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第163回 EQについて考える

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 ITエンジニアの時分、キャリアコンサルタントになろうと勉強していた頃、EQについて学んだことがありました。EQは心の知能指数と訳されるのですが、最近、EQについて興味深いサイトをみつけました。そこで、今回はEQについて思うことを書きたいと思います。

■EQとは

 EQとは正式にはEmotional Intelligence Quotientといい、日本語に直すと心の知能指数と訳されます。EQによく似た言葉にIQ(Intelligence Quotient)がありますが、こちらは知能を数値で表したモノです。それに対してEQは心の知能(Emotional Intelligence、略してEIといいます) を数値で表したモノです。

 この心の知能についてWikipediaには以下のように書かれています。

心の知能とは、自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能を指す。(Wikipediaより)

 つまり、心の知能とは自分や他人の抱いている気持ち、想いなどを理解し、また、自分の中で沸き起こる喜び、怒り、悲しみ、楽しみといった喜怒哀楽の感情を自在にコントロールする能力のことです。EQはその能力を数値化したモノで、当然数値が高いほど自分や相手の気持ちを理解することに長け、自分の感情をコントロールすることができるということになります。

■感情をコントロールする4つの流れ

 私がこのEQを知ったのは、自分の感情をコントロールする方法を模索していた時期でした。それは、キャリアコンサルティングを行う際、相手の状況によって自分の心が大きく揺れ動いてしまうことに気づいたからです。どんな相手であっても自分の感情をコントロールし、中立の立場で相手に接する方法はないか? その答えが私にとってEQでした。

 このEQで感情をコントールするには4つの段階があるとされています。

  1. 感情の認識
  2. 感情の利用
  3. 感情の理解
  4. 感情の調整

 1番目の感情の認識では、自分や相手がどのような感情を抱いているのかを感じ取ります。相手との対話の中で沸き起こってくる自分の感情や想いを知ることは勿論ですが、相手がどのような気持ちや想いを持っているのかも考えます。

 自分自身の感情を知るには内省がおススメです。今起こっている感情はどこから沸き起こってくるのか? を深く深く突き詰めていくことで自ずと感情の根本原因が分かってきます。

 他人の感情を感じ取るためには表情や仕草に着目する他、言葉の使い方や間の取り方にも注意を払うことで、相手の感情をイメージしていきます。このとき、相手に答えを聞くことはできませんので、あくまで感情をイメージすることを心がけます。

 2番目の感情の利用では、1番目の「感情の認識」で得られた自分と相手の感情から、目的を達成させる上で有効な感情をつくり出し、利用することを考えます。例えば、交渉事で沈んだ雰囲気になってしまった場合、場の雰囲気を切り替えるために敢えて楽しい雰囲気をつくり出そうと考えることです。

 3番目の感情の理解では、1番目の「感情の認識」で得られた相手の感情を理解することです。例えば、相手が怒っている場合、なぜ怒っているのか? その原因を考え、相手に同調し、相手の言動を理解します。また、相手が悲しんでいる場合にも同様で、なぜ悲しんでいるのか? その原因を考え、相手に同調し、相手の言動を理解します。

 4番目の感情の調整では、「感情の利用」でつくり出した自分の感情と、「感情の理解」で得られた相手の感情を踏まえ、具体的にどのような行動をとるのかを調整することです。ここで、初めて相手に対して感情を使ったアプローチが行われますので、つくり出そうとする自分の感情を微調整し、実際の行動に移します。例えば、接客で相手がこちらの対応で腹を立てている場合、

お客様に対する不遜な態度、誠に申し訳ございませんでした。ご立腹されていることは尤もだと思います。ですが、私どといたしましても、お客様に最高の商品をご提供させていただきたい想いから、このような言動をしてしまいました。もし、よろしければ、もう一度お話しさせていただけませんでしょうか?

のように相手にお詫びをした上で、相手の感情に寄り添った言動をするといったことが考えられます。

■EQを習得しよう

 10年以上前になりますが、私はこのEQを「EQ こころの鍛え方 行動を変え、成果を生み出す66の法則」という本で知りました。この本は日本におけるEQ研究の第一人者である高山 直先生が書かれた本でご存知の方も多いと思います。当時この本を読んだとき、自分の感情をコントロールする術はこれだ! と直感し、普段の生活で4つの段階を実践していきました。

 当時、私は「感情の理解」が難しくなかなかできなかった記憶がありますが、それも3カ月ほど継続していると自然とEQの考え方が身体に染みつき、意識せずともできるようになりました。それからというもの、人前であまり感情を乱すということはなくなりました。そして、これは今に至るまで続いています。

 あれからもう10年以上経ち、EQが普段の考え方になってしまっているので、今では特にEQを意識して行動することはなくなりました。しかし、EQは私の考え方の根っこの一つとして大きく根づいています。

 これは私の体験ですが、EQを身につけることでコミュニケーション能力は飛躍的に上がったように思います。特に自分の感情をコントロールすること、相手の感情を理解することで他人との折衝や調整事を苦に思うことが少なくなりました。これはEQの効果が大きいと思っています。

■あなたのEQはいくら?

 そんなEQですが、冒頭お話ししたEQのサイトをご紹介するのを忘れていました。

EQ測定

 このサイトでは10の質問に答えることによってEQが測れるのだそうです。私がやってみたところ、こんな結果になりました。

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 ご興味のある方は、是非サイトを覗いてみてくださいね。

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