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第545回 学びの提供を考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 私は研修講師を仕事にしていますが、担当している研修の中にキャリコン講座があります。私は国家資格キャリアコンサルタントの資格更新講座を幾つか持っており、先日もその講座を担当させていただいておりました。その講座は技能講習と呼ばれるキャリコンの実技に関する能力向上を目的としているのですが、その中であることを感じました。今回はその時のお話です。

■講座で求められること

 その講座は私が提唱している対話技法(ダイアログ・メソッド)をキャリコンに落とし込んだモノで厚生労働省の認可をもらって実施しています。対話技法(ダイアログ・メソッド)についてはこちらをご覧いただくとして、この講座はキャリコンに求められる対話の技術を学び、それを実践することで実際のキャリコンに活かしてもらうことを趣旨としています。

 この講座はまだリリースしてからそれほど日が経っていませんが、お陰様でこれまで多くの方にご参加いただいおります。ただ、申し込みのタイミングによっては人数が少ない回もあります。そんな時は実施する私の気持ち的にもゆとりが出てくるので、参加者とたくさん話をする機会を設けたり、普段講座で話をしないようなことまで盛り込んだりします。

 ちょうど、今回お話しする回も参加人数が少なく数名でした。ですので、講座で話す内容にプラスして参加者の質問や疑問などに答えながら、リラックスしたムードで進めていました。そうしてロールプレイを行う時間になりました。通常であれば参加者同士でペアを組んでBoR(ブレイクアウトルーム)内に入ってロールプレイをやってもらうのですが、その時は人数が少ないこともあり、通常のペースより早く終わることが想定されました。そのため、何か希望することはないかと参加者に尋ねてみることにしました。そうした所、

「学んだことを実演してほしい」

という声をいただきました。

 実はこうした声は結構聞きます。これはキャリコン系講座のような実技講習だと、手本がないとうまくイメージできない方が少なからずおられるからだと思います。また、そうした要望があるにも関わらず、キャリコン系講座の講師の方は指導だけ行い、デモンストレーションをされないケースが多くあるようです。

 ちなみに私は時間があれば極力デモンストレーションをするようにしています。それは自分が講座で説明する内容はデモンストレーションで見てもらうのが一番理解が早いと思っているからです。

 そもそも私が構築している理論や技法は私が実践する中で生み出されたモノなので、当たり前のことですがいつでも実践できます。また実践することによって講座の内容の信ぴょう性を高めることにも繋がりますし、それは講座を提供する講師の実力を知ってもらうこと、要するに口だけではなく実も伴っているということを知ってもらうことにもなるからだと思っています。

 そうして、その回もデモンストレーションで対話技法(ダイアログ・メソッド)を見てもらいましたが、とても参考になったと喜んでいただきました。

■学びの提供を考える

 どの仕事でも同じだと思いますが、提供する側とそれを受け取る側の認識がズレていることは良くあります。

 提供する側が提供するモノが必ずしも受け取る側にとってベストな内容でないことはある訳です。そうした時に提供する側が考えなければならないのは、どうすれば受け取る側のニーズを満たすことができるのかを考えることだと思います。

 それをせずに、単に提供する側の考えを強要すれば良いのか、それとも受け取る側が求めていることに柔軟な対応を取ることなのか。私は後者だと思っています。

 なぜなら、その意識がないと提供する側は独りよがりになってしまい、いつしか受け取る側のニーズが分からなくなり、最後は淘汰されてしまうような気がしているからです。

 そうならないようにするためにも、参加者の求めていることをキャッチし、いつでもそれを提供できるように研鑽を続けていかなければならないと感じました。

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