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第63回 片方しかない親知らずから学ぶスキルの使い道

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 先日、右上の奥歯が痛み出したので、歯医者に行きました。そのとき、歯医者さんから聞いた言葉がすごく耳に残っているのですが、今回はそのことについて書きたいと思います。

■『この親知らず、役になってないねぇ、抜こうか? 』

 一瞬、歯医者さんのいわれることが理解できませんでした。筆者は右上の奥歯が急に痛み出したので歯医者さんに駆け込んだのですが、歯医者さんに診てもらった所、親知らずの一本前の奥歯が虫歯になっており、これが痛みの元になっていると教えてくれました。また、その後ろにある親知らずにも少し虫歯があり、ほおっておくとこちらも酷くなるだろうといわれました。そんなことを聞かされたら、普通、親知らずと奥歯を治療すれば良いのではと思うのですが、その歯医者さんは親知らずは役になってないので抜いてしまった方が良いといわれたのです。

 筆者はできることなら歯は抜かずに置いておいた方が良いといったことを過去に見てもらった歯医者さんから聞いてましたので、その疑問をぶつけてみました。すると、その歯医者さんはこんなことを教えてくれました。

 本来、歯は上と下がセットになっているからその役目を果たします。高橋さんの場合、右下の親知らずが既にないので、右上の親知らずは本来歯の役目を果たしていないんです。また、親知らずというのは磨き残しの多い歯で、このままだと親知らず自体がひどい虫歯になる可能性もあります。

 今回、親知らずの前の歯が虫歯ですが、この歯を治療するためには親知らずが少し邪魔をしています。決して親知らずを取らないと治療ができない訳ではありませんが、役に立っていない親知らずを残しておくより、このタイミングで親知らずを抜いてしまった方が良いと思いますよ。

 なるほど、歯は上の歯と下の歯がセットになってないと役に立たないのか…。納得した筆者は、その歯医者さんに右上の親知らずを抜いてもらいました。

■親知らずをスキルに置き換えてみる

 この話、非常にタメになることをいってます。例えば、今回抜いた右上の親知らずをスキルに見立てます。そして、既に抜いてしまった右下の親知らずをスキルの使い道に見立てます。そうすると、このスキルは使いどころがないということになります。

 どれだけ立派なスキルをもっていたとしても(立派な親知らずが生えていたとしても)、そのスキルを活用する場所がなかったら(下の親知らずがなかったら)、スキルは使うことができません(モノは噛み砕けません)。

 何かの研修で身に付けたスキルや頑張って取った資格など、身に付けてはみたけれど、一切活用されていないスキルは誰しも少なからず持っていると思います。このようなスキルに対して、私たちはどうすればいいのでしょう?

 抜いてしまった親知らずのようにそのスキルや資格も捨ててしまうのも一案です。でも、これは親知らずではありません。噛み合わせることができないなら、下の親知らずを新たに生やして噛み合わせられるがごとく、そのスキルや資格の活用方法を考えて、使えるようにすれば良いのです。そのスキルはあなたが既に身に付けているモノですので、後はそのスキルの使い道を考えてあげれば、そのスキルはきっとあなたにとって有効なスキルに生まれ変わります。何となく、水平思考っぽい考え方ですね。

水平思考:詳しくは『第37回 四方山話(19) 水平思考のススメ』をご参照ください。

■あなたの歯は健康ですか!?

 今回は片方しかない親知らずから、身に付けているだけのスキルの使い道について考えてみました。とはいえ、本来は上下両方の親知らずがあるに越したことはありません。いい方を変えれば、これから何かしらのスキルを身に付けるのであれば、最初からそのスキルの使い道を考えておいた方が良いということです。これがスキル本来のあり方であり、スキルの健康的(? )な使い方なのかもしれませんね。

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