第540回 主体的であるとは?
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
最近7つの習慣ネタが続いていますが、今回も7つの習慣ネタです。7つの習慣を実施する上で土台となる習慣があります。それは第1の習慣「主体的である」なのですが、ワークセッションを実施しているとこの「主体的」という言葉を取り違えている方が結構おられることに気づきます。
そこで今回は、7つの習慣における「主体的である」とは一体どういうことなのかについて書いてみます。
■第1の習慣「主体的である」
第1の習慣「主体的である」を考える上で「主体的」とはどういうことかを知る必要があります。第1の習慣「主体的である」は過去のコラムでもご紹介していますが、その内容を一部抜粋します。
例えば、目の前に人がいるとします。その人は手にゴムボールを持っています。そのゴムボールをあなたに見せつけ、「行きますよ」といってゴムボールをゆっくりあなたにほおり投げてきました。あなたならどうしますか? 恐らく、投げられたボールを無意識に受け取ろうとするのではないでしょうか。その「ボールを取る」という行為は反射的に反応しています。主体的とはその逆で自らの意思で行動することをいいます。
「主体的」と聴くと、ポジティブに動くとか、自発的に行動するとか、そのようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、7つの習慣における「主体的」は少し違います。私は以下のように考えております。
自分の置かれている状況から最適な行動を選択すること
この言葉を理解する上で、「主体的」の反対の言葉になる「反応的」がどのような状態かを考えてみます。「反応的」とは私たちが受けた何かしらの刺激に対し、本能や感情の赴くままに行動することです。言い換えるならば「刺激即反応」という状態ですね。
主体的はこの逆で、刺激を受けても即反応するのではなく、行動を一時停止し、その間に自分にとって最適な選択を選びその上で行動します。このように、自分の受けた刺激に対し自分自身で考え、最適な行動を選択し、行動に移すことが7つの習慣における「主体的」な状態です。
■土台の習慣
7つの習慣において、第1の習慣は「土台の習慣」とも呼ばれています。これは第1の習慣の実践が全ての習慣の土台、ベースになるからです。第1の習慣の上にすべての習慣があると言っても過言ではありません。そして、これは7つの習慣の習慣名にも表されています。
第1の習慣「主体的である」
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」
第3の習慣「最優先事項を優先する」
第4の習慣「Win-Winを考える」
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」
第6の習慣「シナジーを創り出す」
第7の習慣「刃を研ぐ」
これらの習慣名をよく見ていただくと分かるのですが、第2~7の習慣は何かしらの行動を表していることに対し、第1の習慣は「~である」という断定の状態を表しています。第1の習慣は原著では『Be Proactive』と表現されており、これを直訳すると「積極的になる」になります。このように原著においても状態を表す言葉になっており、他の第2~7までの習慣と少し表現の仕方が違います。
このことから、第1の習慣は「主体的」という状態を表しており、それは7つの習慣を実践することができる状態であることを表しています。7つの習慣の実践は普段の私たちが持つパラダイムを効果性の高いパラダイムに変えていくことを目指します。そのためには刺激即反応という反応的に行動をしていたのでは到底習慣を変えることができないため、どうしても主体的である必要があるのです。
だから第1の習慣は「主体的である」という状態を表す習慣になっており、それが「土台の習慣」と呼ばれる所以でもあります。
■主体的であろう!
そんな訳で今回は第1の習慣「主体的である」の「主体的」とはどういうことなのかについて書いてみました。7つの習慣の実践に何より必要となる「主体的」という状態をつくること、これが7つの習慣を実践するスタートラインだと私は考えています。
「主体的である」状態を創り出すことが私たちの人生の効果性を高める第一歩になります。興味のある方はぜひ実践してみてくださいね。