第537回 変化を受け入れる
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
過去のコラムでもお話ししましたが、最近はプロマネに関する仕事が増えてきました。といっても実際の現場でプロマネとして復帰する訳ではなく、プロマネを育てる側の仕事が増えてきているという話なのですが、その流れでPMI(プロジェクトマネジメント協会)認定トレーナーの資格を取ろうと考えています。
以前であれば絶対にこんなことはしなかったのですが、こうしたことを受け入れられるようになったのも私なりの変化の表れなのかもしれません。そこで、今回は変化を受け入れることについて書いてみました。
■プロマネ関連の仕事をやろうと思った訳
私はITエンジニアを引退してから、ITエンジニアの仕事はやらないつもりでいました。その流れで私はほとんどIT系の技術や知識に関する研修やトレーニングはやっていませんでした。勿論、プロマネもそうです。それは、ITエンジニアを職業を引退した時の私なりの覚悟だったのですが、ITエンジニアに戻れる道を作ってしまうと、これから進もうとするキャリコンやファシリテーターといった仕事に対して本気で取り組めなくなると考えたからです。私なりに退路を断ってやりたかったからでした。
あれから15年以上の月日が流れましたが、一度もITエンジニアに戻ることはなくキャリコンやファシリテーターとして仕事をさせていただくことができております。
しかし、最近になってプロマネを育成する仕事に携わることが増えてきました。正直、最初は後ろ向きでした。だってITエンジニアを引退し、二度とそこには戻らない覚悟でこの業界に入ってきたのに、またそこに戻るのか? という想いがあったからです。ただ、そうは言ってもオーダーはオーダーなので自分の後ろ向きな気持ちはひとまず置いといて、プロマネのことについて学び直す日々が続きました。
そうしていると、少しずつ昔のプロマネをやってた頃の感覚が戻ってきました。プロマネをやっていて楽しかった思い出はほとんどなかったですが、それでも印象に残る案件などをチラホラ思い出すようになり、ちょっとずつプロマネの感覚が蘇ってきました。それらを整理しつつ、最新のPMBOKの情報を吸収するなどをしている内に、自分のプロマネに対する捉え方が変わってきたことに気づきました。
私にとってプロマネに関わる仕事は、以前ご紹介したWill-Can-Mustフレームワークで言えば、Can(できること)、Must(やらなければならないこと)は含まれていますがWill(やりたいこと)ではありません。しかし、プロマネ育成のニーズは高い割に専門で育てる人が少ない現状があります。それは「プロマネ経験者」かつ「PMPなどの資格ホルダー」かつ「研修トレーナー」という人材が少ないからでもあります。
一応、私はそれらをすべて満たしています。だからプロマネ育成のオーダーが来るのですが、それは言い方を変えると、プロマネ育成が今の私に求められていることだと思うのです。
私がこれまでやってきたキャリコンやファシリテーターの仕事は人を育てることが目的にありました。それでは、プロマネ育成はどうか? 結局これも人を育てることに何ら変わりがありません。それに気づかなかったのは、私が「ITエンジニアの仕事には二度と戻らない」というバイアスを持っていたからです。
そのことに気づいてから私は積極的にプロマネ育成に関わることを決めました。そして、どうせやるならとことんやろうと思い、PMP試験の公式認定トレーナーの資格を取ろうと思い、現在勉強をしています。。。
■変化を受け入れる覚悟を持つ
私は既に人生の後半に入っていると思います。私は働けるだけ働きたいと思っていますが、それでもいつまで働けるか分かりません。身体も少しずつガタが来るようになり、だましだまし仕事をしている所もあります。そう考えると、私に残されている時間は有限なのだと感じます。そんな中にあって、私ができることは何か? それは。
求められていることを行うこと
のように感じるのです。自分で仕事を選り好みするのも悪くはありません。しかし、ニーズがありそこに何かしらの想いが込められている仕事であるならば、それは取り組む価値があるような気がするのです。
そして、それは変化を受け入れる覚悟を持つことで現れてくる世界のように思います。頑なに自分の世界を守り、変化を拒み続ける人生もあるでしょう。それが悪い訳ではありません。しかし、私は変化を受け入れる人生を選びたいです。なぜなら、その選択は私にやれることが増やしてくれるからです。
恐らくこれからも時代の流れによって私たちの環境は大きく変わっていくことでしょう。しかし、常に変化を受け入れる覚悟を持つことで、これから先の時代を生きていきたいと、私は思います。