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第575回 影響力について考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 少し前ですが「影響力のある人になりたい」という人に会ました。話を聞いてみると、自分の影響力で流行りを作りたいとかお金儲けをしたいといった理由からなのだそうです。

 確かにそういった所もなるなぁと思う反面、少し違和感を覚えてしまいました。そこで今回は影響力について思うことを書きます。

■影響力とは

 「影響」という言葉を調べてみるとこんなことが書かれていました。

物事の力や作用が他のものにまで及ぶこと。また、その結果。「環境に影響を及ばす」「大勢に影響しない」「影響力」(デジタル大辞泉より抜粋)

 確かに人に影響を及ぼすということは、その人に何かしらの力や作用が及ぶことです。ここでいう力や作用というのは様々ですが、その力や作用が及ぶことでこちらが望む形になるのだとしたら、影響力を持つことに意味はあるように思います。

 こうした人をインフルエンサーと呼んだりします。要するに、冒頭の方はインフルエンサーになりたいってことですね。

■影響力に求められる2つの要素

 ただ、影響力を及ぼすためには、誰に対して何の影響を及ぼせるのかを明確にしなければなりません。例えば20代の男性に注目されるインフルエンサーがいたとします。このインフルエンサーの一挙手一投足を多くの20代男性が追いかけ、そのスタイルを真似しようとします。正にこのインフルエンサーは影響力を発揮していると言えますよね。

 でも、そもそもなぜこのインフルエンサーはこのような影響力を発揮することができるようになったのでしょうか? それは、何かしらの情報を発信をしていたからです。その発信している情報を数多くの20代男性がキャッチし、共感し、自分も真似したいと思うようになったからではないでしょうか。

 だとすると、影響力を発揮するためには何かしらの情報を発信しなければなりません。その情報が人の心を掴み、共感を呼ぶからこそ、そこに影響力が生まれてくるのだと思います。

 つまり、影響力を発揮するためには、

  • 人々を惹きつけ、共感を呼ぶ「情報」があること
  • たくさんの人に情報が「発信」できること

この2つが必要であることが分かります。

■違和感の正体

 冒頭、私は「影響力のある人になりたい」という方の話に違和感を覚えました。それはいったい何だったのか? ここまで書くことでその正体が見えてきました。

 そもそも、影響力というのは人を惹きつけ共感させる情報を持ち、それを多くの人に発信する力があって初めて生まれてくるモノです。だとすると、私の感覚だと「影響力を持ちたい」というより「この情報を多くの人に知ってもらいたい」が先に来ると思うのです。

 だって、その情報は人を惹きつけ共感させることができるんです。だったらそれを多くの人に知ってもらいたいと思うのが自然な感情ではないかと思うのです。

 私もこれまでいくつかの理論や手法を考案して世の中に発信させてもらっていますが、それって知ってもらい、実際に使ってもらいたいという想いからです。まずそこが最初のような気がするのです。

 しかし、冒頭の方はそこをすっ飛ばして「影響力のある人になりたい」とおっしゃられていたので、現実味が感じられないと思ったのだと思います。これが私の感じた違和感の正体でした。

■影響力を発揮するなら

 ですので、もし影響力を発揮したいと思うのなら、その前段として人を惹きつけ共感を呼ぶ情報を持つことからスタートされた方が良いのではないでしょうか。

 その情報を自身の周りの方に提供しフィードバックをもらいます。そのフィードバックを元にして情報をアップデートさせ完成度を高めます。それを繰り返していくことで少しずついろんな方に情報が発信されていきます。そうして何かのきっかけでバズったりするんじゃないかなと思います。

 その時になって、初めて自分は影響力を持つことができたと実感できるようになるのではないでしょうか。

 私はこれまで影響力についてそれほど興味はなかったのですが、このコラムを書いてみて影響力を持つこともアリだと思うようになりました。なぜならば、影響力があるということはその「情報」が人々に受け入れられており、その情報が多くの方に「発信」されていることを表しているからです。

Comment(2)

コメント

ちゃとらん

いつも、楽しく拝読させていただいています。


> このコラムを書いてみて影響力を持つこともアリだと思うようになりました。
ものすごく、あると思っています。
# 少なくとも、私は多大に影響されていますので。


さて、少しだけ私の考えと異なるところがあるので、書かせていただきます。


・人々を惹きつけ、共感を呼ぶ「情報」があること
・たくさんの人に情報が「発信」できること


何が違うのかというと順番です。


自分の持っている情報が、『人々を惹きつけ、共感を呼ぶ「情報」』なのか判らないという事と、『同じ「情報」でも、その見せ方、伝え方で、大きく変わる』と思っています。


なので、
・たくさんの人に情報を「発信」すること
・その結果、人々を惹きつけ、共感を呼ぶことができれば
・結果として影響力を持つことができるかもしれない
という流れです。


もちろん、むやみに情報発信しても共感を得られないでしょうし、本当に良い情報でも伝え方できちんと伝わらないこともあるので、まず『情報』を発信し、人々の反応をよく観察し続けることで、結果として影響力を持つことができるのだと思っています。


# 最終的には、人格論にまで発展するかもしれませんけど・・・

キャリアコンサルタント高橋

ちゃとらんさん


いつもコメントありがとうございます。


確かにおっしゃるように自分の持つ情報が人を惹きつけるかどうかは発信してみないと分からないですね。。。
私の場合も、まず自分の考えを周りの人に発信し、その反応を見て判断していますね。


ですので、正しくは


・人々を惹きつけ、共感を呼ぶ「情報」【で】あること


ですね。
その情報を正しく受け取ってもらえる人に発信してこそ、その情報に価値が生まれる訳ですし、それはちゃとらんさんのおっしゃるように観察し続けることが大切になりますね。

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