町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その14  同時入社の二人の明暗が分かれてしまった!

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各装置で同時に製造しても全ての装置で同じ生産数になるわけではない。これが競争心を生む。だから各装置の担当者たちは、どのようにしたら稼働率が上がるか個々に工夫していた。なので、担当者たちの独自の技や拘りがあって、装置を大切にしていたのだ。そのような雰囲気の職場なので自然にやる気も出るし覚える気も起る。更に私の場合は前職が設備関係の職種であったという生兵法的な自信があったので、たった1台の装置を覚えるくらい簡単なことだろうと高を括っていた。

そんな安易な考えでも、私と石上先輩のコンビは稼働率が絶好調だったしね。更に私が昼勤のときに一人で任されたのだが、そのときにも稼働率、生産数がトップになったのだ。私一人で達成した!なんて自己満足もあったのだが、入社約1ヶ月程度で私はすっかり装置全てを知り尽くした気になっていた。「虎の威を借りる狐」ってやつである。出だしがあまりにも順調で私自身かなり天狗になってしまったのだ。しかし、私とは正反対の新人が居た。私と同じ日に中途入社した1歳年上の豊部先輩も同じ現場に採用されたのだが、先輩が担当している装置は稼働が悪く、いつもトラブルなどに見舞われて稼働率もパッとしていなかった。同時入社の二人がまったく正反対の環境からスタートしたのだ。

私が昼勤のときは豊部先輩は夜勤であったのであまり話す機会はなかったのだが、先輩の装置はいつも停止が多くパッとしていない状態であった。こういうときの心理状態って、私は前の会社で経験していたからよくわかる。装置と比例して人間も暗くなってくるのだ。そうすると周りとのコミュニケーションも取らなくなってくる。そこへ更に豊部先輩が輪の中から外れるようなちょっとした事件が起きた。

いつもパッとしない豊部先輩の装置、いつものように豊部先輩がオペレーターしていたときに故障が発生。豊部先輩では治せないので周りの先輩に聞いたのだが「藤田班長に聞いてくれ」って言われ、藤田班長に聞きに言ったのだが「周りの先輩に聞いてくれ」ってたらいまわし状態にされて、一人で何もせずぼーっとしているだけ。そこへ甘利先輩が手を差し伸べたのだが、この先輩がまた全然装置を理解していない人でとにかく自分より後輩のとこに言っては不要な講釈を垂れて更に機械を弄ってしまってめちゃくちゃにしちゃうような人であった。そして予想通りに豊部先輩の装置をめちゃくちゃにしてしまったのだ。

↓某市の広報に載ったときのものです。40歳過ぎてから技術職へ就職したことが評価されて記事にしてくれました。

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