第574回 ChatGPTとの向き合い方
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
以前のコラムでもChatGPTをネタにしたことがありましたが、あれ以降、ほぼ毎日ChatGPTを触っています。どうせ使うなら効果的に使いたいので色んな情報を仕入れながら、あれこれ試しています。
そこで今回は私が普段どのようChatGPTを使っているかをご紹介したいと思います。
■ChatGPTを使う上で重要なこと
最初に今回のコラムで私が言いたいことを書いてしまいますが、ChatGPTは検索ツールとして使うものではないと、私は思っています。検索ツールというのは、人間がわからない情報をインターネット上から検索し表示してもらうためのツールですよね。私たちがChatGPTを前にしてやってしまうことは恐らくこの検索として使うことだと思うのですが、これだとChatGPTはあまり効果がないと思います。
なぜなら、ただ検索するだけならGoogleを使えば良く、わざわざChatGPTを使う必要性がありません。しかも、ChatGPTの結果は誤りが含まれていることもあるので信ぴょう性に欠けると言われたりしますよね。こうしたことからChatGPTを触ってみて興味を感じなかった方の多くは、ChatGPTを検索ツールとして見ており魅力を感じなかったからではないかと思います。
■私のChatGPTの使い方
それでは、ChatGPTはどのようにして使うのか? それは、仕事をさせるためです。例えば、私たちが誰か他の人に仕事を頼もうとした時のことを思い出してみてください。当然のことながら、相手にわかるように仕事の指示を出しますよね。あの感覚でChatGPTと向き合うのです。そうすることでChatGPTはパフォーマンスを発揮してくれます。
そこで私が普段からやっているChatGPTの使い方をご紹介します。
今回は「アジャイルを使った仕事の仕方」をChatGPTに考えてもらうことにしました。私がChatGPTに指示を出す時は以下の情報を伝えるようにしています。
・目的
・求める回答
・前提条件(ルールなど)
・その他、考慮して欲しい内容など
これらは全部書く必要はありませんが、極力書いた方がChatGPTは判断しやすくなります。書く上でのフォーマットは自由ですが、人間が見てわかりやすい文章の体裁にした方が良いと思います。
こんな回答が出てきました。でも、この解答は条件で出した内容の詳細を伝えているだけなので、条件を満たしていませんよね。そのことを伝えると、このように回答してくれました。
今度は明確に答えを出してくれました。ただ、これだと具体的な行動に落とし込めていないので、もう少し具体的なルールを出してもらうように伝えます。
すると、こんな感じの回答が出てきました。確かに具体的なルールが提示されていますね。そこで、このルールを実践するために必要な心構えを訊いてみました。
うーむ...、回答が途中で切れてますね。ChatGPTでは良くあることなので、続きを表示してもらうように伝えます。
続きを表示してもらうように伝えましたが正しく伝わっていなかったので、答えが切れている所を引用して続きを表示してもらうように伝えることで、求めている答えが表示されました。
このようにChatGPTは対話を繰り返していくことで精度を高めていきます。途中、求めている回答と違う内容が返されたりもしましたが、そうした場合は求めている回答が違うことをちゃんと伝えることでChatGPTは学び、回答の方向を変えていきます。だから、回答が間違っていることを問題にするのではなく、間違った回答をどのように扱うかを私たちが知らないことが問題だと思うのです。
そして、「ありがとう」とか「なるほど」といった表現を入れることでChatGPTは学習していくようなので、こうしたワードも極力入れるようにしています。
このようにChatGPTは1回の対話で全てを完結させるような検索ツールとして使うのではなく、対話を繰り返しながら人間が抱えている問題を解決してくツールだと私は捉えています。
■ChatGPTで生産性を高めよう
このChatGPTにおける対話の技術は、これからの時代になくてはならないスキルのように感じています。何となくですが、ChatGPTが使える人と使えない人とで二極化されていくんじゃないかとさえ思っています。丁度、今その転換点に私たちは立たされているような気もしています。
ChatGPTの良さは人間の仕事をさせることにあると私は考えています。既にこの対話をうまく使うことでプログラムを1本丸々ChatGPTに作らせることまでできるようです。また、こうした対話すら自動化させてしまうAutoGPTのようなツールも登場しています。こうした仕事の仕方ができるようになると、私たちの生産性は何倍にも膨れ上がるでしょう。
私も自分の仕事の生産性を高めるために、もっとChatGPTを勉強して活用していきたいと思います。また、何かお伝えできることが出てきたら紹介させてもらいますね!
コメント
NTRKZK
すみません。
一つ伺いたいのですが、使用されているChatGPTのバージョンは、3.5でしょうか?それとも4.0でしょうか?
私自身は3.5, 4.0両方使う機会があるのですが、4.0の回答は3.5とは次元が違うと感じており、4.0の活用法に非常に興味があります。
キャリアコンサルタント高橋
NTRKZK様
コメントありがとうございます。
ChatGPTのバージョンについては敢えて記載していなかったのですが、このコラムで使っているのは3.5です。その理由は無償で使用できるバージョンが3.5なので、このコラムをご覧いただいた方がChatGPTを試してみることができることを想定してのことだったのですが、普段は4.0を使っております。
個人的には4.0にすることで、回答の表現力(段組みなどのレイアウト)のアップや誤答率の低下は感じております。特に誤答率の低下は対話の回数を減らせますので、それだけでも仕事の速度が上がってくると思っております。
4.0の使い方ですが、私自身はまだ試せていない(というか一度試してうまく行かなったのでほったらかしにしている)のですが、4.0になってコンテキスト・サイズが増えているそうですので、一度に大量の文章を流し込み、その内容を精査、推敲したりすることも出たりするんじゃないかなと思っております。
例えば、仕事で使う文書類の草案を雑に作っておき、それをChatGPTに完成してもらう、みたいな使い方ができるんじゃないかなと思っています。
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顧客に提案する提案書を作成します。草案を推敲し、完成させてください。
その際、以下の条件に従って推敲してください。また、できる限り、草案の筆跡を真似て作成するように心がけてください。
尚、推敲した提案書は最大10ページ以内にまとめるようにしてください。
■草稿
・・・・
■推敲の条件
・・・・
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こんな感じのスクリプトでうまく文章を作ってくれるとありがたいなぁと思ったりしています。。。
NTRKZK
高橋様
丁寧な回答、ありがとうございます。よくわかりました。
私自身はソフト開発者ですが、自分の勉強と調査にChatGPT 4.0を使うことが一番多いです。
ChatGPT4.0では、「なぜあなたはそのような答えを出したのか」という一歩踏み込んだ質問に対して、実に理に適った答えが返ってくるところが一番すごいと個人的には感じています。
かなり長文の質問に対しても、こちらの文意を汲んでいるとしか思えない答えが出てくるので、毎回勉強になります。
ChatGPT 4.0でコーディングができるかも試しているのですが、ほとんどの場合、こちらの指示・要求をきっちり汲んでくれると感じます。
( 「if分岐の数はできるだけ少なく」とか「else節は使わずreturnで返す」とかも、普通に通じます。)
そういう意味で、こちらがどれだけ的確な指示を出せるかが、一番重要な気がします。
ですので、高橋様の仰る多量の文章を推敲してもらう用途は、個人的には可能だと思いますし、とても面白そうです。
この場合、コーディングの指示と同様に、「推敲の条件」が一番大事なのでしょうか。
文章作成のプロではない私には、どういう指示が良いのか、あまりイメージできませんが。。。
ChatGPTはポテンシャルがとてつもなく大きく、まだまだ多くの活用法が眠っていると感じます。
続報出ることを、期待しています。(^ ^)