町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

修羅の派遣会社へ転職! その15 陰湿なイジメの始まり。。

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さて、ここで派遣として働くようになってから早くも数年が経った頃、イジメというか、間接的な嫌がらせというか、どちらともとれるような事件みたいなのが発生した。対象は私だったのだ。この頃になると、私はいつの間にか「研修期間中の社員+私たち特定以外の派遣社員」の中で一目置かれるようになっていたのだ。別に仕事ができるわけでもない、でも何故か周りは私を慕ってくれるようになったのだ。一番年上だったというのもあったのかもしれない。一方、[ベテラン社員+特定派遣社員]のチームワークも抜群であった。お互いの輪の土台が出来上がってきたので、その分、二つの輪の溝は深くなりすぎていった。こうなると仕事はもちろん、それ以外でも影響が出る。

宿泊先のホテルから職場に移動するときも、移動用で借りている数台のレンタカーは[ベテラン社員+特定派遣社員]組と、「研修期間中の社員+私たち特定以外の派遣社員」組に分かれて乗車するようになる。間違えてベテラン側に乗り込もうとした研修期間中の社員は「あっちへ乗れ!」と言われてしまったそうだ。そして仕事、ここでも派閥の影響は出る。お互い会話もろくにないので、ベテラン組からはあまり仕事を任せてもらえない。かといって、こちら側から仕事のことを頼むのも言いづらい。そんな状況で仕事を始めるとどうなるか?人が余ってしまうのだ。やることがなくてプラプラしてる「研修期間中の社員+私たち特定以外の派遣社員」が何人も出てくる。あるとき、私のとこへ一人の「研修期間中の社員+私たち特定以外の派遣社員」が来た。「仕事ないですか?」と、私に言ってきたので「他のとこはどうなの?」って、聞いてみると「こっちへ行け、というのでここに来ました」ということだった。聞いてみると、この派遣社員、ここに来るまで三カ所廻ったが、いずれも答えは「他のとこに聞いてみて」と、言われてしまったそうだ。

私のとこも、人は足りていたのだが、かわいそうなのでここに引き留めることにした。かといって手伝ってもらうようなことはないのだが、「次にやってもらうから、俺のやるのをよく見てて」と言って、観察させることにした。こんな状況でタイミング悪く「ベテラン社員+特定派遣社員」の一人が私の現場へ見に来たのだ、何もせず仕事を見ているだけの派遣社員を睨みつけなが私の方へきて「何してんの?」って、私に問い詰めてきたので「どこへ行ってもたらいまわしされて、俺のとこへ来ました。仕事を見せながら教えています」と言い放ってやった。しかし、その「ベテラン社員+特定派遣社員」の言い分は、今こっちで人が足りないからよこせということだった。あれだけたらいまわしにされて、行くとこがなく困っていたからここで引き留めたのになんとも自分勝手な言い分だ。二つの輪が分裂していると、このような情報の共有不足や役割分担の不明確は毎日のように起る。

そして、私たち「研修期間中の社員+私たち特定以外の派遣社員」側が悪者になる。そして、先ほども書いたように、定時で帰れる連中は[ベテラン社員+特定派遣社員]組ばかりになり、私たち「研修期間中の社員+私たち特定以外の派遣社員」組はいつも残業になる。特定派遣社員連中は、私たちに対して上から目線になる。定時で帰るときだけよろしく!と言いにくる。これが次第に私だけが残業ばかりになり、「研修期間中の社員+私たち特定以外の派遣社員」も定時で帰れるようになってしまったのだ。要するに、私だけ定時で帰れないローテーションになってしまったのである。嫌がらせの始まりであった。嫌がらせというよりは「こいつなら残業させても文句は言わないだろう」程度に考えていたのだろう。自分だけこのような待遇にもちろん私も気づいていた。それでもみんなに公平に挨拶はきちんとしていた。どんなにひどい仕打ちをされていても私は普通にしていた。というよりは、言い換えれば、ベテラン組の茶坊主にはならなかったのだ。私と同じ派遣会社の同僚二人はベテラン組に寝返っている。私だけは寝返らなかった。

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