第259回 オレ色に染まれ!
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
4月の新入社員さん向けの研修が終わりました。私はトレーナーの立場なので、基本教える側の立場ですが、毎年いろんなことを学ばせてもらっています。先日も同じ新入社員研修を担当されているトレーナーの方から言われた一言が私の中に響きました。今回はこのことについて書きます。
■高橋さんの研修って...
その方はこれまでも私の研修にサポートとして入ってもらっているトレーナーで、今回の新入社員研修でもその方と組んで研修をさせてもらっておりました。あるとき、この人からこんなことを言われました。
「高橋さんの研修って、高橋さん色にされますよね」
最初は何のことをいっているのか分かりませんでした。「高橋さん色って? 」とその方に聞き返したところ、こんな答えが返ってきました。
「高橋さんがされる研修って、良くも悪くも受講者が高橋さんに染まるというか、高橋さんの色になっていると思いますよ」
...私が受講者さんを染める? 高橋の色? 今までそんなことは考えたこともなかったので、「考えすぎでしょ」とその時は否定しました。しかし、この言葉がずっと心に残っていたので、改めて考えてみることにしました。
■研修やセミナーで心がけていること
そういえば、私が研修やセミナー、講演などをさせてもらう場合、必ず場の雰囲気を考えるようにしています。受講者さんにリラックスしてもらうにはどういった話をすれば良いか、そのための雑談や小噺にはどんな話がベストか? 大切なことを伝えるときのタイミングや伝え方はどうすれば効果的か? ...確かにこういったことは常に考えていました。
また、私はそれほど器用ではないので、アドリブを効かせたり、即興で何かをするということがあまり得意ではありません。これを言ってしまうとネタバレになってしまいますが、たまに受講者の方から「よくそれだけアドリブで話ができますね」といわれることがあります。しかし、これらは元々話そうと思って準備しておいたネタを、あたかもその場で即興で話をしたように見せかけているのです。。。さらにどのタイミングで話をすれば効果的かをある程度計算して話している部分もあります。
私がこういったことを考える理由は研修やセミナー、講演の効果を高めたいからですが、もっと深堀りするならば、私の話を聴いてもらいたいからだと思います。そしてその先にあるのは、私の話で気づきや感動を得てもらいたいからだと思います。そのように考えると、私は無意識のうちに受講者さんを私の色に染めようとしていることに気づきました。
■オレ色に染まれ!
さらに受講者さんの立場で考えてみると、どういった講師やトレーナーのときにその人に染まるのか? 私はその人のファンになることではないかと思います。そういえば、今回の新入社員さん向けの研修でも何名かの方に「ファンになりました」と言っていただきました。これを7つの習慣的に言えば、その人のスキルや技術といった「個性」よりも、人間力といった「人格」の部分に惹かれるのではないかと思います。
とは言うものの、私の人間力に魅力があるかどうかは分かりません。しかし、私は自分の人間力に魅力を感じてもらえるような人にはなりたいと思っています。そのためには自分の本分である仕事を全うすること、さらに受講者さんのためにできることを考え行動することだと考えています。
そして、こういったことはどの職業でも言えることだと思います。部下やメンバーを抱える方だけでなく、一メンバーとして組織やチームに所属されている方も、組織やチームを自分色に染めるということは仕事をする上で大切なことではないかと思います。さぁ、あなたもオレ色に染めてみませんか!?