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第488回 失敗について考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 実は最近スランプだったりします。どうも頭と身体がちぐはぐになっているというか、空回りしているような感覚に襲われることが多くなっています。私なりに考え行動をしているつもりなのですが、どうも今一つパッとしません。というか、更に深みにはまってしまっており、失敗が増えてきているような気がしています。そんな中で私なりに考え気づいたことがありますので、今回はそのことについて書きます。

■最近、物忘れが酷いんです...

 私のスランプの最も大きな要因は物忘れです。最近特に多くなってきたような気がするのですが、以前、人から言われたことややっておかなければならないことなどがスコーンと抜け落ちてしまっているのです。そのため大きなミスをしてしまうことが何度かあり、その度に平謝りしてしまいました。

 勿論、忘れないようにするためにメモを取る機会は増やしています。それでも、全ての出来事に対してメモを取れているわけではないので、時には失念してしまっていることもあり、同じミスをしてしまうことがあった場合でも過去に受けた指摘そのものを覚えてなかったりすることもありました。本当に申し訳ないことをしたと思っており、自責の念にかられてしまうこともありました。

■失敗した時の行動を考えてみる

 私の場合、失敗した時にやってしまいがちなのが以前のコラムでも書いた「自叙伝的反応」でした。その時の内容を再掲します。

自叙伝的反応というのは、自分の過去の経験、つまり「自叙伝」を相手の話に重ねてしまう反応のことで、

評価する(相手に同意するか反対する)
探る(自分の視点から質問する)
助言する(自分の経験から助言する)
解釈する(自分の動機や行動を基にして相手の動機や行動を説明する)

という行動を指します。これらは私たちが普段から行うごく一般的な反応で、特段悪い訳でもありません。だから、誰もが普通に行っていますし、勿論私もやっています。

 失敗した時に行う自叙伝的反応というのは、単なる言い訳です。自分の行いを正当化しようとする振る舞いです。しかし、結局それはあまり意味をなさないことが分かってきました。

 なぜなら、失敗した後の言い訳というのは自分のことを正当化し相手に自分の失敗を認めてもらう行為ですが、その時の相手の気持ちや心情を度外視していまっているからです。相手に「それじゃー、仕方ないよね」とこちらは言わせたいのですが、それを言う相手はどんな心情なのかを無視してしまっているのです。その結果、自分だけが助かれば良い的な自己保身、自己中心的な行動に終始してしまっています。

 こちらが失敗した時、まずすべきことは相手のケアだと思います。こちらの失敗によって相手がどのような状況に置かれているのか、どのような気持ちになってしまうのか、その点をちゃんと受け止める必要があると思うのです。それをするためには自叙伝的反応があるできません。自叙伝的反応を徹底的になくし、その上で相手への誠意ある謝罪、そして具体的な対応策、こういったことをすべきではないかと思います。

■失敗した後の行動を考えてみる

 それでは、一度失敗した後、人はどのような行動を取るのでしょう? 私の場合「失敗を繰り返さない」行動を取ろうとしていました。一見すると当たり前のことですが、私の場合、結果的にこれがうまくいかない原因なのではないかと思うようになりました。失敗を繰り返さないようにするあまり、失敗を繰り返してしまう、そんなことが起こってしまっていました。

 ITエンジニアの時分に良く失敗をする人を見てきました。そんな人に対してどうすれば失敗をしないようになるのかを一緒に考えていたことがありましたが、ちょうどその時失敗していたITエンジニアの方の気持ちが少し分かったような気がしました。

 失敗をしようとしないで行動するということは、結構恐怖が付きまといます。それは「次、同じ失敗をしてしまったらどうしよう」などネガティブなイメージを持つからです。その結果、失敗を回避する行動に意識が向いてしまい、結果、本質から外れた行動を取ってしまい同じミスを繰り返してしまうことが私にはありました。

 そう考えると、失敗した後の行動で考えなければならないのも、やっぱり相手のことだと思いました。相手が何を望み、何を求めているのか。そこを正しく把握し、その上で自分の行動を考えることが何よりも大事で、それが結果的に失敗を減らすことに繋がるような気がするのです。本来はそうした物事の本質を捉えた行動を真っ先に考えるべきだったような気がします。

■失敗は岐路に立つということ

 失敗は誰にでもあります。誰でも失敗することはあります。だからこそ「失敗を糧にして次に進もう!」といった言葉もあります。

 しかし、失敗は岐路に立たされている状態です。そこには2つの道があります。一つは失敗をクリアして次に進む道、もう一つは同じ失敗を繰り返し元いた場所に戻る道。どちらの道を進むかでそれから先の人生が変わってくることもあるでしょう。

 誰しも、失敗をクリアして次に進む道を選びたいモノです。しかし、そのためには自分の失敗に対してちゃんと見つめ直し、何をしなければならないのかを考え直す必要があります。

 単に「失敗しない」という自分のことだけに目を向けるのではなく、自分の周りの人たちに目を向けるようにする。そうすることで自分本位の考え方から他人本位の考え方となり、自ずと失敗に対する捉え方も変わってくるのではないかと思います。

 そんな私は未だスランプの中にいますが、このことを忘れず少しずつでも前に進んでいけるようにしたいと思っています。

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