地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

不協和音を消すために

»

 開発業務の中には、開発部隊だけではなく関係各所と連携を取って行う事案も数多く存在します。よく営業と仲の悪い開発や、デザイナーと仲の悪い開発、またはその逆といった話は同業ならずともよく耳にする話題の一つです。とかくやり玉にあがりやすいのは開発側とも思えるのですが、実態としては人間相手なところですのでどっちもどっちといったところでしょう。

 お互いに協力して目的を達成するために力を尽くすのが本来の姿なのですが、なかなかそう上手くいかないことのほうが多いように感じます。人間的に問題のある場合であれば、まだ上手くいかない事にも納得がいくのですが、仕事が絡まない場合には問題のない相手というのが殆どのケースではないでしょうか。

 例えば、部門間に何とも言えない壁がありうまく協力体制を敷けないという場面は、非常によくあるケースの一つだと思います。またこれは、部門間に限らず設計チームと実装チームや、運用チームと開発チームといった、同じ部門においても違う集団であれば発生しやすいものです。これが異なる会社間であればまだ仕方ない面もあるでしょうが、何故同じ会社にいるにもかかわらず、こうも仲違いしてしまうのでしょうか。

 一つには、互いの事情を理解していない、というのがあるのだと思います。開発側としては、仕様をはっきりとさせる、というのは何よりも優先したいものです。最も避けたいのは仕様が二転三転してしまい、できることもできなくなってしまうことですから、できるだけ早期に仕様を確定してしまいたいと思うのも当然です。
 対して営業側としては、できる限りお客さんの要望を叶えたいと思うところは必ずありますから、多少難しそうな課題においても聞く耳を持つことで、長期的に見ると会社にとってプラスになる場合というのは多々あります。

 このような理由もあることから、お互いに自分たちにとってメリットがあるように考えたうえでの行動ですが、立場によってそれは大きく動きが異なるというのが良くわかります。

 実際問題として、ではどうすれば、というところになるのですが、極論からすれば「自分達から相手に歩み寄る」以外に良い方法はないように思われます。多くの方が理解しているとは思うのですが、「なぜこちらの考えを理解してくれないのか」と思う場面は多々あれども、「こちらの考えをこれほどまで理解してくれるのか」と思える場面は極々僅か、もしくは皆無に等しいです。相手の考え方を変えることは、できそうに思えてほぼほぼ不可能に近い事なのです。

 これがお互いに意思疎通しあう仲なのであれば、相手の考え方を変えることは可能かも知れません。ですが、仕事を行う上ではそうではないケースのほうが間違いなく多数です。それであるならば、相手側に歩み寄るのは自分たちの考え方を変えることでまだ可能ですので、実現できる可能性ははるかに高いのではないでしょうか。

 なにも相手側の言い分をすべて呑み込め、という事ではなく、いつもよりも少しでもいいので相手側に近寄ることをしてみよう、それだけの事です。自分都合を優先するのではなく、相手側の都合も考慮に入れていることが伝われば、それはゆっくりとかも知れませんが相手側の姿勢に変化をもたらすこともありえます。もしそれが出来たならば、本来目指すところでもあった、チーム一丸となってユーザーの課題を解決するために取り組むことも不可能ではありません。

 「開発側は仕様を決めろというが、どうしたって決めきれないこともあるじゃないか」、「営業側はユーザーの言う事を何でも聞いてくるけど、できるわけないじゃないか」と、互いの都合だけをぶつけているのでは、一向に上手くいく気配は見えてきません。「この部分だけは業務上必須なので最後まで調整が必要だけど、それ以外の部分は少しずつでも後半にシフトしていかなければ開発できないだろう」、「ここで仕様が決められないのであれば、これくらいのボリュームであれば今の納期に間に合わせることはできるのでユーザーにも提案できるのではないか」、このように同じことを言っているように思えますが、相手のことを考えに入れその状態でできることはこういうことです、とすることができるだけでも、互いの関係を悪くすることを少なくできるのではないでしょうか。

 同じ会社にいながらにして仲違いすることは、つきつめるとユーザーに不利益を与える事になります。それは最も避けなくてはならない事だ、この点においては確実に考えは一致するはずです。それを常に頭の片隅においておくことができれば、同じ会社の人間通しでうまくいかないことを減らすことも、できるのではないでしょうか。夢見がちな考え方かも知れませんが、私はこれが最適な方法だと考えています。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する