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第494回 対話のススメ1 -対話技法(ダイアログ・メソッド)の基本概念

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 久しぶりに「〇〇のススメ」シリーズを書こうと思いました。この「〇〇のススメ」シリーズではある一つのテーマを集中的に書いており、私の中で一つの発表の場だと思っております。

 約4年ぶりとなる「〇〇のススメ」ですが、今回は「対話」について取り上げます。第1回は対話で用いられる技術である対話技法(ダイアログ・メソッド)の基本概念をご紹介いたします。

■対話とは?

 Wikipediaによると、対話とは以下のように説明されています。

対話(たいわ、英: dialogue, ダイアローグ)とは、直接に向かい合って互いに話をすること。(Wikipediaより)

 つまり、対話とは人と人とが1対1で向かい合い会話をすることです。この時、お互いの話が交錯し合いながら会話が進み、話が深まります。

 対話というのは私たちの生活の中に必ずあり、とても重要な位置を占めます。それは、人は対話によって自分の内面に気づいたり、抱えている問題を解決したりするからです。その最たる例が相談事、コーチング、カウンセリング、キャリコンなどです。このように私たちは普段から対話を通じて人とのコミュニケーションを図りながら日々生活をしています。

 私はコミュニケーションを学ぶ中で自分なりに考え実践を続けてきました。その過程でコーチングの理論を構築しました、また、キャリコンを学び傾聴やさまざまなキャリア理論に触れてきました。そうした中で自分なりの対話の技術をまとめ、体系化しようと考えるようになりました。勿論、ただ単に体系化するだけでは使えないので、日々の実践を積み重ねながら自分なりに効果を検証し、少しずつ組み上げていきました。それがある程度完成しましたので、私はこれを対話技法(ダイアログ・メソッド)と名付けました。

 このコラムではこの対話技法(ダイアログ・メソッド)をご紹介する中で、対話の技術を向上させ、日々のコミュニケーションの効果性を高めていただくことを目的としております。

■対話技法(ダイアログ・メソッド)の基本概念

対話技法(ダイアログ・メソッド)の考え方

 対話とはお互いが言葉を交わし合いながら関係性を深め、問題へのアプローチを行い、解決へと到達していきます。これを技法として捉えた場合、技法を駆使する人と技法を受ける人に役割が分かれます。

 そのため、対話技法(ダイアログ・メソッド)では技法を駆使する人が、対話を進行させるさことで対話の目的を実現させていきます。つまり、対話技法(ダイアログ・メソッド)は対話を行う2名がイーブンの関係ではなく、対話技法(ダイアログ・メソッド)を使う人が対話の流れを作り、対話を進めていくことを想定しています。

対話技法(ダイアログ・メソッド)の構成要素

 対話は相手の話を「聴く」ことと、相手に話を「伝える」ことに分かれます。そして、対話の目的を実現させるために対話の「流れ」があり、問題を解決するための「考え方」が求められます。

 対話技法(ダイアログ・メソッド)ではこの「聴く」「伝える」「流れ」「考え方」に関して、それぞれ固有の技法でアプローチを行います。その結果、対話全体に対して働きかけを行うことになり、対話の目的を達成させることができるようになります。まとめると以下のようになります。

「聴く」技術
「対話」を構成する「聴く」ことに関する技術。聴くことによる場の形成や、傾聴技法などを指す。


「伝える」技術
「対話」を構成する「伝える」ことに関する技術。伝えることによる場の形成や、質問技法などを指す。


「流れ」の技術
「対話」を構成する対話の「流れ」に関する技術。問題を捉えるための対話の進め方(システマティックアプローチモデル)などを指す。


「考え方」の技術
「対話」において問題を解決するための「考え方」に関する技法。問題の本質を捉える上で有効な考え方(論理療法や7つの習慣など)などを指す。

 実際には細かな部分を加えるともう少しボリュームが大きくなるのですが、通常の対話を考えた場合、この4つの領域で凡のことは事足りるのではないかと思います。

対話技法(ダイアログ・メソッド)の領域

 対話技法(ダイアログ・メソッド)はその構成上、有効に働く領域は主に以下を想定しています。

  • 問題解決
  • 目標設定

 これらは明確なゴールがあり、そのゴールに対して対話を進めていくという特性があります。一方で、

  • 目的のない雑談

などでも対話技法(ダイアログ・メソッド)は有効に働きます。この場合は対話を進めていくこと、対話を深めていくことがその目的となるケースが多いと考えられますが、そのような場合においても対話技法(ダイアログ・メソッド)を活用することができます。


 今回は対話技法(ダイアログ・メソッド)の基本概念をご紹介させていただきました。

 この対話技法(ダイアログ・メソッド)は私が日々の実践の中で効果が高いと感じたことを私なりの視点で組み上げたモノです。そのため、実践できることが根底にあります。勿論、コミュニケーションスキルであるため、多少の難しさは伴います。しかし、極力難解な考え方や手法は使わず、誰にでもできる技法で構築しておりますので、もし興味のある方はチェックしててみてくださいね。

 次回は「聴く」技術についてお伝えします!

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