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第166回 相手の核心を突く言葉

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 先日、ある方と話をしていたのですが、そのとき私の核心を突く言葉をいわれました。その言葉があまりに確信過ぎたのでかなりビックリしたのを覚えています。そこで、今回は相手の核心を突く言葉について考えてみたいと思います。

■高橋さんって○○ですよね

 その方は私のことを良く知っている方なのですが、ある日その方との会話でこのような話がありました。

「高橋さんは普段はとてもニコニコされていて会話もとても弾むんですが、ふとした瞬間に表情がなくなることがありますよね。なんとなくスイッチが切れたような感じになるというか、無になるというか。普段はそういった姿を表に出さないようにされていると思うんですけどね」

 このことは過去のコラムでも書きていますが、普段の私はどちらかといえば内向的で、大人しいタイプの人間です。ですので、私が人前に立つときには自分なりにスイッチを入れて気持ちを入れてからにしています。私自身は普段からこのことを理解した上で行動しているつもりなので、人前でスイッチを切るようなことはしていないと思っていました。しかし、先ほどの指摘でそうでないことが分かりました。

■核心を突かれたときの心の動き

 このとき、私は2つのことにビックリしました。一つは私がスイッチを入れたり切ったりしていること、もう一つは普段スイッチを切った姿を見せないようにしていること、この二つを見抜かれたことです。ただこのことは既にコラムでカミングアウトしてますし、見抜かれたとしても特に何の影響もないのですが、見抜かれたことにかなり動揺しました。

 これは私の勝手な推測ですが、どのようなことであれ、相手の核心を突く言葉を伝えたとき、少なからず相手は動揺するのではないかと思います。よくテレビドラマなどで核心を突く言葉を相手に投げかけることで、オーバーリアクション気味に相手が動揺するようなシーンがあります。勿論、このようなシーンは敢えて大げさな演出をしているのだと思いますが、ひょっとしたら本人の心の中をうまく表現しているのかもしれません。

 そして、キャリアコンサルティングやコーチングなどでは、こういった相手の核心を突く言葉を探し、積極的に投げかけます。そうすることで相手の心を大きく動かし、相手の行動を変容させようとします。

■相手の核心を突く言葉を探すには

 このような相手の核心を突く言葉ですが、これは相手の話し方や表情である程度掴めることがあります。実際に私がやっている方法は相手の言動に着目するのですが、

  • 表情がなくなる(緊張が解ける)
  • 表情がこわばる(眉間にしわが寄る、口がギュッと閉まる)
  • 極端にその話題を避ける(その話題をしたくない)
  • 極端にその話題を多く振ってくる(その話題を聞いてほしい)
  • 話題の最中に視線の動きが変わる(外を見る、時計を見る)
  • 呼吸のタイミングが変わる(唾をのむ、深呼吸する)
  • 体の動きがせわしなくなる(指の動き、腕組み)

こういったことが頻発する場合、そこに何かの核心が含まれていることが多いような気がします。そのような場合、その人の態度をみながら少しずつ核心に近づけるような質問を繰り返し、ある程度核心が掴めた段階で相手にそのことを伝え、相手の反応をみます。

 大抵の場合、核心が突かれたときはそのことを正直に話をされ、そこから先は堰を切ったように自分の想いを吐露されます。

 しかし、このような核心を突く言葉は非常に強力なので、相手によっては取り乱される可能性もあります。これは私の苦い体験ですが、まだ経験が少なかった時分にある方に核心を突いた言葉を伝えたことがありました。その瞬間、その方は1時間以上泣き崩れられました。その後何とか落ち着かれたので泣き崩れられた訳を聞かせてもらった所、あまりに核心を突かれ過ぎて悲しみの感情がこみ上げてどうすることもできなかったといわれました。こういったことからも、核心を突く言葉は本当にその言葉を相手に伝えても大丈夫かどうかを吟味する必要があると思います。

■相手の核心を突く言葉を使う前に

 今回、私自身が自分の核心を突く言葉を投げかけられ、その威力を感じることができました。私はその威力にビックリしたのと同時に、そのことを教えてくれた相手が凄いとも思いました。そして、それは逆の立場で私が誰かに核心を突く言葉伝えたとき、相手も同じように思っているのかもしれません。

 先ほどの話のように私は相手の核心突く言葉で失敗したこともありますので、この言葉を軽んじているつもりはありませんでした。しかし、今回の件で尚のこと相手の核心を突く言葉にはある種の責任のようなモノが付きまとうのではないか、本当に核心を突く言葉を使って大丈夫なのか、それを熟考した上で使うべき言葉だと思うようになりました。

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