生き様105. ○○占いが当たるってホント?~占いのシステム~
コラムニストさんからテーマ提供を受けました
今回のネタは、コラムニストのKyonさんから提供を頂きました。
発端は、よくあるTwitterアカウント占い系のネタです。
フォロー/フォロアーから、特定の関係性の人を抜き出すってヤツです。
そこから「の診断は違うけど、よくある診断系ツール(あなたを動物にたとえると…みたいなやつ)の結果が当たってそうな気がする理由を考えてみた」というネタの提供を頂きました。
詳しい話は、Kyonさんの関係者の方も含まれる為、割愛します。
実は「占い」はITエンジニアとしても、カウンセラーとしても縁深いテーマです。
今回は、占いをテーマに、考えてみたいと思います。
ちなみに、夏休みの宿題はギリギリで仕上げる派です。
1度だけ、最終日に友人のノートを丸写しした事があります。
アレも相当な労力が必要なものだと、体感しました。
※作文は適当に文章を埋められる人なので自力で問題ありません。
「カウンセラー」と「占い」
カウンセリングと占いは、似て非なるものです。
悩みにフォーカスし、心を癒やすという目的では、重なる部分があります。
僕の志すカウンセリングは、科学的知見や手法にを基盤として行われるものです。
占いというものは、主に神秘や社会学を基盤としますので、僕のカウンセラーとしての価値観とは相容れません。
巷にあふれるカウンセラーを名乗る人の中には「占いカウンセリング」や「占いセラピー」等、悩みを解決し心を癒やすことを掲げてらっしゃる方々がいらっしゃいます。
「カウンセラー」と名乗っていると、SNSでそういう方からフォローが飛んできます。
どうも、仲間と思われている様ですが、この様にスタンスが違います。
と言っても、僕自身は占いを否定する立場ではありません。
文化史や民俗学が大好きなので、古代から続く神託や占術の類は、軽く調べています。
カウンセリング手法としても、類似分野である占いの手法から学ぶところはあります。
そして、どうにもならない時や、機を伺う時に、占いの助けを借りることもあります。
それ以上に、世の中には、科学で到達出来ず、人智の及ばない領域があります。
それにアクセスできる方法の一つが【占い】だというなら、それはとても魅力的だ!と考えるのです。
「ITエンジニア」と「占い」
本などでプログラムを学習する時に、【乱数】を扱った経験のある人は多いでしょう。
ゲームを作る際には絶対に必要となる乱数は、ある時期までのプログラミング学習においては、必修科目と言っても過言ではない内容でした。
今は、言語系に実装はされていても、学ぶ機会は少なくなりました。
それは、今プログラミングが必要とされる業務システムにおいて、乱数が必要とされないからです。
逆に言えば、ゲームや趣味のプログラミングが主だった時代には、乱数の需要が高かったということです。
そして、その一つの使い方が、おみくじ等の「占い」でした。
また、僕がプログラミングを学習した時期には「バイオリズム」が流行っていました。
生年月日から、一定の数式で算出される値を周期グラフとして表現するバイオリズムは、プログラミング学習において、とても良い教材だ、と今でも考えています。
「占い」の正体
大分仰々しいタイトルを付けましたが、今回は【占い】を5つの分類にしてみました。
これらは、白栁の独断と偏見によるものです。
- 神秘や占者の直感に基づくもの
- 統計学に基づくもの
- 科学っぽい何かに基づくもの
- 遊び・ジョーク
- 詐欺
それぞれ、具体的に見ていきます。
神秘や占者の直感に基づくもの
「占い師」と言われて、一般的にイメージされるものがここに該当するでしょう。
カード占いや水晶占い、ダウジングなどの占いです。
未来視など、道具を必要としない人もいらっしゃいますね。
それらは占者ごとに異なるなので、僕がここで語ることはできません。
ただ、どの方も「自身の内なる世界」を大切にされている、という印象を受けます。
それを壊すような、野暮な真似は止めましょう。
一番野暮なのは、今回のコラムかもしれませんが。
統計学に基づくもの
古代中国から続く「四柱推命」は統計学に基づくそうです。
四柱推命には、占術だけでなく、世の理を現すものという印象を受けます。
今回は、その一部、現代日本でも大切にされている十干十二支にフォーカスします。
十二支は、ご存知その年の干支 として親しまれています。
60歳を還暦と呼ぶのも、この十干十二支の周期が一巡することに由来します。
その源流は、帝王として生まれる人の宿命が云々、ということらしいです。
要するに「人には生まれ持った才があるので、それを見つめて活かしてよく生きようぜ!」って感じです。
この十干十二支。「動物占い」や「家電占い」などのベースにもなっています。
生年月日から導きだされる動物や家電は、十干十二支の60の分類のテクスチャを変えたものです。
ただテクスチャを変えただけではなく、現代人に親しみやすいテクスチャを付け、説明を起こしたことは面白いですよね!
