町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

修羅の派遣会社へ転職! その13 年間で50人以上が辞めて行く。。。

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これは、私の居た派遣会社に限ったことではなかった。他の派遣会社で採用された人もあっという間に辞めて居なくなっていた。少なくとも、1年間で50人くらいの出入りがあったと思う。本社で仕事をしているとき、私と同じ派遣会社から一人、19歳の新人が入社してきた。初日は私と一緒に仕事をしながらプライベートなことなどを話して楽しく一日が終了したのだが次の日、本人から会社へ電話がかかってきて「よくわからないので辞めさせてもらいます」って、社内がざわついた。「何がわからないんだろ?」、唖然とする社員たち。私も唖然とした。「そしたら明日、道具とか作業服を会社に持ってきて」と、課長が対応した。そして次の日、新人君が道具と作業服を持って事務所へやってきた。周りの好奇心に満ちた眼差しがいっせいに新人君に集中する。「○○だって半年は持ったのにな」などと、社員たちの陰口が聞こえてくる。新人君自身、周りの視線を感じていたようで、プレッシャーで全身から汗が吹き出し、シャツが濡れているのが私にもわかった。私と眼が合い小さい声で「すいません」と呟いて事務所を出て行った。

しかし、この新人君のように本人が辞めることを伝えに来るのはまだマシなほうである。もう一人の新人君はちょっと違った。年齢は私より二つ下だったと思う。私と同じ派遣会社に採用され、出社三日目で客先の会社から地方へ出張を命ぜられたのだ。期間は3ヶ月。ここまでは特に問題はなかった。そして、3ヶ月が経とうとした頃、彼は出張先のホテルから姿を消した。脱走である。もう少しで期間の3ヶ月が終わろうとしていたのに何故脱走してしまったんだろう?疑問に思っていたのだが、後で同じ派遣会社の同僚から聞いた話によると、もう少しで帰れると思っていたのだが、そんなときに客先から延長を依頼され、「やってられるか!」ってことになってそのまま実家に帰ってしまったということだった。もちろん、そのまま会社にも顔を出さず、そのまま退職ということになり、事務所内では「逃亡者○○」などと囁かれ、数日間は噂になっていた。

もっとひどいのになると、出張中にホテルからバックれて、会社から前借りしている数か月分の宿泊費、会社から支給されているパソコンなども返さずに音信不通になってしまう派遣社員もいた。更にひどいのになると、ホテルの部屋がメチャメチャになっていて机の上に「捜さないでください」なんて置き手紙を残してバックれる者も過去に居たということを聞かされた。このように、自ら辞めていく派遣社員も居れば、解雇されるまで居続ける派遣社員も居た。そういう派遣社員て、一日おきに休むような人である。今日出勤して普通に仕事はするのだが、次の日になると「おばあちゃんがどうのこうの」などと連絡してきて休んでしまうのだ。そしてまた次の日には普通に出勤してきて普通に仕事をする。そして次の日には「ちょっと具合が悪いので」と連絡してきて休む。この派遣社員、二週間目でついに課長自ら電話で「もう来なくていい!」とクビを宣告されてしまったのだ。

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