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第546回 話し方について考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 私は研修講師を仕事にしているので、人前で話すことが多いです。元々、あまり緊張をしないタイプなので、人前で上がったりすることがないのですが、その分、大げさな話し方をしたり、笑いを取ったりすることに気後れすることがありません。

 そういえばこのコラムでは傾聴を始めとした聴くことについてはたくさん書いてきましたが、話すことについてはそれほど触れてきませんでした。そこで今回は私が普段から心がけている話し方について書きたいと思います。

■人前で話すときに心がけること~話す内容~

 人前で話をする場合、2つのことを考えておく必要があると思っています。それは、「話す内容」と「話し方」です。相手に何かを話す場合、必ずこの2つを組み合わせて話します。そのため、これから話をすることを相手に受け取ってもらうための内容、話し方を考えなければなりません。

 それでは、まず話す内容から考えてみます。話す内容はこちらが伝えたい内容のことですが、どうすれば相手の心に刺さるのかを考えます。そうした時に、私は2つの方法を使い分けます。

  • PREP法
  • 起承転結法

 どちらも聞かれたことがあるかもしれません。PREP法とは物事を結論から伝える方法の一つです。

Point【結論】:最初に結論を話す

Reason【理由】:結論に対する理由を話す

Example【例示】:具体的な例を示す

Point【結論】:最後にもう一度結論を話す

 PERP法は相手に何かを説明する場合などに多用されます。

 それに対して、起承転結法は物事をストーリー立てて伝える方法の一つです。

起【導入】:話の始まりの部分
承【展開】:話が進み、深まっていく部分
転【中核】:話のクライマックスの部分
結【結果】:話の結果の部分

 起承転結法はプレゼンの時のように相手に何かを伝えたい場合などに多用されます。

■人前で話すときに心がけること~話し方~

 話す内容が決まったら、次はその内容をどうやって話すかです。細かい説明を抜きして言うならば、誰に話してもらいたいかを考えます。TVの司会者やMC、YouTuber、落語家や講談家といった噺家さん、スティーブジョブスやTEDに出てくるようなプレゼンテーションを行う人...、世の中にはたくさんの話し手がおられます。自分の話を一番わかりやすく、そして心に刺さるように伝えてもらえるのは誰の話し方なのかを考えます。

 そうして浮かび上がった人の話し方を真似てみます。最初は気恥ずかしいかもしれません。しかし、それでもその話し方を練習していると、少しずつ話すことに慣れてきます。そうすると、

  • 話のスピード
  • 声のトーン、強弱

といった伝えることの要素に意識が向くようになります。意図的に話すスピードを上げてみたり、声のトーンを下げてみたりすることで、会話に抑揚を持たせることができるようになります。それができてくれば、

  • 身振り
  • 視線
  • 表情

などノンバーバル(言葉以外)の部分にも少しずつ意識を向けていきます。そうすることで、ただ話すだけではなくこちらの話に引き込む話し方が少しずつ備わってくるようになります。

 ちなみに私は表現を重視する話し方をしており、話のスピードを大きく変えたり、身振り手振りを大きくしたり、裃(かみしも)を切って話をしたりします。こうした話し方は自分なりに試行錯誤して作り上げたのですが、研修などで参加者の方からも結構好評をいだだいており、私個人も気に入っているので今はこの話し方を多用しています。

■自分の話し方を持とう

 対話において傾聴が重要である考えは今でも変わりませんが、それでも時と場合によっては話すことも重要になる場合があります。特に話し方というのは個性が出ますので、自分なりの話し方を持っておくことで個性を発揮することができるのではないかと思います。

 また、話すことというのは自分を主張することでもありますので、もし良かったら、この機会に自分なりの話し方について考えてみてはいかがでしょうか。その話し方はあなたを表現する一つの武器になるかもしれません。

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