第448回 意図を考える
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
私たちは普段から仕事においてもプライベートにおいても何かしらの言動をしています。それが他人に対して向けられている場合、そこに必ず何かしらの意図が見え隠れしています。私はその意図をうまくつかむことができれば、対人関係を向上することができるのではないかと常々思っています。今回はそんなお話です。
■すべての行動に意味付けをする
例えば、小さい子が親に向かって自分が描いた絵を見せようとします。その時、子どもは躍起になって親に自分の絵を見てもらおうとします。この時の子どもは自分が描いた絵をほめてもらいたい、すごいと言ってもらいたい、そんな想いが見え隠れしそうですね。
また、会社で自分の功績をアピールする社員がいたとします。彼(彼女)は自分の功績を上司にアピールすることで上司に認めてもらおう、気に入ってもらおうとしているのかもしれません。もしくは、何かの褒章、昇給、昇格などを期待しているのかもしれません。
こういった行動は老若男女問わず、いつどこででも起きています。そう考えると、対人関係におけるすべての行動には何かしらの意味が込められているといっても過言ではないと思います。だとすれば、それを読み解くことができれば、相手がその行動を取った理由がわかるようになります。
この考え方はキャリコンにもあります。それは過去にもご紹介したナラティブアプローチやナラティブ・キャリアコンサルティングと呼ばれたりするのですが、過去のコラムから抜粋してみます。
ナラティブとは日本語で「語り」と訳される言葉で、語り手が主人公となって話される内容のことです。似たような言葉にストーリーという言葉がありますが、こちらは「物語」と訳され、予め決められシナリオに基づいた話のことを言います。ナラティブとはストーリーと違い明確なシナリオはありません。語り手が自由に語ることで、その内容に対して後から意味、意図、意義などを見出していきます。
これが何を意味しているのか?ですが、私たちの行動や人との関わりには何かしらの意味、意図、意義を持っています。そして、その行動や人との関わりが実生活における私たち自身を作り上げています。だとすれば、私たちの行動や人との関わりを紐解くことで、その人が抱える想いや気持ちを再構築できるのではないか?と考えます。こういった考え方は社会構築主義とも呼ばれるのですが、これをキャリコンに応用したのがナラティブアプローチ、ナラティブ・キャリアコンサルティングなどと呼ばれます。
ナラティブ・アプローチはキャリコンの範疇ですが、別にキャリコンに限定せずともこの考え方は使えます。例えば、相手の言動に対して1つずつ意味づけをしていきます。
「あの人、なんであんなことを言ったんだろう? 」
「あの人、いつもわざわざ回りくどいことをするんだろう? 」
キャリコンと違うのでひょっとしたら意味、意図、意義などが違ってくる可能性はありますが、それでも相手の言動の意図を想定することはできます。それができれば、後はそこから自分がどう動くのがベター、ベストなのかを考えることができるようになります。それは相手との交渉ごとに使えるかもしれませんし、冒頭お話しした対人関係を向上させることに繋がるかもしれません。
私は普段からナラティブアプローチを使うせいか、これが癖づいてしまっているみたいで、基本いつもこのように考えて行動していますが、お陰様で今の所対人関係は良好な方だと(自分では)思っています。。。
■なんで、こんなことを書いたのかと言いますと...
実は近々、コラムニスト同士の夜会(=飲み会)が開かれるみたいで、私もそこに参加させてもらう予定でおります。で、その時にちょっとしたお題がありまして、そのお題に対するアンサーコラムが今回のネタだったりします。まだ始まっていない夜会のアンサーコラムを書くのは順番が逆のような気がしますが、ひょっとしたら仕事の関係で参加できない可能性もありまして、先にコラムで私の考えを書かせてもらいました。。。
一応、ネタバレになってしまってはいけないので現段階でお題は伏せさせていただきますが、夜会が終わりましたらきっと他のコラムニストさんがネタにされると思います。それをご覧いただけると、このコラムの意図を理解していただけるのではないかなと思います。