者の理解が進んだ?のだと思ってます。
コバヤシ
今はシステム屋さんから遠ざかっておりますが、サマータイムの話題が出たときは「もし自分がシステム構築に何かしら携わるとしたら」と想像してゾッとしました。
人間のイベントに合わせた(問題が起こらないようにする)設計って大事ですよね。以前うるう年の計算で西暦ベタ打ちのコーディングを見て驚いたのを思い出しました。使う寿命が決まっているシステムならそれも一つの手段かもしれませんが。
変な感想になってしまいましたがすみません。
山無駄
どうも ゆんろん様
そうなんですね。ネットではサマータイム対応への難しさが盛り上がっていたのは知っていましたが、やはり、一般の人に対応の難しさを理解してもらうのは難しいのでしょうね。新元号は、羹に懲りてなますを吹いた?
山無駄
どうも コバヤシさま
いっそのこと、日本の標準時間をずらしてしまえばシステムの改修はいらないのでは、と思ったりするのですが、移行期の消える時間と増える時間のデータはどうなるんだ、ということとNTPを使っていない端末が混在することを考えるとぞっとしますね。混乱が起こった時にたたかれるのはシステム屋なんですから。それだけ、ITが社会インフラとして定着したという証左なのかもしれません。日本はもっと、インフラを守っている技術者に敬意をもってもらいたいなぁ。