他にも、実在の星に基づかない東洋占星術。実在の星に基づく西洋占星術。
人相学や手相学。そして日本人が大好き血液型占いも。
これらもに、統計学的な側面が強くあります。
一部の計算が複雑になるこれらは、コンピューターの手を借りて演算を行います。
そういう意味では、ITエンジニアに縁がある「占い」かもしれませんね。
風水も、統計学だと言われています。
科学っぽい何かに基づくもの
別の呼び方をすると、疑似科学です。
論理的な思考に基づき、仮設検証実証を経て実践とする科学の徒であるITエンジニアにとって、似非科学は唾棄すべきものだ、と考えています。
ですが、それを眺めるぐらいの余裕とユーモアは必要ですよね。人生において。
似非科学と呼ばれるものは、科学っぽい考証を発端としていますが、検証に値する資料が少なく、現代科学として扱われていない俗説のことです。
前述したバイオリズム診断もその一つです。
そして、血液型占いも、疑似科学と言われています。
前述の「統計学に基づくもの」は、現代の学問とされるレベルでの【再検証可能な根拠】に基づいているわけではなさそうです。
少なくとも、僕はそういう学術論文を目にしたことがありません。
そういう意味では、このカテゴリに入るのかなー、とうっすら考えることもあります。
その辺りの判断は、個人にお任せします。
もし、学術論文としての根拠をご存知の方がいらっしゃいましたら、コメント欄等でご一報ください。
後学のためにも是非読みたい、そう考えております。
遊び・ジョーク
何らかの自然乱数を利用して、その後の運勢を占うという方法があります。
例えば花占い。下駄による天気占い。サイコロでの占い。おみくじやあみだ。
これらは、何らかの乱数発生器を利用したものです。
これらに一喜一憂することはあっても、重大な人生の選択を任せることはないでしょう。
また、遊びの中の一つだったりすることも多いです。
Twitterのアカウント名を入れるものとかは、「遊び」の代表的なものですね。
乱数発生器という仕組みは、コンピューターととても相性が良いです。
街角にある機械や、Web上でのサービスで、上に挙げたいくつかを見かけます。
乱数を扱いたいプログラミング初学者にも、とっつきやすいジャンルです。
また、広い意味ではカード占いも入ってくる、という考え方もあります。
僕は「リーディング」という性質がある為、ここには入らない、と考えています。
詐欺
ここまでに挙げたものの一部や全部を使って、人そ騙すことを目的にした占いです。
街中を歩いていて「占いの勉強をしているので手相を見せて下さい」とか言われたらコレです。
他にもアンケートと誘ってから「有名な占い師の方が~」と誘導したり、先祖が云々仏壇が云々とか言われたり、一部のカルト宗教が金銭集めの目的で行っていたり、様々なバリエーションがあります。
普通に犯罪です。
そういう人達とは関わらないように逃げましょう。
そして、最寄りの警察署や交番へ、そういう事があったことを伝えましょう。
僕は、上京していた友人を東京駅へ見送ったら、この手の輩に絡まれて、終電を逃したという苦い記憶があります。
関わったとしても、百害あって一利もない人達です。
また、この詐欺に使われる技法にコールドリーディングがあります。
これは、相手の情報を引き出しつつ、その情報を利用して話を進める技法です。
この様な話し方をする人が居たら要注意です。
技術に善悪はなく、コールドリーディング自体は悪いことではありません。
ただ、悪意を持って使われる事が多い、という悲しい技法なのです。
「○○占い」が当たる理由
話の核心に入りましょう。
巷にある「○○占い」が当たる理由は* 勘違い】*です。
はい、当たっていません。
当たった気になってるだけです。
例えば、どこかで血液型占いを見てみましょう。
できれば、細かく書いてあるところが良いです。
そして、自分の血液型のところを見てみると、どうでしょう?
当たっているもの、当たっていないもの、そこそこありますよね?
次は、自分の血液型以外を見てみましょう。
そこそこ当たっているもの、ありませんか?
多少の差はあれ、この手の占いは広く示す内容になっています。
どうとも取れる書き方だったり、
その中で「これがあなたです」と示されたものの中に、あなたに該当するものがあれば「当たってる!」という気になってしまうのです。
雑誌や朝のテレビ番組での占いも一緒です。
認知バイアスにより、当たったと感じてしまうのです。
最後に僕の知り合いの占い師さんの言葉をお借りします。
「占いは、その結果を知った瞬間に未来が変わるから当たらない」
以上!
ミニコーナー:こちらヤマネコシステム技術部三課!
ここは日本のどこかにあるかもしれない「ヤマネコシステム」社。
そこはかとなく、ブラックの香りがするこの会社の日常を、少し覗いてみましょう。
登場人物
三課:受託開発&新サービス開発
ヒノモト : 主人公 アラサーエンジニア
ホンドくん : 同僚 どっちかが1年先輩だった気がする
オラフ先輩 : 社内事情通、噂好き
占いフォーム
ヒノモト | 「」 |
オナガさん | 「ウチでメンテナンスを受けているこの会社のサイトですけど、大分古いですよね」 |
ホンドくん | 「でも、そのサイト3年前にリニューアルしてたよね?」 |
オナガさん | 「そうですね。デザインは新しいんですけど、なんというか、コンテンツが……古い?」 |
「このトップページにある『占いフォーム』とか、大分昔に流行ったって、オラフさんが」 | |
ヒノモト | 「うん、一番最初は、確か2000年ぐらいに作ったサイトらしいよ?」 |
「その後『現行踏襲しつつ、流行レイアウトで』というリニューアルを繰り返してる」 | |
オナガさん | 「ああ、だから『関係者用BBS』なんていうのも…」 |
ホンドくん | 「誰が書き込んで……ないね。最新投稿10年前だ」 |
(つづく)
ITエンジニアの視点で、時事ニュースを5分間で紹介する動画を平日ほぼ毎日公開してます。
「日々の生活の中にエンジニアリングがある」からこそ、
身近な時事ニュースから学ぶことが重要です。
忙しさの山を抜けたので、ぼちぼち更新再開しています。
他にも編集中の動画があるの、いい加減手を付けないといけない。
そう思いつつも、手が進みません。