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第669回 貢献について考える・その3

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 過去に貢献ついて考えてみるコラムを2回ほど書かせてもらっていますが、私は貢献という言葉が好きです。その理由は過去のコラムにも書いているのですが、貢献とは見返りを求めない行為であり、そこに使命を感じるからです。

 今回はこの貢献を活かす考え方として、コントリビューション・ステートメントについて書きたいと思います。

■貢献について、過去のコラムを振り返る

 過去、貢献についてこのようなコラムを書いています。

第452回 貢献について考える

第527回 貢献について考える・その2

 最初のコラムではこのようなことを書きました。以下、引用です。

そもそも、なぜ人は貢献をするのでしょうか? ここからは私の価値観での話になりますが、貢献とは見返りを求めない行為だと思っています。「この人(この組織、この会社)のために力を尽くそう! 」と考えることは利他的な考えが背景にあります。なぜそのような利他的な考えに至るのか? それは、そこに使命を感じるからではないでしょうか。

 例えば、社会貢献について良く出てくるワードに「ボランティア」という言葉があります。被災地支援などでボランティア活動をされる方がおられますが、こういった方々の原動力になっているのは「被災地の方を支援したい」という想いです。そして、それは「自分が被災地の方々の力になりたい」という使命感でもあると思うのです。この使命感こそが貢献の原動力になっているのではないかと思います。(第452回 貢献について考える)

次のコラムではこのようなことを書いています。こちらも引用します。

そこで貢献をこのように位置づけました。

力を注ぐことで自分の喜びになること

 例えば、チームで何かを成し遂げようとしている時、本気でそれと達成したいと心の底から思い、そこに心血を注ごうとするシーンを思い浮かべてみてください。その時の自分の気持ちはチームの成功を第一に考えています。チームでの成功が自分にとっての一番の喜びとなっています。そのような時、その人はチームに貢献していると言えるのではないでしょうか。

 貢献というのは私たちが持つリソースを無償で提供することだと思っていますが、それによって私たちは幸福感や満足感を得ることができます。一見すると貢献とは見返りを求めないボランティアのように見られる所がありますが、実際には少し違うと考えています。それは、貢献によって私たちが得ているモノが私たちの心の満たしてくれているからです。

 そしてそれこそがその人の成したいことと繋がっています。言い方を変えるならば、貢献の対象こそがその人のキャリアです。(第527回 貢献について考える・その2)

 何となく、貢献についてイメージは湧きましたか?

■コントリビューション・ステートメント

 この貢献を実現する方法の一つに、コントリビューション・ステートメントという考え方があります。この言葉は7つの習慣から来ていますが、コントリビューションとは貢献とも訳されます。一言で言ってしまえば、自分にしかできない「独自の貢献」を意味しており、ミッション・ステートメントに近い考え方です。

 このコントリビューション・ステートメントには貢献の対象があるのですが、それが組織や社会、家族といった単位になります。ここではわかりやすく組織に対するコントリビューション・ステートメントを考えてみます。

 コントリビューション・ステートメントを考える場合、4つの軸で組織に対して自分のあるべき姿を見直します。

ニーズ...組織が自分に期待していることは何か?
才能...組織で自分の得意とすることは何か?
情熱...組織に自分が心の底から取り組みたいと思えることは何か?
良心...組織の中における自分の取るべき正しい選択は何か?

 これらのすべてを満たすところにコントリビューション・ステートメントが存在しています。そのため、これら4つの軸を見つめ直すことで組織に対する自分の立ち位置が明確になります。

 そして、それは組織に対してどのような貢献をするのかといったことが明確になることを意味しており、これがコントリビューション・ステートメントとなります。

■貢献の力を考える

 貢献の力のベクトルは自分ではなく他者に向きます。今回の話では組織に向いていますが、こうした利他的な考えを持つことが結局のところ自分自身を高めていくことに繋がると考えています。だから、私は貢献という言葉好きなのだと思います。

 結局のところ、人は自分のためではなく他者のために何ができるかを考え、行動することが一番パフォーマンスが上がるような気がします。こうした貢献の考え方を組織に根付かせているチームはやっぱり結束力があり強いと感じます。

 興味のある方はぜひご自身なりのコントリビューション・ステートメントを考えてみてくださいね。

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