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第447回 ふと時間が空いた時の使い方

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 ふと時間が空いた時って何をされていますか? 私は普段からスケジュールを立てる時は「大きな石」から立てるようにしているのですが、こうしたふと時間が空いてしまうと、何をしたら良いかわからなくなってしまうことがありました。そこで私なりにふと空いた時間を有効に使う方法を考え実践しています。今回はそんな時間の使い方について書いてみます。

■大きな石とは

 「大きな石」は7つの習慣の第3の習慣「最優先事項を優先する」に出てくる比喩表現で、「重要だけど緊急ではないこと」を指しています。7つの習慣では時間の使い方について「時間管理のマトリックス」という考え方があります。これは過去のコラムに書いていますが、以下のようなことです。

すべての仕事を緊急度と重要度の組み合わせて考えてみるとどうなるでしょうか。これは7つの習慣の第3の習慣にある「時間管理のマトリックス」という考え方ですが、すべての仕事を緊急度と重要度で捉えるとことのように分類されます。

緊急度=高い、重要度=高い
緊急度=低い、重要度=高い
緊急度=高い、重要度=低い
緊急度=低い、重要度=低い
 これをそれぞれの領域に分け、「緊急度=高い、重要度=高い」を第1領域(Q1領域)、「緊急度=低い、重要度=高い」を第2領域(Q2領域)、「緊急度=高い、重要度=低い」を第3領域(Q3領域)、「緊急度=低い、重要度=低い」を第4領域(Q4領域)と呼びます。そして、Q1領域を必須の領域、Q2領域を価値の領域、Q3領域を錯覚の領域、Q4領域を無駄の領域と呼んでいます。これらを表で表すとこのようになります。

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 7つの習慣ではこの中の第2領域(重要だけど緊急ではない領域)に意識を向けます。一般的に第2領域にはこのようなことが含まれています。

  • 勉強や自己啓発
  • 体力づくり
  • 部下の育成
  • 家族との時間

 どれも緊急ではないけれど重要な内容であることがお分かりいただけると思います。こういう第2領域の内容というのは緊急ではないため急いでやらなければならないということはありません。しかし、重要ではあるためいつかはやらなければならないことです。そのため、ほったらかしにしておくといつの間か第1領域(緊急かつ重要である領域)になってしまうのです。

 そこで出てくるのが「大きな石」という考え方です。こちらも過去のコラムから引用してみます。

このQ2領域の活動を増やすための考え方に「大きな石」があります。例えば、ここにバケツがあるとします。このバケツは私たちの1日の時間を表しています。そして、そのバケツにはたくさんの石が入るようになっています。この石は私たちの普段の活動を表しています。「大きな石」もあれば「小さな石」もあります。ここでいう大きな石はQ2領域の石、小さな石はQ3領域、Q4領域の石だとします。

 例えば、普段から第3、4領域に意識が向いていると、小さな石がどんどんバケツの中に入ってきます。そうして、いざ大きな石である第2領域に取り組もうとしても、既にバケツが小さい石でいっぱいになっているので入らず、結果的に第2領域のことはできず終いになり、それはいつか第1領域になって自分に返ってきます。

 そうならないようにするためには、第2領域である大きな石を最初にバケツの中に入れておき、その上で小さな石である第3、4領域をを入れるようにします。万が一、バケツがいっぱいになっても小さな石なら溢れてしまってもそれほど影響はありません。こうすることで、自分がやらなければならないことを忘れず、漏らさず行うことができるようになります。

■ふと空いた時間に何をやりますか?

 それでは最初の話に戻り、ふと空いた時間ができた時に何をやるかを考えてみると、やっぱり大きな石を入れるのが良さそうに思います。しかし、この考え方は最初に大きな石を入れるとあるように計画ありきで考えます。ふと空いた時間は突発的な出来事なので、ここに大きな石を入れるのはちょっと工夫がいりそうです。

 そこで、私は「大きな石リスト」を持つようにしています。これは、予め時間が空いた時に行う大きな石を準備しておくのです。例えば...

  • 身体を休める
  • スマホに読みたい本を電子書籍として入れておく
  • 自分のこれからをイメージしてみる
  • 自分の大切な人に連絡を取ってみる

こんな感じです。実はここに書かれてある内容は、全て第7の習慣「刃を研ぐ」内容です。「刃を研ぐ」についてはこちらをご参照いただくとして、刃とは以下のことを表しています。

肉体 運動、栄養、休息など
知性 読書、学習、勉強など
精神 貢献、ミッションステートメントの見直しなど
情緒 信頼残高を高める行為など

 こういったことを実践することで「刃」である私たち自身を研いでいきます。そしてこれらは第2領域にあたるので大きな石なのです。つまり、刃を研ぐ内容をあらかじめ用意しておき、それをふと空いた時間で行うのです。勿論、これらは大きな石なので最初にバケツに入れてしまっても良いのですが、「大きな石リスト」としても用意しておくことで、いつでもちょっとした時間を使って刃を研ぐことができるようになります。私はいつもこの方法で自分の刃を研ぐようにしています。

■限られた時間の中で、私たちはどう生きていくか?

 こういう考え方はその人が何を大切にするかによります。私は効果性の高い生き方をしたいと思っているので、7つの習慣を自分なりに実践していますが、勿論、他の考え方もあると思います。

 しかしながら、私たちに与えられた時間は無限ではありません。限られた時間の中で自分がどう生きていくかを考えたら、こういった時間の使い方はとても大切な気がします。ふと空いた時間は短いかもしれませんが、それが積もり積もるととても大きなことができる時間になるかもしれません。そこを活かすことも、その人が目指そうとするキャリアを実現させるためには有効な手段なのではないかと思います。

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