九州のベンチャー企業で、システム屋をやっております。「共創」「サービス」「IT」がテーマです。

2011年の新たな年に向けてのご挨拶

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 皆さま、あけましておめでとうございます。

 本年もよろしくお願いいたします。本記事が、本年初の投稿となります。

 昨年末は、本業が急に忙しくなり投稿がおろそかになってしまいました。

 忙しさは、年が明けても相変わらず(というか、おそらく加速されていきそうな状況)ですが、年初ですので、お屠蘇の抜け切れていない頭ではありますが、昨年の反省と今年の抱負を含めた雑感を、少し書き綴ってみたいと思います。

●IT業界はITを語っているか?

 (社会インフラ系設備産業の)お客様との飲み会にて、お客様たちが延々と設備について熱く語っているシチュエーションに何度か遭遇しました。

 老いも若きも関係なく、上は70歳を超えたOBのおじいちゃんが、下は10代の新人に語っている、なんて状況も珍しくありません。

 我々外部の人間がいる場でその様な調子なので、内部の飲み会などは推して知るべし、なのでしょう。

 私の会社はユーザー系中小企業だからなのかもしれませんが、私自身の経験として飲み会の席で(別に飲み会の席でなくとも)、先輩や上司、同僚がITというものについて熱く語っている、というシチュエーションには出会ったことはありませんでした。

 企業風土なのか、業界風土なのか、単純に私自身がそういう状況に巡り合っていないだけなのか、何とも言えないところですが、正直、お客様の自分たちの仕事に対する思いを、半分はうらやましくも感じていたところでした(残り半分は、少しうっとうしいかな、と)。

 ところが昨年末、IT業界の長老的立場の方々と夜の席をご一緒させていただく機会に恵まれました。お二方とも第一線は退かれてはいるものの、お一方はユーザー系代表としてコラムなどへの情報配信、もう一方はベンダ系代表として、大学にて後進の指導にあたられております。

 そのお二方が酒の席で、「情報というものをどうやって学生に教えるか」「ITに対しての韓国と日本での役所の認識の違い」「企業と学校での人材育成の違い」などを侃々諤々やっております。こちらは議論に参加する、というよりは合間を縫って「○○についてはどうか?」とお題を振る立場で、お題が振られれば「それは、どうこう……」とすかさず意見が返ってきます。それが楽しく、なかなか有意義な時間を過ごさせていただきました。

 そして何より、IT業界でも語る方々はいらっしゃるし、もっと語られるべきである、という確信を得たことが一番の収穫でした。加えて、自分の周りにそういう場がないのであれば、作らなければならない、そんな使命感に燃えてしまった1年の締めくくりでした。

●相棒 -劇場版II- を見て考える、組織とは何か

 仕事が忙しくなってきた最近、ずっと気になっていることは「人」と「組織」です。そんなさなか、新年早々『相棒 -劇場版II-』を観てきました。正月三が日とあって映画館自体、お客は少なく、さらに子どもたちはポケモンにながれているので、とても平均年齢の高いスクリーンでした。

 『相棒』に限らず、昨今の警察モノの背景として、凶悪な犯罪組織との対立というより、警察組織内の縦割り組織の問題や、組織と個人(もしくは現場)との対立構造、そして多くが組織間の壁と組織主義の中で、個人や現場が犠牲になる、という構図が多く見られます。

 『相棒』もその典型的なパターンなのでしょう。「お前たち、絶対的な正義がこの世にあると思ってる?」の小野田官房長をはじめ、警察庁、警視庁のお偉いさんは、犯人顔負けの強面の方々です(偏見かもしれませんが)。

 「人」と「組織」が最近のテーマである私にとって、この対立構造はとても示唆に富んでおり、改めて「人」とは何か、「組織」とは何かということを考えさせてくれます。例えば……

  1. 官僚組織とは何か。50点の人材10人に700点の成果を上げさせる仕組みである
  2. そのため、100点の人材は10点の人材以上にを排除される
  3. 官僚組織構造の弱点は、静的モデルであること、分割モデルであること、結果モデルであることである

 だからこそ、作品中の小野田官房長の台詞に代表されるように、組織側の人間というのはネガティブなイメージがついてしまうのでしょう。

 それでも私は「人」と「組織」を必要としています(警察組織と比べるまでもない、とても小さな組織ですが)。中小企業の限られた資源の中で、質、量ともに人材をそろえることは不可能です。なのでどうしても不足気味の質と量を補う仕組み=「組織力」が必要となってきます。しかし官僚組織のネガティブな面を持ち込む必要はありません。

 私が必要とする「組織」とは、

  1. 組織のパフォーマンス=Σ(メンバーのキャパ)×110% くらいでよい。しかし、10点の人材と100点の人材もパフォーマンスを発揮できる、多様性モデルである
  2. 静的モデルではなく、動的、成長モデルである
  3. そして、ビジョンモデルである

です。

 では、それが具体的にどのような「組織」であるかといいますと……

 この答を見つけることが、今年のテーマなのです(来年も同じことをいっていないことを祈りつつ)。

●ということで、まとめ

 昨年の反省と今年の抱負などと宣言しつつ、話題が年末年始のピンポイントなところに終始してしまいましたが、まとめますと、

  1. 今年は、本業が勝負どころを迎え、忙しくなる予定
  2. その勝負を勝ち抜くためには、「人づくり」と「組織づくり」がキーとなってくる
  3. 「人づくり」という意味では、ITをもっと語る、語られる場を作っていかなければならない。「組織づくり」という意味では、多様性、動的、成長、ビジョンモデルが目標である

 正月ボケの頭でまとめとなったかどうかは分かりませんが、本年の皆様の飛躍をお祈りしつつ、新年のご挨拶とさせていただきたいと思います。

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