第515回 Zoom研修を考える・その4
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
このコラムでは時々Zoomを使った研修のトピックス的なお話をさせていただいております。これは、私が普段からZoomを使ったオンライン研修を行っており、その中で色々と気づきがあるからなのですが、今回も1つネタを持ってきたのでご紹介したいと思います。
■効果的なブレイクアウトルーム(BoR)の使い方
Zoomの特徴的な機能の一つにブレイクアウトルーム(BoR)があります。一言で言えばサブルームをつくる機能で、このサブルームの中でディスカッションをしたり、画面共有をしたりすることができます。サブルームは他のルームとの干渉を受けないため、メインルームや他のサブルームで交わされる会話や画面共有の内容は基本的にシェアされることはありません(最近のアップデートでメインルームの画面共有情報をサブルームに共有する機能が追加されました)。
このBoRを研修で使おうとする場合、一般的にこのような使い方が考えられます。
- 特定の時間だけ自動生成されるBoRをつくる
- メインルーム~サブルームへの移動は自動で行われる
こういった使い方をすることで、研修中のワークやディスカッションをサブルームで行い、そこで検討した内容をメインルームに戻って発表してもらうといったことができるようになります。また、メインルームからサブルームへの移動を自動で行うことで参加者の負荷を下げるという利点も考えられるため、Zoomに慣れていない参加者への配慮にもなります。
私もZoomを使ったオンライン研修やミーティングに参加させてもらうのですが、どの方もBoRについては概ねこのような使い方をされています。恐らく、こうした使い方がデフォルトになっているのかもしれません。。。
しかし、最近はちょっと違う使い方をしています。それは、サブルームを研修中常設してしまうのです。そして、メインルームとサブルームの行き来を自動ではなく参加者自身に操作してもらうようにしています。
一見すると不自由な使い方のように見えるのですが、実はこれがとても効果的に働くことが分かってきました。というのも、メインルームとサブルームの行き来を手動にしたことで参加者の自発的な参加が促されるようになったのです。また、サブルーム間の移動も自由に行えるようにすることで、参加者自身がどのルームに入るかを考えるようになり、参加者同士の繋がりを意識するようになってきたのです。これは思いがけない効果でした。
更にサブルームが常設されたことで、このサブルームに専用のホワイトボードを常設しておくことができるようになりました。ホワイトボード機能についてはこちらのコラムをご参照いただければと思いますが、このホワイトボードがとても良い働きをしてくれることも分かってきました。
各サブルームにホワイトボードを常設するためには、専用のホワイトボード用PCをサブルーム毎に1台ずつ用意しておかなければなりませんが、これにより各サブルームでホワイトボードが常設された状態になるので、参加者はいつでもそのホワイトボードに書き込んだり、ホワイトボードの情報を保存することができるようになります。
また、参加者がメインルームに戻ったとしてもホワイトボード用PCはサブルームに残ったままなので、参加者が再びサブルームに戻ってくると以前のホワイトボードの情報がそのまま残っており、そこから継続して使うことができます。勿論、ホワイトボードは何枚でも新たに追加できますし、過去の情報に戻ることも可能です。これにより、過去に行ったワークなどを振り返りながら新しいワークを行うといった動きを考えることができるようになりました。
これまでのBoRはワークが終了したら部屋がなくなってしまうため、サブルームで作ったホワイトボードは消滅してしまうという欠点がありました。しかし、サブルームを常設したことでこの問題がクリアにされ、集合研修における実際のホワイトボードや模造紙に近い使い方ができるようになりました。これはオンライン研修におけるとても大きな進歩だと、私自身は考えています。
■オンライン研修の効果性を高める
私はオンライン研修を集合研修と同等のレベルまで引き上げることを目標において研修を行っています。今回、新たなBoRの使い方が見つかったことで、受講者の自主的な参加を促す仕組みが生まれました。また、ホワイトボードの使い方を集合研修と同じようなレベル感まで引き上げることができるようになったと思っています。
こうやって一つずつ自分で模索しながらオンライン研修の姿を考えて続けてきましたが、私が理想とするオンライン研修の姿まで後一歩の所まで来たと思っています。現状、その実現にはZoom側のアップデートを待たなければならないと考えていますが、ひょっとしたら工夫を凝らすことで実現できることがあるかもしれません。
ですので、これからも試行錯誤をしながら理想とするオンライン研修の姿を模索していこうと思います。また何か新たな情報が見つかりましたら、報告させていただきますね!