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感受性と思い込み

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■トイレの戸
 先日、お客様である老人ホームに後輩とお伺いしたとき、前の打合せが長引いていたためエントランスのソファーで待たせてもらっていた時の話。後輩がトイレを借りると席を立ったので、入れ違いで自分も借りることにした。その旨、後輩に伝えると、

「男性トイレには鍵がかかっていたので、多目的トイレを借りました」
「あ、そう…」

取りあえず、返事はしたもののなんだか違和感を感じたので、そのまま男性トイレへ。
案の定、普通にドアは開いて用を足すことができた。
戻って、その旨伝えると後輩は…。

「おかしいなぁ。何度か試したけど開かなかったんですよ」

試しに聞いてみた。


「どうやって開けた?」
「え?横に引いて」
「あそこのドア、押戸だよ」

■引いてだめなら
 その時は笑い話で終わったが、後から考えるとこの事件は重大な意味を持つように思えてきた。後輩はなぜ自分の思い込みに気が付かず、自分はなぜ、後輩から鍵がかかったと聞いたときに違和感を感じたか。

 確かに老人ホームのトイレなので、取っ手は大きくつかまりやすくなっているので引戸に見えなくもない。しかし、自分が感じた違和感は以下の3つだ。

 1.なぜ共同トイレの入り口のドアに鍵がついているのか?
 2.鍵がついていたとして、なぜこの時間に鍵がかかっているのか?
 3.何らかの理由で鍵がかかっていたとしたら、その旨、張紙でもあるのではないか?

 実際は、(当たり前だが)鍵自体がついていないのが正解だった。もし後輩も上記の疑問を感じたならば、引いてだめなら押してみたに違いない。

■感受性と思い込み
開発の現場では、常々センシブルであることの重要性を話しているつもりだ。
その理由は以下の2つ。

 1.早目にリスクを察知し、手を打つこと
 2.思い込みを排除すること

特に、思い込みが重大な障害の事故となることは一般的によく言われている。では、その思い込みをなくすにはどうすればよいか。それは感受性を高め、外部から多くの情報を取込むことにより、自分の中にある仮説を検証し続けることである。これがセンシブルであるということだ。これは伝えていたつもりなのだが、後輩には感じ取ってもらえなかったようだ。

なので、改めて言おう。

後輩よ、センシブルたれ!

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