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第532回 最近のリーダーシップについて考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 いつの時代でもプロマネが不足していることは良く言われており、それは今でも続いています。そういったこともあってか最近はプロマネについてレクチャーすることが増えてきました。私自身ITエンジニア時代に一番時間を割いていたのは恐らくプロマネ業務だったと思います(かなり昔に取ったモノですがPMPも持っています)。

 そんな中、昨今のリーダーシップについて色々と考える機会がありました。それは今の時代に即したリーダーシップを考えるということでもありますが、考える中で色々と見えてきたことがありました。そこで今回は最近のリーダーシップについて書きたいと思います。

■リーダーシップとは

 リーダーシップをWikipediaで調べてみるとこんなことが書かれていました。

リーダーシップ(英語: leadership)とは、指導者としての能力・力量・統率力。(Wikipediaより)

 まぁ、そうっちゃーそうですよね。。。ただ、これだと言葉が足りないのでIT業界のシステム開発プロジェクトに当てはめてみるとこのような感じでしょうか。

プロジェクトを完遂させるために、自らの力量を用いてメンバーのポテンシャルを高め、プロジェクトを推進させゴールに到達させること

 リーダーシップを発揮しているリーダーにはカリスマ性があり、メンバーが信頼を置き、そして何よりプロジェクトに活気がある。そうしたプロジェクトの中心にリーダーがおり、プロジェクトを前に推し進め、ゴールまで到達させることができる。大体リーダーシップを発揮させるとこんな感じになるのではないでしょうか。

■リーダーの今昔

 私がプロマネをやっていたのは1990年~2000年代くらいだったので、時代的には少し昔になりますね。その頃のリーダーシップと言えば、リーダーという「人」に依存していたような感じがします。何というか、リーダーの能力に依存すると言えばいいのでしょうか、リーダーのコミュ力、ネゴシエーション力、育成力など、リーダー個人の能力が高ければ高いほどプロジェクトは成功しやすい(と感じられる)風潮があったような気がします。

 ですので、プロマネに求められたのはプロマネとしての経験もさることながら、新しい考え方や思考法、フレームワークなどをたくさん吸収し、多種多様なケースに対応できるスーパーエンジニアを目指すような感じになっていたような気がします。ちなみに、このようなリーダーシップを支配型リーダーシップと呼ぶそうです。

 今にして思えば不要なこともたくさんあったと思いますが、それでもプロマネに求められていることは多く、それはプロマネその人に依存する能力であったことは間違いありません。そういう風潮だったからこそ、プロマネを育成することは難しいと考えられていたのかもしれませんね。

 それでは今のリーダーはどうか? 勿論、リーダー個人に能力が求められている点は変わりません。しかし、今の時代スーパーエンジニアのリーダーが一人いればすべてが解決するような状況ではなくなってきています。それは時代の流れとともに複雑に絡んだ問題や難易度の高い問題などが現れるようになり、とてもリーダー一人の手に負える代物ではなくなってきたからです。

■サーバントリーダーシップ

 それでは、今の時代に求められるリーダーシップとは何か? それはサーバントリーダーシップと言われています。サーバントとは執事と訳されますが、執事のように振舞うリーダーのことをサーバントリーダーと呼びます。これって一見するとメンバーに対して執事のように媚びへつらうリーダー像を思い浮かべてしまいそうですが、実際には違います。

 サーバントリーダーとは、プロジェクト全員の方向性がゴールに向かっており、メンバーの意識が高い状態にある中で、リーダーはサーバント(執事)役としてメンバー一人ひとりの可能性を引き出すように振舞います。その結果、リーダー一人では対応できない難題に対し、プロジェクト全体の力で解決していきます。このように個から全体を見渡し、プロジェクトを推し進めていく執事的な役割を担うのがサーバントリーダーなのです。このようなサーバントリーダーは旧来の支配型リーダーシップと違い支援する側に回るため、支援型リーダーシップと呼ばれます。

■サーバントリーダーシップと貢献

 実はこのサーバントリーダーシップについては第7の習慣の続編にあたる第8の習慣で出てきます。第8の習慣についてはこちらをご覧いただければと思いますが、実はPMBOK最新版である第7版にも書かれています。

 PMBOKは第7版になりこれまでの内容から大きく様変わりしています。第6版まではプロセスを重視していたことに対し、第7版では原理原則を重視するようになりました。ただ、第7版になったからと言って第6版までの考え方が否定されている訳ではなく、これらは共存の関係性にあります。

 つまり、第8の習慣においてもPMBOK第7版においてもサーバントリーダーのことが謳われています。それは、サーバントリーダーがこれからの時代に求められるリーダー像を表しているような気がします。

 そして、サーバントリーダーにおいて最も大切な要素を私は貢献だと考えます。貢献についても過去のコラムで書いていますが、

力を注ぐことで自分の喜びになること

が貢献の本質だと考えています。こういったマインドを持ちプロジェクトに対して貢献することができる人材が、これからの時代には求められているのかもしれませんね。

Comment(2)

コメント

ちゃとらん

リーダーシップ論は、なかなか奥が深いです。


『サーバントリーダー』ですが、『マネージャー』みたいなものでしょうか?ここで言う『マネージャー』とは、管理者という意味より高校の体育会系にいる、女子マネージャー(女子に限定しているのではなく、願望に近い…)の役割に近い気がします。


となると、チームの目標設定は監督とかコーチとかが担うのが良い気がします。


というのは、チームに貢献(幅広く、スケジュール調整や人員確保、他部署との交渉など)する役割は必要ですが、自分で何もしないリーダーに統率されるというのが、気になります。
監督、コーチは、一応昔はそれなりに現役時代に活躍していた実績があり、『出来ない』のではなく『行わない』人が、裏方でチームをサポートしている…なら、ついていこうという気になると思います。


現役時代に活躍していた実績(スーパーエンジニアとまで行かなくとも優秀なエンジニア)があっての裏方であり、いきなり裏方のみで、リーダーと名乗るのは厳しい気がします。


という事は、サーバントリーダーを目指すには、優秀なエンジニアになる(であった)必要がある…という結論に至らないでしょうか?


※ サーバントリーダー論は賛成です。ここで述べたのは、その育成方法についてです。

キャリアコンサルタント高橋

ちゃとらんさん


コメントありがとうございます。


リーダーシップの育成については色んな考え方があると思います。
これはサーバントリーダーに限った話ではないですが、リーダーシップをどのように身につけていくかは、その要素をどのように身につけていくかだと思います。
ちなみに、サーバントリーダーシップにおいては「スピアーズによるサーバントリーダーの10の特性」というモノがあり、


1. 傾聴
2. 共感
3. 癒し
4. 気づき
5. 納得
6. 概念化
7. 先見力
8. 執事役
9. 成長への関与
10. コミュニティづくり


がサーバントリーダーに求められる要素なのだそうです。


これら10の特性を身につけることがサーバントリーダーシップに求められることだとすれば、私自身はこの特性をどこで身につけても構わないと思っています。

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