地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

後手後手となるソフト屋に未来はあるか

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 開発業務に長い間携わっていると、何かしらの問題が発生した際、その時点で対応せず後で対応しようとすることがあると思います。その理由はさまざまで、時間や予算の都合から、単純に技術レベルの問題まで、多種多様です。しかしその中で、私が違和感を覚える問題として「WIndows 7(Vista や Windows Server 2008 を含む)対応」があります。

 この問題は、今利用している・取り扱っているアプリケーションがそのままでは Windows 7などの新し目のOSに対応せず、利用できない、あるいは何かしらの問題が発生するというものです。対応としては、Windows 7のXP Mode利用や、OSのダウングレード権を利用するという方法があり、アプリケーションの改修を行わずに新規OSを利用する形を採っている企業はそれなりにあるかと思います。特に最近では、仮想化環境を利用して古いOSを自己責任の下で利用し続けるという手段も増えてきているようです。

 これの何が問題と感じているかというと、「Windows 7などの新しいOSが世の中に登場してかなりの年月が過ぎているというのに、いまだ持って対応が行われていないアプリケーションが存在する」という点です。

 世の中に Windows 7が登場したのは2009年9月です。Vista であれば 2006年11 月、Windows Server 2008 は2008年2月と、どれも登場してから2年以上の時間が過ぎています。これぐらいの時間があれば、アプリケーションを新しいOSに対応させることにほとんど問題はありません。ですが世の中に存在するアプリケーションでは未対応のものがかなり残っています。

 Windows XPのサポート期間もあと約2年、2014年4月に終了します。このころには Windows 8が恐らく登場しており、Windows XPは4世代前のOSとなります。このタイミングでアプリケーションの対応が行われているならば、まだどうにかなるでしょう。

 ですが、残されている時間と今まで過ぎた時間、どちらが長い時間であったかというと、今までに過ぎた時間の方が長いのです。その長い時間を過ごしていても、対応が行われなかった物が、残り時間の中で対応されるかというと、あまり期待できるものではないでしょう。

 私はこの問題について、「開発側の体質・風土的な要素が原因となっているのではないか」と思います。もともと対応できる企業であれば、ここに至るまでに対応は行っているはずです。しかし対応できていないということは、「対応する技術がない」か「対応する考えがない」となるのではないでしょうか。

 後者であれば、現行アプリケーションに変わる別のアプリケーションを用意するなど、違う方向での対応が行えます。しかし前者のような企業では、何かしらの理由をつけて対応を先延ばしにし、そのまま時間切れとなった際でも後継アプリケーションを用意しないなど、購入・利用してくれているユーザーに対して不利益を与えることも十分あり得ます。

 同じ業界にいる人間として、きれいごとと言われるかも知れませんが、このような対応を開発側が採ってはいけないと思います。できるのであれば、このような企業が1つでも減っていく事こそ、これからの業界が発展するために必要な事とまで感じます。淘汰とかではなく、良い意味で切磋琢磨することが、さらなる進歩に必要なのではないでしょうか。

 もしこの文章を読まれているユーザーが、新しいOSになかなか対応されないアプリケーションを利用しているのであれば、一度その理由を問い合わせてみるのも良いでしょう。その時、どのような答えを返すかにより、今後の付き合い方を考え直す必要があるかもしれません。

 はっきりとした答えを言わず、どこか煙に巻くことばかり言うのであれば、要注意です。その企業には、対応に必要な「予算」や「人材」などが不足しており、どうにもできなくなっている可能性があります。

 また同じ開発側の立場で、話に出た対応されていないアプリケーションを抱えているのであれば。すぐにでも何らかの方針を打ち出すことが必要だと思います。

 もう少し後で、というのはもうあってはいけないのです。それはめぐりめぐって自分達の身に降りかかってくることになります。その時に慌てることがないよう、少しずつでも何か行動することが必要なのではないでしょうか。

Comment(2)

コメント

としろう

これは何とも言えないと思います。

売れるなら出す、対応する。それだけの事かと。

企業などでは新しい物に飛びつかないで更新が色々遅い。
若者ではない人が沢山居て、且つITリテラシーの低い人が多い。
頻繁な更新で金がかかり、変更点で教育コストが発生する。
よって色々要求が後ろ向き。

そこらが絡んでどれだけ滑稽で変な仕様要求や無駄が出るかという事は良く判る。
だが、結局Windows7の普及が進まなかった事や、メリットが見えなかった事が原因。

PC資源を使いこなす要求も大きくなかったという事。
大半の人が大した事の無いことにしか使わない。
下手すればWindowsである必要すら疑わしい
社内システムがやたらWeb化という事も。

本題に戻れば、一部で強い要望はあったかも知れないが
開発側は何でもかんでも対応すると金がかかるので上が拒否とか、
直ぐに使うか判らない物への勉強という先行投資が削られている
といった所ではないのか?

Jitta

今回のコラムは、非常に微妙な問題を含んでいるように思います。
コラムの主題である「新 OS への対応」が、開発側の責任としてのみ描かれているように思います。
これは、正しいでしょうか。
確かに、市販アプリケーションの中でも、「Windows 7 対応」と謳われていないものもあります。
しかし、世の中には、顧客要望によって作成されたアプリケーションというものもあります。
そして、これまでのコラムの内容では、「顧客要望によって作成されたアプリケーション」が扱われていたように記憶しています。
この回のコラムでは、『もしこの文章を読まれている方がユーザーの立場で、新しい OS になかなか対応されないアプリケーションを利用しているのであれば、一度その理由を問い合わせてみるのも良いでしょう。』とありますが、ここで言われている『なかなか対応されないアプリケーション』が、どちらのアプリケーションなのかは明示されていません。
もし、後者、顧客要望によって作成されたアプリケーションであるなら、新 OS に対応するのは、発注時の取り決めに依存するのではないでしょうか。
「常に新しい OS に対応するように」という条項があるなら、開発側の責任と言っていいでしょう。
しかし、この様な条項があるとは思えません。
あるいは、あったとしても、期限が切ってあるでしょう。
すると、新しい OS に対応する、対応するように“依頼する”のは、ユーザー側の責任ではないでしょうか。
この依頼に対して渋るようであれば、開発側に小一時間問いただせば良いでしょう。
そうでないなら、理由を問いただすのは、まずは自社に対して、ではないでしょうか。

 さて、Windows Vista 以降対応というのは、何をお考えでしょうか。
Windows XP の頃に、Windows XP 用のデザイン ガイドに沿った作り方をしていれば、Windows Vista 以降でもそのまま動くものの方が多いです。
一番多い“問題”は、UAC というか、不当に高い権限を要求するアプリケーションですが、Windows XP の頃には既に、「Program files 以下にデータを書き込まない」ということを含めて、ガイド化されています。
その他、マルチメディア関係でいくつかの不都合がありました。
私は、動作がどうこうより、デザイン ガイド、あるいは Windows Logo で要求される案件に従うかどうかの方が問題になると思っています。
Windows Vista 以降で動くかどうか。
それは、動かせばわかります。
しかし、Logo 要件に沿っているかどうかは、要件を調べ、自分たちのコードを精査しなければわかりません。
「Windows 7 対応」と「Windows Logo 対応」(Windows 7 のシール有り)を混同していませんか?
Windows 7 でも動作するけれども、Windows 7 Logo を取得していないアプリケーションは、多数あります。

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